huluでアニメ『美味しんぼ』を見返してみての雑感:現代社会も30年で大きく変わってきた。

バブル期前後に放送の雁屋哲『美味しんぼ』、huluでたまに見るが約30年でいかに『日本社会の常識・感覚の前提』が変わったか実感させられる。8話『接待の妙』はどケチな大企業社長に寄付を頼むため高級料亭で接待するも激怒され、ホームレスの案内でデパートの試食品を食べまくって満足させるが今なら炎上回だろう…

新聞社や百貨店、ダイエー的なスーパーが好景気に沸き成長を続けている背景も、1990年前後の日本経済を表している。東西新聞社にせよ飲食店にせよ、情緒的結合による家族主義経営の終身雇用形態で、派遣社員もいない。主人公・山岡にしても仕事自体はやる気が乏しく、競馬新聞片手にさぼりまくって上司に悪態をつく…

9話『寿司の心』では銀座の高級寿司店と山岡が対立するが、ここでのやり取りは『お客様は神様意識のクレーマーを厳しく叩く現代の風潮』と逆になっている。傲慢な態度で接客する寿司職人に『日本はほんと不思議な国だよ。客なのにペコペコするのがいるからバカな料理人がつけあがるんだ』と山岡が挑発する。

今はミシュランで星を取るような高級店ほど、接客接遇も良い傾向があったり、信念のある職人でも客を喜ばす演出に力を入れているわけで、ここ数十年で絶滅まではしていないが『店主・職人が客を上から目線で選んで無知・無作法を非難するような店』というのは殆どなくなった。美味しんぼ、時代感を感じる漫画だ。

スポンサーリンク




楽天AD