2019年の改元、元号は存続すべきか廃止すべきか?:西暦と元号の特徴

『西暦』はグローバルスタンダードでコンピューター対応も容易だが、『元号』は天皇の時間支配の属人性を持ちつつ、『時代の特徴』をイメージしやすい利点もある。

2019年に改元の可能性 「これを機会に元号の使用はもうやめた方がいい」という議論が盛り上がる

イエス・キリストの伝説的な誕生年(誕生の翌年)を西暦(紀元)1年とし、前年を紀元前1年とする紀年法は、直線的に数字が連続するだけで分かりやすいが、西暦は『意味のない数字だけの表記』なので、漢字(表意文字)で記す元号よりも『時代のイメージ・近い時代の時間感覚』が湧きにくいのはある。

1965年生まれというよりも、昭和40年生まれといったほうが、『その人が生きた時代の背景』が日本人にとっての共通イメージとして思い浮かびやすく、西暦だけだと1965年生まれも1985年生まれも、ほぼ同じ時代でその差がほとんど感じられない。若い人になるほど昭和も平成もない西暦のみの時代感は薄れやすい。

今の時点でまだ生存している日本人が存在する『明治・大正・昭和・平成』というのは、『天皇の御代の時間支配』以上に『自分・家族が産まれて生きた時代性のイメージ』と分かちがたく結びついており、『昭和は遠くなりにけり・前の元号世代の人(時代の若さ・先端・流行から外れる)』は日本的な時間感覚とはいえる。

『明治・大正・昭和・平成の元年』を『1868年・1912年・1926年・1989年』と置き換えるのは、ある程度日本史に興味がある人なら簡単だが、元号の難しさや複雑さは『すべての元号の名前とその前後関係を記憶している日本人』はほとんどいない事ともつながっている。

近代の元号は『天皇の崩御(皇位継承)』で変わるが、飛鳥・奈良時代の使い始めの元号の多くは天皇の崩御・即位と無関係で『瑞祥の吉兆・献上品・災害や飢饉(凶兆)』に依拠するものであり、大宝律令で知られる『大宝』なども対馬国の金の献上に拠る。平安時代も火災や地震での改元が多い。

スポンサーリンク




楽天AD