復興増税で今年から10年間、住民税が年間1000円増税:議員・官僚・公務員も自腹を切る行革を。

確定申告者にとって住民税は実質的な負担感が最も大きな直接税で、4回分割でも納税額は大きくなりがち。復興財源名目の増税は反対もしづらいが企業減税と個人・世帯増税の対照性は際立っている。

住民税、年1000円増 6月から10年間、復興財源に

企業の復興増税は前倒しの2年だけで打ち切っているのに、個人の住民税増税は10年も継続される不公平感もあるが、復興増税の最大の問題点は『徴収した税金』を被災地復興の実務に使い切るだけの計画立案と労働力の供給、人材のオペレーションができていない事だ。復興名目の税金が余っても翌年に繰り越せない。

所得税も住民税も消費税も増税され、ガソリンや食品の物価も上昇傾向にある中、労働者の可処分所得が先細りすれば、日本経済にも消費停滞の悪影響がある。企業優遇税制や円安・株高によって増加した上場企業の利益が、『雇用・所得・社会保障』として幅広く再配分されている実感があれば増税の納得感もあるかもしれないが。

政治家や官僚が『身を切る改革』を先送りし、時限立法的な歳費・給与の削減策だけで行財政改革のお茶を濁している事も問題である。『政治に対する信頼感の欠落』や『政治家・官僚の当事者意識や責任感の不在』が、誰がやっても一緒という政治に対する無関心・不参加を強める悪循環を生みだすことにもなる。

結果、更に一部の人たちの都合による意思決定に『選挙結果のお墨付き』を与えることになり、選挙による民主主義・議会政治(代議制)が形骸化する恐れがある。政治と有権者との距離感の近さや影響力の実感がなくなれば集団票・固定票以外は減少して、劇場型・権威型のショー化した政治演出や対立図式が前面に出る。