“Google Glass”で予想されるメリットとデメリット。量産化でどこまで価格が下がるか。

AppleやGoogle、Samsungのような世界的なサプライヤーから端末の部品製造を外部委託されることは、新興企業・中小企業にとっては非常に大きなビジネスチャンスになってくるだろう。

Google、Glass向けディスプレイチップの台湾サプライヤーに出資

Googleが出資する台湾の奇景光電(ハイマックス・テクノロジーズ)傘下の立景光電(ハイマックス・ディスプレー)という会社も、世界的な社名の知名度は殆どないが、『小型ディスプレイの技術水準・安定的な生産体制』における信頼性があるようだ。

AppleもGoogleもSamsungもスマホの次に来る情報通信機器として、『ウェアラブル・コンピューティング(身につける小型コンピューター)』に注目しており、今のところ、グラス型(眼鏡型)と腕時計型が開発されている。

いずれもスマートフォンほどの汎用性と情報量の表示領域を持たないので、ガジェットや新しい技術製品を好きな人だけが買うような製品になりそうだが、どちらかといえば『行動しながら検索や動画撮影(リアルタイム配信)、通話ができるグラス型』のほうが技術的な面白さや利用目的の多様化の魅力があるのではないかと思う。

例えば、SNSのプラットフォームと連携することで、『ユーザーが今見ている景色・状況』などをリアルタイム配信できるようになる可能性があり、事故・事件の現場に居合わせた人がその場で動画配信可能になるなど、『個人メディアの強力なツール』として活用される可能性が開けてくる。

Google Glassには『撮影を許可していない他人や店内のプライバシー侵害・盗撮被害(撮影していることを周囲が気づきにくい)』などの問題が既に指摘されており、飲食店の中にはまだ一般販売されてもいないのに『Google Glass着用のお客様は入店お断り』と掲げている店も出てきているという。

一方で、犯罪(学校でのいじめも含め)に巻き込まれそうになった人がリアルタイムで犯人の顔・行動などを撮影することができたり、逃走する車両とナンバーを視点を向けるだけで撮影できるなど防犯上の利点も考えることができる。実際問題として、Google Glassは着用していればその人に犯罪行為(ひったくり・性犯罪など)をしようと思いにくい機能を持つツールであり、防犯ツールとして一定の需要と効果を持つかもしれない。

『旅行先の風景や体験の共有』などもよりリアリティを増してくるだろうし、『他人が見ている視点・情景』を即座に共有できる面白さもあるが、現在のところ、希望小売価格が日本円で10万円を軽く超えており、気軽に大勢の人が買えるようになるには半額以下にまで価格を引き下げる規模の経済効果が必要である。