マイナンバーカードはなぜ普及しないのか?:マイナンバーカードの必須性が免許証・保険証に及ばない

マイナンバーカードは本来『行政コストの削減・縦割り行政の重複業務廃止』とセットでないと無意味だ。免許証や保険証をマイナンバーカードに統合しないと普及しない。

マイナンバーカードの活用、マイナンバー活用とは「別物」…チケット転売防止などにも

マイナンバーをカード券面に記載しない方がセキュリティ上の安心感はあるかもしれないが、マイナンバーカード自体で預貯金を引き出したりすることは不可能で、顔写真つきなので不正な消費者金融での借入にも使いにくい。電子マネーになるわけでもない。クレジットカードの方が落とした場合の損害リスクや不安は大きい。

マイナポータルで『納税・年金納付・医療受診の履歴』など個人情報を閲覧することができるようにはなるが、一般庶民のそんな情報を閲覧してもメリットがなく(大勢のビッグデータや名簿作成ならともかく)、カードがあってもログインするのに暗証番号が必要になる。現状でマイナンバーカードは個人認証しか使途がない。

マイナンバーカードの普及や行政コストの削減に役立てるためには、様々な公的身分証・公的保険証などのカードの規格・個人識別番号を段階的に『マイナンバーカード』に統一し、特に運転免許証の更新時にマイナンバーカード形式のカード(番号記載の有無や各種の証明・照会の機能は選択式にして)に切り替えることだろう。

警察の免許証更新利権を大きく削るだけの政治力があるなら、運転免許証の識別番号をマイナンバーに変更するのが一番簡単なやり方である。警察の前科データとマイナンバーを警察側のサーバーで管理もできる。マイナポータルで自分の免許証の点数や無違反期間を確認できたりすれば便利になるが、警察がまず納得しない。

あらゆる個人情報を単一番号で検索可能にするのは、非常に効率的で便利なのだが、『強度の監視社会・行政権限の強化』になる恐れももちろんあるわけで一長一短ではある。賞罰(前科)などもマイナンバーで確認できれば犯罪捜査に役立つ場面は多いだろうが、サーバーのデータ改ざんで重犯罪の前科を作られれば人生がアウトにはなる。

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