iPad AirとiPad mini Retina

タブレットの王道となりつつあるiPadの新モデルが発売されたが、今回の変更点は以下のような感じで革新的な変化とまではいかないかもしれない。

1.64ビットCPUである“A7”の採用による処理速度の向上。

2.9.7インチのiPad Airの薄型化・軽量化。

3.iPad miniへのRetinaディスプレイの搭載。

それでもタブレットとしての使いやすさやディスプレイの液晶の精細さは、他社のタブレットと比較すれば上回っているので、初めてタブレットを買う人やAppleフリークな人には有力な選択肢になるのだろう。価格は他社製品よりもかなり高めではあるが、いったん買えば地面・水に落とさない限りそう簡単に壊れる商品ではないので、数年間は使い続けることができる。

パソコンの用途があまりない人は、タブレットに変えてしまう人も増えているようで、『パソコン市場の低迷』は『タブレット市場の成長』とリンクする形で進んでいる。

特にデスクトップPCは、ウェブサイトやグラフィックの作成、データベース操作やプログラミング、Office系アプリケーションの利用など『キーボードやマウスを使った操作+大きなディスプレイの作業環境+CPUの高性能』が必要な人でないと、改めて買おうとするユーザーが減っている。

そのためか一昔前と比較すると、若い世代の人でもパソコンのキーボードをタッチタイピング(ブラインドタッチ)できる人は減少傾向にあるという。スマホやタブレットのようなタッチパネルのディスプレイのほうが馴染み深いというユーザーが増えていて隔世の感もあるが、それでもやはり『長文のスピーディーな入力環境』としてはタッチパネルは物理的キーボードには及ばない。

iPad AirとiPad mini Retinaのどちらを購入したほうが良いかについてだが、僕なら迷わずiPad mini Retinaを買うと思うが、それは9.7インチのディスプレイは手でもって操作するにはやや大きすぎて頻繁に使おうという気持ちになりづらいからだ。僕はiPad miniは持っていないが、5.5インチのスマホと10インチのタブレットでは後者を使う機会は動画などを除いて圧倒的に少ないし、屋外のモバイルで持つにはやや重たくて長く両手で持ち続けるのはきつい。

実際に、10インチ前後のタブレットを所持している人なら分かると思うが、スマホサイズ(4~5インチ)あるいはNEXUSやiPad miniのサイズ(7インチ)の端末を別に持っていれば、意外に大きい10インチのほうは(仕事用のプレゼンとか他人と一緒に画面を見るなどの用途は除いて)殆ど使わなくなってくる。

頻繁にモバイルでインターネットや電子ブックの読書、音楽の視聴をしたいのであれば、9.7インチより7.9インチのiPad miniのほうがお勧めだと思うが、個人的にはNEXUS7くらいの大きさのちょっとminiより小さいくらいが一番扱いやすい感じはある。Retinaディスプレイは、電子ブックの読書に適した解像度の高さがあるので、モバイルで本や雑誌を読んでみたい人にもいいのかもしれない。まぁ、あんまり色々と端末を買っても、実際にはよく使う端末は一つに絞り込まれていったりもするので、(端末を操作したり所持することそのものが好きな人でなければ)一つ何かスマホやタブレットがあれば十分ではある。