“海外在留邦人の保護”をするために日本政府はどのような政策を取るべきか?

『海外邦人の保護対策』と同等に『海外邦人が狙われるリスクを下げる外交戦略・国是の明示化』も必要。挑発的な外交や平和主義を歪曲した国是を示し、邦人保護の必要を強調すれば軍事的対抗策の議論に行き着く。

<外務省>携帯で緊急通報など海外邦人安全対策

『ISとの戦い』に日本国が軍事面や軍需物資・部隊派遣など後方支援の面で協力することはないという事を、安倍首相は人質事件の事後に説明したが、『人道支援のみに限定した資金支援の主旨』がエジプトでの演説の中で伝わりきらなかった。ISやボコ・ハラム等イスラム過激派との向き合い方は日米関係との兼ね合いが影響する。

ISやボコ・ハラム、アラビア半島のアルカイダ等の凶悪かつ残酷なテロ活動を繰り返すイスラム過激派は、日本の価値観からすれば『許容限度を超えた悪』だが、日本が積極的にイスラーム圏のテロリストや反近代・反人権勢力を『日本人の犠牲』を覚悟してでも敵対すべきかは難しい。イスラム自体も広義では反近代の面を持っているので、完全に欧米社会とイスラム社会が融和して共存するというのもかなり難しいことではあると思う。

日米欧の近代社会とイスラーム社会は、テロリストや過激派の問題を抜きにしても、『男女平等・個人主義(自由主義)・人権尊重・資本主義(金利)・唯物論(科学主義)』などの面で、合意したり目的を共有することが難しい。イスラーム人口の増大は、個人ベースの近代的な自由民主主義社会にとっては脅威に映る面はある。