小池百合子率いる「希望の党」に前原誠司代表の民進党が合流:政権選択選挙の中身は薄まり、自民と希望の違いは小さい

10月衆院選は民進党の解体で日本の大政党は「保守勢力」のみとなる。安倍・自民党にせよ小池・希望の党にせよ「安保法制・憲法改正・国民の権利制約の政策一致」で、どちらが第一党でも政策は近い。

民進党の今後は? 前原代表、参院も「一つになること目指す」(http://mixi.at/aeYHXP0)

前原誠司の衆院・参院での希望の党との合流は、前原自身が自民党にいてもおかしくない思想・政策の政治家だっただけに、「民進党・リベラルの消滅」から「改憲・保守政党への鞍替え」は本人に違和感は乏しいだろう。安倍首相の危機突破解散と銘打つが米国の北朝鮮に対する武力行使の可能性を前提に日本の体制強化もあるか。

11月に米国のトランプ大統領は中国の習近平国家主席とトップ会談を予定、国連安保理制裁決議の北朝鮮に対する実効性が不十分な場合、「米国主導の武力制裁承認」を習近平に求める可能性が取り沙汰される。韓国・日本にコラテラルダメージの死者が出る可能性はあるが衆院選後の国会は米国の攻撃に全面的に追随するだろう。

小池百合子の希望の党が100議席以上の大勢力を確立したとしても、「マクロな日本政治の国民動員型・国民統制型のバックラッシュ(戦後体制・平和主義・人権尊重の否定)のうねり」は止まらない。しかしこのうねりは昭和初期の総動員体制や近代国民国家の洗脳体制ではなく、中心に国民の無関心もあるのが異質な所だ。

2025年に超高齢化社会の社会保障負担が一つの山場を迎える、2017年の衆院選後のリベラル消滅・保守派の国会掌握に北朝鮮による攻撃被害が加わると、「安倍氏と小池氏の大同団結・憲法改正や核武装(国難突破型の翼賛体制)」が歴史の針を巻き戻すかのように急速に進む可能性もでた。戦後日本の転機、静かに進むか。

今、20~30代以下の層は経済的にも軍事的にも災難に見舞われやすいが、中学生以下の子供世代は、仮に北朝鮮有事からラディカルな政治的・感情的・教育的なバックラッシュがあった場合、「国民国家の一員として自己犠牲受容・ナショナリズムと忠誠」のような形で価値観が変質するかもしれない。メディアの論調も変わる。

保守で政治好きな人は「国民に同じ方向を向かせたい・全体のために個人の自由や人権は規制すべき」の傾向を持つが、「集団規律訓練型・同調圧力型の体制や共同体」が現代人にとって理想とも思いにくい。北朝鮮有事も米国のトランプや軍産複合体、北の金正恩体制、中露の思惑で動く、庶民がそこで死ねば犬死にに他ならない。

まぁ、動物としてのヒトは戦争や利害の対立構造から離れられない定めも持つ。それが国家・企業・組織の集団的意思決定となった時、「ある種の立場や状況にある個人」は呑み込まれて最悪は死ぬ。僕は政治・国家との対立構造の一体感からは遠いが、世も人も無常なれば何か大きなものと一体化する感覚に酔う人も否定はできない。

平和や人権など戦後レジームを覆そうとする日本の保守とは「戦争・強制が可能な政治体制や国民教育を再構築できると信じられている思想・人物」である。もう一度「人は戦争や利害、思想から殺し合う定めから逃れられない現実・人は自由で平等な存在にはなりえない階層と格差の現実」を確認する近代啓蒙主義の敗北でもある。

テクノロジーの進歩と近代啓蒙思想の後退が、21世紀前半の日本を覆う気配だが、実際には「超高齢化社会の進展・投票率の低下と政治への無関心」によってリベラル政党消滅が起こる以前に国民に無意識に察知されていた変化でもあるだろう。日本や世界は21世紀後半に、過去の歴史を繰り返すか、少しでも前に進めるか。

自公連立・安倍政権が長期化してから、実質的に「政権交代なき日本政治・持続性のない社会保障と漸進的な超高齢化」は既定路線となっている。政権選択選挙という実態と乖離したコンセプトは踊るが投票率は相当下がる。
<臨時国会>衆院を解散 「政権選択選挙」へ(http://mixi.at/aeYefat)

政権選択選挙の結果は開票しなくても、安倍政権の継続と北朝鮮問題・米国の軍産複合体と絡む防衛予算の中期的増額として決着する可能性が8割以上と見ていい。民進党の前原誠司と希望の党の池田百合子が、自公の対立勢力としてどれくらいの規模を集めるかの視点はあるが、自公の衆院での圧倒的優位が覆る結果はないだろう。

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