TikTokが若者層に流行している理由、知床半島の海岸歩きの危険性、感情労働の負担感と売上効果など

○動画投稿アプリのTikTokが流行る理由として「大人が理解できなくて参加してこないから楽しいという内輪感」と「動画は写真よりも加工して実物よりよく見せたい欲求が抑えられる・そのまま投稿できて簡単」が上げられていた。しかし、TikTokはInstaと比べてロム専が多く動画投稿者数が多いわけではない。

動画と写真のどちらが手軽かといえば写真のほうが手軽。動画は連続的な動きがあるので、写真のように「バッチリ映った一枚に加工して仕上げる動機付け」は薄れるし、動画の加工は手間がかかる。だが動画はより被写体の素材の差が出るので、一般に若い人でも自分自身の動画投稿の心理的ハードルはInstaより高いと聞く。

TikTokのフォロワーが多い人は、芸能人を除けばいかにも自分のビジュアルが好きそうな若者か、格好つけたり可愛く見せたりするわけではないお笑い系の若者かに大別され、一般の人が全体公開でどんどん動画をアップしている状態でもない(友人だけに公開の動画は多いが)。動画の性質上、景色・モノはアップできない。

○http://blogos.com/article/319027/?p=2 鳥貴族の客数減少・株価下落の要因の分析。「タッチパネル導入で店員とのコミュニケーション減少+味付けの塩辛さ+マーケティングの混乱」か。外食店は味付けが濃い所が多いが、現代は健康志向・高齢者増加なので薄味を意識した方がいい。

若い人をターゲットにしているから、塩辛いくらいの味付けが良いという経営戦略もあるだろうが、単品で食べて水なしでは食べ続けられないくらいの辛さは、味付けが濃すぎる可能性が高い。最近はほどほどの味の濃さも増えてきてはいるが、味付けが濃いほうがインパクトがあって美味しいという単純思考の転換は求められる。

タッチパネルや券売機の導入については、主要な客層が店員の接客・軽度のコミュニケーションをどれくらい求めているかに左右されるが、人件費は減っても売上が落ちるケースは結構多い。コンビニやドラッグストアでも丁寧でフレンドリーな店員がいるかどうかで、高齢者層のリピート率は極端に変わってくるので軽視できない。

個人的にも、券売機で食券を買って機械的に食べるだけのような外食店にはたまには行っても、リピートして通おうとは思わないが、松屋のようにさっと飯だけ食べて帰りたいお店であればその効率性がプラスに働く。店員の接客スキルや愛想の良さによる売上押し上げ効果は目に見えにくいが、店舗・客層によって影響はある。

例えば、スタバやタリーズのカフェチェーンで券売機導入をして、ライトなコミュニケーション機会をほぼゼロにしたら、常連客の何割かはカフェ通いをしなくなる可能性がある。一方、定食屋的・大衆食堂的なお店で「迅速なカロリーチャージメインのお店」であれば店員や接客スキルはあまり売上と関係しないだろう。

○知床半島の海岸(岩浜)歩きは、クライミング並のリスクがあると言われ、ロープワーク・懸垂下降ができないと越えられない難所もあるという。干潮時しか渡れない箇所も多く不規則な波に攫われればアウト。

横浜の大学生、知床で行方不明=足滑らせ海中に-北海道 http://mixi.at/addoE5C

日本百名山の登山などと比較すると、実際に知床半島の岩浜歩きを経験した人の絶対数が少ないため、一般的にその危険度は広く知られていない。中途半端な気持ちや装備で来た旅行客であれば、ある程度海岸線を自力で進んだとしても、岩場の滑りやすさや恐怖感の出るクライミング箇所などによって、途中で引き返すのだろうが……

検索して知床半島の岩浜トレッキングの情報を調べてみても、クライミングの技術や経験がない人はもちろん、平均的な精神力の人では敢えて知床半島先端に向かう海岸線を自力突破しようとは思えないだろう。波や滑りやすい岩場、懸垂下降など、無理してある程度進んだら撤退するのも難しくなりそう(汗

○感情労働は「不特定多数相手のマニュアル接客・接遇」も大変だが、医師・看護師・カウンセラー・教師・営業などのように「特定の相手とある程度内容のある会話・接遇」をする仕事は、返事を自分で考えなければならずよりストレスが強くなりやすい。

「感情」を使う仕事につく人の「心」の守り方 http://mixi.at/addt8Ft

不特定多数相手の接客・販売などは、自分を名前のない匿名的な存在として顧客と向き合わせることが可能だが、医師やカウンセラー、教師、介護士などは「氏名を出した実名の私」として患者・クライアント・生徒と向き合うのでその分、店員さんなどと比較してもプレッシャーや責任の度合いが大きくなる。

「○○先生、○○さん」と氏名でお客さん(クライアント)から呼ばれて、自分の能力や感情、対応を期待される仕事というのは、一般にやり甲斐もあって収入も多めになりやすいのだが、同じ感情労働でも「実名の専門家の私」が責任をもって向かい合わなければならない自意識が格段に強くなって批判・苦情も重たく感じる。

同じ飲食業でも、チェーン店で匿名的・マニュアル的な接客をするよりも、夜の飲み屋などで「自分自身を目的に来店するお客さん」を丁寧に接客する仕事は、感情労働としての強度やお客さんのあしらいにかかる心理的コストが何倍も大きい。感情労働としての負荷とやり甲斐は「自分個人を認識していて期待されるか」と関係する。

名札程度で匿名的に働ける環境であれば、感情労働としてのストレスや負担は解消しやすいのだが、専門家でも営業でも美容師でも接客でも「○○先生にお願いしたい・○○さんから買いたい・○○さんに接待してほしい」と指名ありきでお客さんが来る仕事というのは精神的になかなかきついのである。

高級ホテルや高級レストランなどでは、常連のお客さんの顔と名前を覚えることが仕事の一つと言われたりもするが、仕事をしていてお客さんやクライアントから「自分の顔と名前を覚えられる仕事・自分を個人として高く評価されて自分宛てに依頼される仕事(他と代われない仕事)」というのは感情労働としての負担感が強い。

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