刺青をいれた看護学校生の休学処分は妥当なのか, 刺青に対する社会通念と職業選択・職場適応(顧客や患者の意識)の壁

感染リスクの公衆衛生と合わせ、日本では『刺青のアウトロー文化圏』の認識が強く、看護学校・看護師への適格性を疑われやすい。偏見は問題だが個別の人間性・履歴をその都度精査するのは不可能だ。

「入れ墨で休学処分は不当」 賠償求め看護学校を提訴

刺青があれば看護学校で学ぶ権利を否定されても良いのかは裁判で争点になるが、『刺青を入れることによる偏見差別・不利益』は『既存社会の職業人・サービス業・サラリーマンの現状』で刺青がありふれたものにならない限り変わらない。日本では企業の採用基準や顧客の印象から、対人サービスの仕事で刺青はまず禁忌である。

刺青を入れていてもコワモテの見せかけだけで本当の性格は温厚・善人という人も確かにいるが、顧客・患者からすれば初めから『コワモテ(過去に反社会性・前科・粗暴=機嫌を損ねたら危ないの疑念)の印象』を与える人為的な外見自体がNGなのだ。刺青だけで、日本人の第一印象は悪く過去の所属・前科等を疑われる。

刺青がある看護師がいたとして、いちいち新しい患者さんと会う度に『私はポーズやファッションで目立つ刺青を入れただけで、反社会的勢力に加入したりヤクザの恋人がいたりしたことはなく性格も真面目で温和です、真面目に○○高校・看護学校を卒業、勤務歴○年だから安心してください』という信用確保の事情説明をしていたら膨大な時間を取られ仕事にならない。

逆にある程度親しくなりそういった詳しい事情説明をできるだけの関係を築いていかないと、背中・両腕の刺青を見た顧客・患者は『過去にヤクザやアウトロー文化と深い接点があったのでは?本当に更生して真面目な職務意識を持っているのか?何かトラブルがあれば昔の乱暴さや仲間が出てこないか?』など疑念をゼロにできない。

アーティストや経営者、資産家など『他者(企業)に改めて雇われる必要のない人』や『歌手・スポーツ選手として著名で反社会的勢力・前科との関連が疑われにくい人』なら刺青を入れても仕事はでき実際の不利益は小さい。ただ刺青は『簡単に消せないこと』が最大のリスクで、やりたくても刺青シールで済ませるが後悔もなくて吉だろうと思う。

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