大阪のルームシェアをしていた友人の遺体切断事件、「借金があるから殺害を疑われる」という心理

殺人と死体損壊では量刑が大きく異なるので、容疑者からすれば『死因不明なら知らぬ存ぜぬ(見た時には死んでいた)』になりやすい。事実推測の物証と状況証拠の説得力の問題になる。

「借金あり殺害疑われる」=損壊・遺棄の理由供述―容疑者起訴・大阪切断遺体

常識的には20代女性が突然死するリスクは極めて低く、帰宅して同居女性が心肺停止になっていたら救急車を呼ぶだろう。他殺体でなく、死因が病気だと明らかになれば、『借金で殺害を疑われる』になり得ないのは自明だ。『借金トラブルから殺してしまったの蓋然性』は高いが物証・死因解明がないと合理的推測が多くなる。

『借金がある相手に対する殺意』は社会的に合意された常識とは言えず、普通は借金している同居の友人知人が突然死・不審死した状況に遭遇しても、救急車を呼ばずにその死体を自分の手でバラバラにして隠蔽しようとする動機づけがない。まして何もしてない自分が、他殺体でない友人知人を殺したと疑われるとは想像しない。

友人との関係にもよるが『借金があって揉めても相手を殺そうとまでは思わない』が常識で、『借金がある=殺人の動機になる』は精神分析的には無意識的自供の側面はある。金銭を借りて約束の返済ができない自分に落ち度はあるが、幾ら責められても殺すまでいかない、大半は謝罪・事情の説明をし可能な返済方法を検討する。

スポンサーリンク