米国の大統領候補ドナルド・トランプの偏った世界観と日米安保への主張:アメリカの斜陽の兆しか

アメリカの大統領候補であるドナルド・トランプの台頭は、世界戦略から手を引き自国の事だけに専念したいという『アメリカの斜陽のナショナリズム』の現れで、どの国にも外国に自国の財源が不当に奪われているといった主張はある。

<米大統領選>トランプ氏に意見交換申し入れ 石原・亀井氏

ドナルド・トランプの政策や見識は『偉大なアメリカを取り戻す』というスローガンとは裏腹に『世界・同盟関係における米国のプレゼンスや威信を落とす政策』だろう。大戦後の米国の冷戦・中東経営を経由した『価値観外交・世界の治安維持からの弱気な撤退』を今更行えば、米中関係や太平洋の制海権も歪める事になる。

日米同盟は片務的だから日本側が駐留米軍の経費を全額負担すべきで、負担しないなら米軍は撤退するというトランプの主張は、一方的であるだけでなく歴史的な事実認識を誤っている。日米同盟は冷戦で共産主義の防波堤として機能し、日米の共通価値の連携は東アジアの自由主義を支えた。太平洋制海権を含め米国の利益も大きい。

トランプの日米軍事同盟の破棄と米軍の撤退は、アメリカに対する日本が『アウト・オブ・コントロール』になる事を意味する。改憲して核武装すれば良いというが、必ずしも米国の味方になるか分からない立場の衰退期の日本がやぶれかぶれでトランプのようなエゴ化(単独外交主義化)を進めて核武装すれば東アジア・世界情勢は混乱を極めることになる。

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