現代の日本は意地悪化しているのか?『高所得の満足していないオジサン』による炎上:貨幣経済と評価経済

現代には『貨幣経済(お金を稼ぐ)』と『評価経済(人から好かれる)』の二つの側面があり、高収入の中高年男性は前者で優位だが後者で不利になりやすく、地位・経済力と主観的満足がズレやすい。

意地悪ニッポン “炎上”主犯は「高収入だけど満たされないオジサン」

『昔の日本』が『今の日本』より倫理・治安・マナーが良かったわけではないが『相互扶助・存在認知の地域コミュニティ』が機能していて『中高年男性の居場所や自尊心(他者の関心・敬意)』が家父長制や女性・妻の持ち上げ、企業コミュニティ等で担保されていた。現代は経済・仕事・男と愛情・承認の結合は弱まった。

豊かになったから他人に意地悪になって攻撃するという因果関係はなく、ただネット社会になって『個人の主張・意見を不特定多数に発信できる場』が増えただけだろう。全体の約1%しか炎上に参加しない事もその裏付けだが、現代は『意地悪化』よりどちらかというと『メリット・興味のない他者への無関心化』が進んでいる。

『貨幣経済(お金を稼ぐ)』と『評価経済(人から好かれる)』の分離や矛盾もあるが、現代では自信・幸福・影響力をバランスよく実感することが難しい。貨幣経済(学歴・仕事・地位)で成功するだけでは満たされにくく、評価経済(人間関係・愛情・承認)で認められないと孤独感・虚しさで豊かでも不遇と思う人はでてくる。

炎上やクレームに過剰にコミットする人は、男女・年齢を問わず『自分の現状に何らかの不平不満がある人』である可能性が高いが、豊かな社会になればそれだけ『人生・経済・他者に対する要求水準』も上がる。客観的にまずまず良い状態でも『自分は報われてない・楽しめていない』と感じる人が増えやすい構造はある。

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