中高生のネット依存症とライフスタイルの変化2:もう一つの世界としてのネットの使い方と新時代の想像

若い人が自分の将来において、インターネットを長時間使えるようなライフスタイルを無理なく導入したいのであれば、『ウェブでの学習・仕事・セルフマーケティング・稼働(収益)の機会』を意識しながら、遊びや娯楽、おしゃべりばかりではない『効果的なウェブの使い方(ウェブを使うことが自分にとって何らかの実際的な仕事・利益・楽しい関係につながるような使い方)』を身につけることが必要になるかもしれない。

中高生のネット依存症とライフスタイルの変化1:ネット依存症が起こりやすい要因とその問題点

物理的世界(従来のリアル世界)における『身体性』を軸にした仕事や運動、勉強、娯楽、人間関係、コミュニケーション、経済行為も大切であるが、それと同時にネット世界が『もう一つのリアル世界』としての存在感・時間消費率を高めてくるのは必然の流れであり、『従来のリアル世界』と『もう一つのリアル世界』を各人がどのように有効に使い分けるか、毎日を楽しめる知的・情緒的・持続的なライフスタイルを作り上げられるかが近未来の課題になる。

インターネットは『無時間性・エンドレス性・娯楽や話題(関係)の無限選択性』によって依存症になりやすい特徴を持っているが、逆に考えれば『人間のエネルギー・物質の消費量の減少,人間の欲望や行動理念のバーチャル化』という地球環境保護の効果も期待できる部分がある。

アジア・中東・アフリカまで含めて、『現在以上に高度なリアリティ(感覚・感情)とリンクさせられるほどのネット環境(現実拡張技術)』が浸透した場合には、『従来のリアル社会における物質・金銭・資源を巡る争い』が緩和される可能性、マトリックスのような『精神世界(脳内世界)の領域の拡大=物質世界(脳と外部世界・他者の相互作用)の領域の縮小』が起こるSF的な想像力も刺激される。

新しい技術や世界をネガティブに捉えたり、今までの生活や文化をひたすら保守しようとするのではなく、『近未来において現在の自分たちとは全く異なるライフスタイル・価値観をもった新時代の人間』が出現するのではないかという予兆・雰囲気を味わう感受性を持ちたい。

30~50代の人であれば、ネットが無かった時代とネットが普及した時代の両方を体験している人も多いと思うが、個人的には現代の時代が進めば進むほどに、技術的・体験的・関係的には面白い要素が増えているように感じるが、逆にウェブ社会や情報革命・情報デバイスの浸透を苦々しく思っている人にとっては面白くない時代なのかもしれない。