相模原殺傷事件の容疑者に対する『措置入院』とその後の対応はどうあるべきだったのか?:精神医学の異常診断の影響力

『措置入院』は自傷他害の切迫した危険がある『急性の精神病患者』に対し保護的に行われるもので、元から反社会的な思想や犯罪計画を持つ『テロリスト・サイコパス・思想犯』を収容し改善する事は不可能だ。

<相模原殺傷>「措置入院」制度見直しへ 政府関係閣僚会議

精神医学を『社会防衛・体制維持(監獄)の手段』として用いた歴史は、精神疾患ではない患者(厄介者・政治犯)を強制的に入院・監禁した『負の歴史』として解釈される事も多い。『公権力+精神医学』に悪意が伴うと正常な人も『複数の専門医の異常診断』を受ければ自分は違うと証明する事が困難となり合法的に監禁される。

植松聖容疑者は『大麻精神病・妄想性人格障害』とも言われるが、自己呈示・自己演出ができない水準の精神病ではない。『自分が医師からどのように見られているかを推測し言動を制御できた(加害性がなくなったと見せかけた)』ことから、指定医でも自分の考えが変わったと話す容疑者の発言を虚言と確実に見抜く技術はない。

措置入院を『予防拘禁(犯罪予防)・長期収容の手段』として用いるためには、精神病ではないが殺人を起こしそうな反社会的(暴力的)な思想・言動を持つ人も対象に含める事になるが、実際に暴力や脅迫に及ぶ前から身柄を長期拘束できるとなれば『内面の自由の侵害』や『権力濫用の弊害』が問題になってくる。

措置入院後も一定期間アフターフォローをして、その入院患者の思想信条やパーソナリティーの内容が反社会的・暴力的になっていないかをチェックし、自傷他害を予防するような心理プログラムや認知療法を義務付けるような施策はいいかもしれない。殺人容認の思想を持つ潜在的な凶悪犯が措置入院の網にかかる事は少ないが。

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