那須温泉ファミリースキー場で、春山登山講習中の高校生ら10人が雪崩に遭う:雪山・ゲレンデの危険性と雪崩注意報の重視

那須温泉ファミリースキー場という人工的に整備されたゲレンデでも雪崩は起こるが被害規模が大きい。現地の表面の雪の観察だけでは安全確保は困難で、気象庁の雪崩注意報に慎重な判断で従うべきだった。

<雪崩>高校生ら遭難6人心肺停止4人不明 栃木のスキー場

厳冬期の登山が一番危険とはされるが、残雪・シャーベットの部分と新たに降り積もった部分が交じる3~5月の北日本の雪山は『表層雪崩・アイゼンが抜ける滑落』が怖く、確実な安全登山はやりにくいように思う。5月のGWですら日本アルプスや北海道の残雪の山では毎年のように雪崩・滑落の絡む遭難事故は起こるが。

恐らく登山部かワンダーフォーゲル部とかで冬山登山に熱心な高校生も多かったと思うが、春山安全登山講習中にもっともリスクを考慮すべき雪崩遭難に巻き込まれたのは不運だ。降雪状況から雪崩注意報が出されていたならば、指導者のガイドか学校教員が安全登山の練習なのだから念を入れて中止してほしかった。

人間の『楽観バイアス』の落とし穴は、登山やスキー・スノボ・釣りに限らず、自然を相手にしたスポーツや遊びで強くなりやすい。過去にも『天気予報・注意報警報』を『大げさな最悪パターンの予測』として軽視した結果、遭難や死亡に至ったケースも多い。現地では『大丈夫そうな天気・状態』に見えてやりたくはなるが。

富士山登山も夏山シーズンが終わっての登山は『原則禁止』で立て看板やチェーンで封鎖されるが、それでも『法律で禁止ではない・自分は大丈夫・過去にも登った』の楽観バイアスで敢えて冬に富士山に挑む人も後を絶たない。セミプロの熟練登山家が天気を判断し自己責任で登るならいいが、冬の高山の気象変化と滑落は致命的になってしまう。

6人が心肺停止、4人が行方不明(その後に8名の死亡が確認されたとのニュースもあったが)というのは、雪山登山でもスキー場の雪崩でも被害者の数が多く状況が深刻である。一人でも多くの人が蘇生措置で助かり、行方不明者が早期に発見・救助される事を願うしかないが、本番の登山ではなく安全講習の中で致命的遭難に見舞われたのは本人・家族にとってよりつらく納得しづらいものと思う。

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