北海道釧路のイオンモールで4人が死傷(女性1人が死亡)する無差別事件:現代を生き抜く処世術

無差別殺傷事件は、『孤独・貧困・絶望』をこじらせて自殺ではなく他殺に走る『拡大自殺・巻き添え・社会憎悪・自暴自棄の心理』と関係する。現代は人知れず絶望したりひきこもったりする無数の人が、『不可視化』されて再起しづらい社会であり、大多数は『他害・犯罪』ではなく『自己否定・うつ』に向かいやすい。

男が切りつけ女性4人死傷 釧路のイオンモール (朝日新聞デジタル – 06月21日 16:28)

33歳の容疑者の男は新聞配達のバイトをして、両親・妹・妹の子と暮らしていたという。高齢に近づく親とシングルマザーの妹との同居で暮らし向きは厳しく、将来の明るい見通しも立ちづらかっただろうが『自分の不幸・絶望・怒り』の責任を八つ当たりで無関係な他人に求めても無意味で自分が決めて変わる以外の方法はない。

加害者の男にとって釧路郊外の賑やかなイオンモールは『幸せそうに見える人が集う場』だったのかもしれないが、実際に殺傷した相手は40代以上の(抵抗・反撃をされない)女性ばかりで男の臆病さ・卑劣さが際立つ。その卑劣さが『人を殺して死刑になりたい』という人を巻き添えにする拡大自殺の発想を生んだか。

人生哲学というほどでもないが、現代をサバイバルする目的論的な処世術はシンプルに『お金を稼ぐこと・居場所を作ること・人に好かれること・自分の世界を作ること』の四点に絞り込める。逆にこれらがすべてダメなら並の人間は精神を壊して落ちる。人生に打ちのめされた時こそ、原点に立ち戻ってできる事からやるしかない。

人は他人の感じている痛み・苦しみ・絶望を直接感じることはできない。不満・怨恨・怒りを溜め込んだ不機嫌な人に敢えて近づく人も殆どいない。そういった現実の世知辛さが、困窮し孤独になった人を更に追い詰め社会憎悪を煽る構造は問題だが『自分にできる努力・工夫』を放棄して他人を自殺の道具にするのは愚劣さを極める。

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