「趣味」カテゴリーアーカイブ

田部井淳子「再発!それでもわたしは山に登る」を読んでの感想、「人間性の弱さ・醜さ」の受け止め方

○田部井淳子さんといえば女性初のエベレスト登頂、七大陸世界最高峰登頂の記録で知られる人だが、七大陸最高峰の記録は53歳時のもので、非常に根気強く死ぬ直前まで山に登り続けた登山家である。「再発!それでもわたしは山に登る」を読んでいるが登山家は晩年のエピソードも超人的で面白い人が多い。田部井さんも例外ではない。

腹膜がん発見後も登山と仕事のペースを変えず、東ティモール、ニカラグア、アンドラ公園の山に登り、自分が来ることを待つ人がいる登山イベント全てに顔を出すだけでなく一緒に登頂している。がん末期の呼吸困難に際し、エベレスト登頂時の酸素濃度の低さ・つらさに相当する感じで本当にきつそうだという、旦那さん経由の推測的な感想も田部井さんらしい。

抗がん剤の副作用で手足のしびれが出た事で、5000m峰以上の高山登山の仕事の約束を果たせずに残念、申し訳ないという感想を漏らすが、普通74歳で富士山だって登れない人が大半だ。足腰に絶対の自信があった田部井も弱り、電車に乗るのがつらい、階段を上るのが大変と思い始めるが死ぬ直前まで国内の登山は続けた。

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あおり運転の脅迫事件、職場でジーンズ着用はOKか?、競馬の「外れ馬券」が経費と認められる

○深夜2時半の一般道なら殆ど他の車もいないので被害者が後続車なら逃げられそうだが、初めは張り合ってしまったのかもしれない。深夜で異常な走行をする車は、飲酒・薬で正常でない者も多い — あおり運転、進路をふさいで停車させ「殺すぞ」 自動車修理業の男を逮捕 (http://mixi.at/agq7knV、10月20日)

煽り運転・マナー違反の運転に対して、初めは頭に来てクラクションを鳴らしたり怒鳴ったり追跡したりする者もいるが、明らかに挑発的な行為を仕掛けてくる相手に関わっても一切の得はない。自分がやられなくても、自分が興奮して相手を殴って傷害罪、頭を打って傷害致死罪にならないとも限らず、とにかく避けるのが吉だ。

深夜・早朝に登山に行っていた時期、福岡南部の田川・筑豊地方で集団の暴走族やら赤信号の交差点に突っ込む異常なマナー違反運転の輩も見かけたが、こちらが関心を見せず距離を置いていれば、向こうからぶつけてきたり、降りてきてまで因縁をかけてくる奴はまずいない。意図的な強盗犯・殺人犯などならやるかもしれないが。

見ているだけでほんわか癒される人とか、内容・価値のある話ができそうな雰囲気の人とかなら車から降りても話したいが、車の窓越しに見ただけで好戦的で凶暴そうな相手、話しても殺伐とした気分にしかならなさそうな相手とは関わっていたいと思えず(どう転んでも益がない)、怒って降りてきても丁重に合わせておだてて、それ以上の関わりをお断りして逃げる。

○職種業種・上司(社長)や取引先の意向・仕事内容、外部のスーツ族によって異なる。今のスーツはストレッチが効いた素材が増えて着やすい。ジーンズもユニクロ系は特に柔らかいストレッチ素材が増えてます。

ジーンズ好きは質感を嫌うにせよ — 仕事で「ジーンズ」着用はアリ? 社会人の見解は…… http://mixi.at/agrNI0k(10月20日)

ガチガチに体を固めて動きにくくするような素材や型紙の服は、スーツに限らずあまり着たいとは思えなくなったのはある。スリムなラインのズボンなども、伸縮性があれば着心地が悪いとまではいかないが。ネクタイ着用のかっちりした可動範囲の狭いスーツはたまにおしゃれで着るならいいけど、毎日の仕事着としては疲れますね。

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2017年ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏、 村上春樹の作風・評価とノーベル文学賞の可能性

○ノーベル文学賞は「一般人好みのエンタメ性のある作家作品」は選ばれにくいが、村上春樹は「現実(労働・家族)のみに立脚できなくなった現代人の自己愛・自己拡散・幻想と歴史」を描く作家だ。

【ノーベル文学賞】村上春樹さん、狂騒10年以上…果たして今年は? (http://mixi.at/af0Jddq)

村上春樹の物語には平均的なサラリーマンや家庭人は登場しない。「ノルウェイの森」「騎士団長殺し」「1Q84」の系譜は「学生・金持ちの自殺・セックス・精神病・画家・趣味人・成功した隠棲者・新興宗教・娼婦・殺し屋」などのキーワードを持つが、現代人の普遍的な欲望と挫折(自己拡散)を対にした幻想物語と見れる。

村上春樹は国家・文化・世代を超えた幻想物語の名手だが、その幻想の中心に「現代社会が抱える問題・病理・自己愛(労働・生活・家族に専念できない観念の現代人)」とつながっている。世界文学として普遍性があるかは見方によるが、享楽・退廃の恐ろしい場から生活・日常に戻ろうとする足掻きが一定の人に響くのだろう。

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日本の正社員と非正社員(非正規)の違いとは何か?、 食費を節約できるポイントはどこか?

○日本の正社員と非正社員の違いはメンバーシップ制(内部要員)か否かで採用後の能力の低さだけで非正規化は基本できない。正社員=無期雇用は経営が健全なら今も維持されている。

正社員として入社したのに、まさかの「バイト」降格…そんな人事はアリ?

犯罪などよほどの事情がなければ解雇・非正規化できないという「正規雇用の解雇規制」は、戦後日本の経済社会を「年功序列の終身雇用化・学校化・非競争化」する役割を果たして来た。1980年代まで、会社はいったん正社員で入社したら定年退職まで通えて、先輩後輩の年次序列のある学校のようなものだったからである。

今も受験競争や就活競争はあるが、昭和期の過熱した受験競争の背景にあったのは「経済社会の学校化」だ。いい学校に入っていい会社に入れば、そこを辞めない限り人生安泰の価値観は今もなくなったわけではないが、この価値は典型的な「メンバーシップ制(学校・会社の正規メンバーになるまでが重要)」に依拠していた。

20年ほど前まで、重厚長大産業や国・自治体・公共部門に巻き込まれれば、入ってみてダメでも居座れば食いっぱぐれはない大艦巨砲主義でいけた。現在は「エリート候補のハードワーク・要求されるハードルの高さ」「会社側の追い出しスキルの向上」によって、仕事・適応ができない人はメンタルをやられ自己退職しやすい。

また正社員の終身雇用は「会社に通勤し続ける限りは、経済生活・所得水準が概ね維持される形態」だが、転職スキル・時間・自由も求める現代人にとって必ずしも理想的な雇用形態といえない拘束の長さやストレスの強さなどのデメリットも目立ち、メンバーシップと汎用化スキルを巡る働き方や価値観は多様化している。

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滑落して一週間の遭難から、74歳の登山者が生還:登山計画と各種の遭難・遭難死のリスク

74歳で北アルプスを単独登山できるのは並の体力・健康度の高齢者ではないですね。計画の甘さは、年齢・体力に照らして活動時間・歩行距離が長かったのだろうか。一週間の露営で生存は身体が相当強い。

生還74歳「感謝でいっぱい」=「計画甘い」反省も―富山

登山中の長期遭難による生還・死亡の経験談は多く残されていて、ヤマケイ文庫などで書籍も出版されているが、生還できるか否かの分岐点の第一は『怪我の程度』と『季節・気温・天気』である。第二は『パニック状態になって無駄な動きをしないか(ルート探索で更に怪我をしないか)』、第三に『非常食・装備』が来るだろう。

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1人4万円の高額なコース料理にはどんな価値があるのか?:形の残らないものにお金を使いたくなる心理・相手

高額なコース料理の価値は高級料理や贅沢空間が好きな人でなければ低いが、『一緒に行く人・喜ばせたい人』で価値が変わる。

コース料理に1人4万円!形の残らないものにお金を使うのは無駄? 匿名ブログで議論「自分の偏狭な価値観に閉じこもるのはよくない」

1食1万円以上する高級料理、1泊2万円以上する高級な旅館やホテルなどは、元々『セレブな食事の時間・贅沢で快適な空間』を疑似体験したいような人でないと、それだけの価格の価値があるかは微妙だし、一人でもそういった高い料理やホテルを敢えて選ぶ人は少数派ではないかと思う。

男性と女性で高級コース料理の捉え方は違うが、女性でもそこまで外食の高級料理に興味がない、他に使いたいという人も多くいるわけで、経済的余裕とお互いの価値感次第だろう。男だと『これから親しくなりたい惚れた女性』には、見栄を張ったり女性の価値を高める喜びを得る為に敢えて高級店に行きたがるケースはある。

結婚していて十分長い付き合いがあるのに、奥さんの誕生日とかに『高級なコース料理がでる人気店』を自ら予約してまで一緒に食べたいという夫は、経済的余裕と伊達・風流な気質があり、奥さんを異性として見る感情がかなり残っている可能性が高いとは言えるかも。金持ちでも新鮮味を感じる浮気相手だけ高級店に連れていく家族軽視・妻軽視の良からぬ輩は多いわけで。

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