ヒマラヤ登山の極限状況と死亡リスク:人類のヒマラヤ山脈8000m峰への挑戦の歴史

マナスルなど標高8000m以上のヒマラヤ登山は、現代の登山の道具・装備・シェルパの案内があっても安全策を採らなければ5%以上は死亡率がある。天候悪化・滑落・怪我で簡単に死ぬ環境で覚悟が要る。

ヒマラヤ登山の日本人男性が行方不明 登頂後に滑落か

ヒマラヤの8000m峰への登頂は、20世紀半ばまでは『人類の登攀・登頂能力の限界に挑戦する夢』であり、実際1950年のフランスのモーリス・エルゾーグとルイ・ラシュナルによるアンナプルナ登頂まで公式記録では、誰も8000メートル以上の超高所(生命の長期生存限界)の頂に立った人間はいなかった。

8000m峰は全14座。全山に初めて登頂したのがラインホルト・メスナー(イタリア)で1986年10月16日に達成した。翌1987年、イェジ・ククチカ(ポーランド)が達成し現在までに33人の全山登頂者がいる。日本は有力な登山家の多くが全山制覇を前に遭難死したが、2012年に竹内洋岳が初めて達成した。

23歳の若い青年が遭難死したのは非常に残念だ。8000m峰の登頂は確かに、本格的な登山者の最終到達点としてイメージされるもので価値があると思うが、既に33人もの人間に全山制覇され、エベレストであれば更に大勢の人がガイド登山で登頂している。無理をして一般ルートで登頂する記録的価値は薄らいだ観はある。

K2の冬季登頂は未だに誰も成し遂げていないが、極端に困難な季節やルートで8000m峰に挑むのは半ば自殺行為であり、酸素濃度が3分の1の高度だけでも人間の生存限界を超えていて、8000m以上の平均気温はマイナス35度なので天候悪化は即死亡リスクになる。マナスルの死亡率は21.7%でかなり危険な山だ。

登山の技術と経験、体力がない生身の人間はまず生還できないからこそ、8000m峰に登りたい人は後を絶たないが、憧れで終わらず実際にリスクテイクして行動できてしまう登山家の多くは、最終的に山で死んでしまう人が多い。山野井泰史さんのような凄いクライマーでも遭難で多くの指を失う等、手足の欠損のリスクも高い。

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