高気温・高湿度は『生理的ストレス』であり、熱中症やイライラを引き起こしやすい:29歳女性によるJR高田馬場駅構内のスプレー噴射事件

うだるような暑さで汗が滴り落ちてぐったりする猛暑日といえば、お決まりの問題として『熱中症(その中でも重症度が高い日射病)』がイメージされるようになったが、高気温・高湿度は精神状態にも影響を及ぼすことのある『生理的ストレス』である。

元々の性格(パーソナリティ)が冷静・温厚で常識や節度のある人であれば、生理的ストレスによるイライラや怒りやすさ(易怒性)、興奮・衝動を抑制して直接他人に不満をぶつけないようにできる。だが、元々の性格が短気・攻撃的でストレス耐性が低いために不快状況を我慢できないような人は、『生理的ストレスによる他罰性のイライラ・責任転嫁の暴言・被害者意識による反撃』が起こってくる頻度が有意に高まる。

JR高田馬場駅構内でスプレー噴射、女逮捕=トイレ順番待ち中、傷害容疑-警視庁

ちょっとしたトラブルや言葉の行き違いで喧嘩や事件が勃発しやすくなったり、あるいはそれまでに溜め込んでいた不満・怒り・我慢を抑制できなくなって、『家族間・友人間・利害関係者間での大きな事件』が起こりやすくなったりもする。

東京都新宿区のJR高田馬場駅の女子トイレで、容疑者の29歳女性が催涙スプレーを撒き散らして、1人が皮膚炎を発症して7人が病院に搬送された事件も、『元々の短気・攻撃的な性格+従前の不満・苛立ちの多い落ち着かない状況』に『猛暑の生理的ストレス』が加わったことで起こった可能性がある。

被害を受けた女性は『相手にトイレの順番を譲った直後にスプレーを吹きつけられた』と証言していて、『なぜ譲ったのにそんなことをされるか分からないという感想』を持つのが普通である。

だが、初めからイライラしている動作や順番を待ちきれないような愚痴・不満の多い態度を示しているような相手の場合には、『言語の意味内容・敵意のない笑顔やジェスチャー』が相手の大脳皮質に届かないような大脳辺縁系優位の精神状態(動物的な反射に近い状態)になっている恐れがあるため、『良かれと思ってした発言・行動』に対して予期せぬ罵倒・暴力・反撃が返ってくるリスクがあって予防が難しい。

とはいえ、外見からしても極端にイライラしていて精神状態が不安定そうな人(目つきが異様に威圧的で敵意を持っている・舌打ちや貧乏ゆすり、独り言の暴言などがある・モノや周囲に当たっている)というのは見分けることができることもあるので、君子危うきに近寄らずの部分もある。

トイレ待ちのケースでは、相手がイライラしているように見えたから、逆に被害者が気を回して『お先にどうぞ』と愛想良く言ってあげた可能性が高いと思うが、精神状態に他罰性・反射性の異常が生じているような相手の場合には、『機嫌や愛想の良さ・笑顔や柔らかい言葉』が逆に自分が惨めに感じる挑発的な言動として認知される恐れがある。

加害者も犯罪者にならないように、『自分の精神状態』が過敏で攻撃的・被害妄想的になっていたり『自分だけがどうして~』という不満や怒りを感じている場合には、余り街中や電車などの公共空間に出歩かないようにするなど『暴力を振るってしまいかねないリスク』を自分で低下させることが自分自身のためにもなる。加害者になる人も(現実検討できない精神病・知的障害ではない場合では)自分の精神状態がかなりストレスフルでおかしくなりかけている(他人に当たりたいような落ち着かないそわそわするような気持ちになっている)といった認識は持っていることが多いとされる。

暑さや人生の諸要因でイライラしているとしても、『自分の不満・人生と他人の言動との境界線(無関係性)』については認識してもらいたいが、それが認識できなくなった時、動物的な衝動・反射に行動が支配されてしまう人がでてきた時に、思いがけないトラブルや喧嘩、事件が起こってしまうのだろう。