10年間で妊産婦の自殺者が東京で63人:産後うつの希死念慮が影響か?

『マタニティーブルー・産後うつ』の認知度は高いが、産後うつの自殺リスクについての言及や統計調査は今まで無かった。精神疾患の既往でリスクが上がるので、産婦人科と精神科の連携が必要になる。

<妊産婦自殺>10年で63人…東京23区 産後うつ影響か

妊産婦の自殺者数は10年間で63人で日本の自殺者数に照らせば少ないが、高齢の老衰・貧困や不治の病気を苦にした自殺と比べ、本人の精神的な混乱や意志の薄弱さの度合いが大きい。適切なメンタルケアやヒューマン・サポートがあれば『自殺を回避できた可能性』が高くその意味で積極支援の効果が期待できると思う。

近年は10代の若者の自殺数も微増傾向にあるが、生命は平等な価値があるとはいえ『天寿から遠い若さ(将来の展望があったはずの年齢)での自殺』は心理的な悲惨さや無念さがより際立つ。妊産婦の自殺はホルモンバランスや育児ストレス、病的不安が影響するが、可愛いはずのわが子との未来を自分で断つ悲しさがある。

数年前にも女子アナの方が出産後まもなく動機不明の自殺をした事件が起こったが、『精神疾患・孤立状況(自分一人だけの孤独な育児)・育児の不安』と合わせ、失敗や挫折が少ない優等生型では特に『完全主義思考・理想主義・責任感の強さと失敗の罪悪感』などが自罰的に判断力を低下させて希死念慮を強めやすい。

妊娠出産は特にホルモンバランスの変化や育児のストレスもあって、周囲の十分なサポートや育児負担の分散がないと母親はセンシティブになりやすい。それほど重要ではない子供の小さな変化等が色々と気になり、不安が強まり判断力が低下しやすくなるので、母親でも夫でも保健師でも何でも気軽に話せる相手(相談相手)がいたほうが良い。

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