フィリピン人の母が16歳娘を刺殺・無理心中か:ひとり親世帯の貧困・孤立と当事者性の難しさ

フィリピン人の母による無理心中か。移住者のタフネスの多くは『血縁・仲間のコミュニティ』に担保されるから、日本で問題になっているひとり親世帯の貧困・孤立のような圧力には脆い所もあるのではないか。

16歳少女刺され死亡=母親重傷、無理心中か―神奈川

母子家庭における子育ての難しさは、単純に『収入が少ない貧困』もあるが『相談相手がいない・精神的に頼れない母子の孤立』も影響する。母親のメンタルヘルスが壊れ悲観的になった時、それを支持して立て直してくれる親密な他者がいるかいないかも大きい。単身・二人の世帯では自分の心の健康を崩すと致命的になりやすい。

無理心中するまで追い詰められる前に誰かに相談できなかったのかという正論の同情は多いが、日本に長年住んでいる日本人でも貧困化と結びついた孤立化のリスクは低いとはいえない。ただの知人でなく『いざという時に役立つ助言・支援をしてくれる他者』がいるという人もそう多くないだろう。心を病んだ外国人ならなおさら。

日本の各種格差は拡大傾向にあるが、消費文明のメインロードにいられる限りは、『周縁部の貧困・孤立・家庭問題・メンタルヘルス悪化』は他人事であまり関心の範囲内に入ってこない。『中心と周縁の境界』が曖昧化、いつ中心(安全圏)から周縁(危険圏)に追われるか分からないのが現代のリスク・不安になっているが。

逆に現代的なリスク・不安に対し過度に備える人が増えた結果、貯蓄過剰(経済停滞)・少子化などが生まれている面もある。『個人単位の不幸・悲劇・苦悩』を呑み込んでなお拡大する成長神話・進歩主義・全体同調の空気の『大きな流れ・うねり(本能的バイタリティー)』が失われたのが、考えすぎる先進国の弱みでもある。

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