和歌山県の禁煙教育(タバコの有害性の教育)で喫煙経験率が10分の1に激減:今の人はなぜタバコを吸わなくなったのか?

たばこの健康被害・危険性を教えた効果もあるが、先進国全体で禁煙運動(喫煙のイメージ低下)の機運が高まり中学生の親世代の喫煙率も大きく下がった。公共空間で吸える場所も激減した。

喫煙経験率が10分の1に激減 たばこの危険性教えた効果テキメン 和歌山

タバコは『精神作用(依存性)のある伝統的な嗜好品』であると同時に『(ダンディズム・大人への背伸び・不良文化で)喫煙やその仕草をプラスに評価させるイメージ商品』だったが、ここ20年ほどでタバコのイメージそのものが急落した。中高生が格好付け(規範逸脱の悪の演出)で吸いたいと思わなくなった影響が大きい。

昔ならジッポライターやキセル、タバコケースなど喫煙道具へのこだわりや銘柄選定も趣味的な面白さがあったりしたが、近年はそういったブームや感受性自体がほとんど無くなっており、若者の共通認識が『喫煙は健康・法律の問題だけでなく余り格好いいものではない(吸っても友達に承認されない)』に傾き売れなくなった。

昔の喫煙率の高さは、ネット(スマホ)がなかった娯楽の少なさと対面の会話場面の多さも影響しているかも。『みんなで一服しておしゃべり』が気晴らしの娯楽・休憩の便宜として有効だった面がある。手ぶらで雑談はさぼりだが、喫煙ついでの雑談は上司・皆も吸うから黙認という、今の非喫煙者からずるいとされる事態もあった。

休憩・集まりやおしゃべりの体裁づけや便宜効果の意味では、喫煙は昭和の肉体・頭脳の両面でハードワークが多かった労働者(サラリーマン)文化の一部を形成していた面があるが、喫煙文化そのものが現代の健康・公共・公平(ルール遵守)・健全の正論の前では衰退せざるを得ない。非喫煙が多数派となった流れは今後も強まる一方だろう。

タバコ有害説は長寿の現代でこそ自明視されているが、タバコの害は長期的なものなため、実際は『疫学の統計的な傾向性』以上のことはよくわからない部分がある。

喫煙したから死んだとかガンになったとかの因果関係がわかるものではなく、『発がん抑制遺伝子』の要因も大きいはずで、吸わなかったら50代以上でがんで死ななかったかは蓋然性のレベルの話でもある。また20代で吸ったからといって、30~50代でがんを発症する喫煙者が多いという話でもなく、平均寿命の短い時代や社会では喫煙による疾病リスクは誤差の範囲だった可能性も高い。

多くの人が60~70代以上まで生きる長寿の現代社会を前提にした、人生全体という長期的スパンでの確率論になるので、タバコを吸えば早死にするという因果関係の推測もあるが、『長生きの中での早死に(20歳から喫煙者だからかなりの割合の人が40歳や50歳までも生きられないとかいうわかりやすい早死にリスクの話ではない)』ではあるのだ。

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