AV強要問題がなぜ最近になって注目を集め始めたのか?:表と裏の社会のグレーな棲み分け(境界線)がなくなりつつある変化

事後的な後悔・不満も含むと、性ビジネスにおける完全な合意は厳密には難しく、今まで『風俗・AV=法律を敢えて緩く適用する裏稼業』としてきた反動もある。

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風俗・個人の売春はまだ不特定多数に顔を知られる映像記録が残らないので、AVほど事後に『実は強制された』の揉め事や訴訟は起こりにくいが、AV含む性ビジネスは歴史的に見れば従軍慰安婦問題ではないが『甘言・だまし・ノリ・半強制の世界』でやってきた裏稼業の負い目もあり、公開の場で法律・常識にのっとった正論で検証されると弱い。

現代では表と裏の境界線や必要悪の暗黙の了解がなくなってきた時代の変化がある。今まで必要悪として放置してきたAV業界に積極的に『表社会の法律・権利・正論』で厳しいチェックや訴訟をしてくる人も現れた。これはかつて性・暴力の裏社会を警察に代わり管轄したやくざの存在自体が許されなくなった時代の急な変化とも重なる。

啓蒙的な現代社会および何でも討論対象にしてしまうネット社会は、『今まで敢えて触れないできた裏社会・必要悪(倫理的・人権的な悪の要素もあるが大衆のガス抜きに貢献してきた性・賭博などのグレーな領域)』というものを許さない潔癖な傾向がある。例外・口だけはあるが『正論・法律が強い社会』に向かっている。

人間の下劣な欲望や悪徳な内面さえ取り締まる勢いの『正論・法律が強い社会』に向かう事が、個の幸せや集団の発展に貢献するかは不透明かもしれない。全般に未来の人間は今より物心共に潔癖で人権意識も高くなりそうだが、『自己と他者の境界線・各種行為の合意』がより明確となった結果、生命力や生産性は落ちるかもしれない。

労働契約全般も含め、『人が人に何かをさせることのハードル(事後にトラブルにならない十分な説明責任)』が、かつてないほど高くなった。風俗・AV・慰安婦などの世界で今まで多かった『その場で何とか言いくるめてOKさせる甘言・そそのかし・ノリの合意』は事後に『本当は嫌で強制された』と訴えられるリスクを孕むようになってしまったともいえるのだろう。

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