STAP細胞論文問題における『捏造・改竄の定義』を理研に要求した弁護団と研究者倫理のあり方

弁護士の戦術は理研による小保方晴子氏の懲戒処分を回避するためのものであり、STAP細胞の作製・実在を巡る科学的議論からは逸れているが、虚偽であることを知りながらや騙す意図を持っての前提がある。

<STAP論文>捏造定義で理研が回答「結論出すときに」

『捏造』や『改竄』があるのか無いのかは、小保方氏の科学者としての職業倫理・人格評価に関わるクリティカルな問題である。なので、懲戒処分を受けるにしてもその後の科学者としての居場所・キャリアを確保できるかどうかということに関わる、本人にとっては重要な問題と言わざるを得ない。

事実ではないことを事実であると見せかける操作・策略をすることが『捏造』、客観的なデータや数字、証拠を自分に都合の良いように書き換えることが『改竄』だが、仮に科学者としての研究・実験を行っている最中に意図的な捏造・改竄を行ったという事なら、科学者としての人格的・倫理的な資質の致命的欠如の指摘になる。

STAP論文の内容や体裁における『捏造・改竄の定義』というのは、一般社会の関心としては重要なものではない可能性が高いが、『小保方晴子さん個人のキャリア』や『研究者一般の職業倫理の指標』としてはそれなりの意味がある。

『アカデミズム内部で何となく承認されてきた論文の書き方・画像の掲載の仕方』についても、見直しを余儀無くされる部分が出てくるのではないかと思う。一方で、世界的に見てもインパクトの大きかったはずの(報道当初はノーベル賞級の研究とまで持て囃されたような)『STAP細胞研究』そのものの真偽が分からないまま、曖昧なままで放置されかけているような現状は好ましくないとも思うが。