“長所・得意”と“短所・苦手”:Self-Esteemの自己啓発1

日本の学校教育では五教科の“ベースアップ”と“成績のアベレージ”に重点が置かれてきた影響のためか、『長所を伸ばす・特技を極める』という最も結果を出しやすい戦術を放棄する人も多く、『短所を補う・苦手を克服する』という平均的に色々なことができるタイプを目指しやすい。

個人・組織が目標を達成するための単純な経営戦略モデルの『SWOT分析』では、以下の4つの観点を考えて意志決定するのが望ましいとされるが、個人の一般的な勉強・仕事・人間関係のレベルであれば、『S・O』だけを意識して具体的な行動・学習・関係に落とし込むだけでも十分な効果があるように感じる。

Strength(強み)……自分や組織が持っている長所・得意(好き)なこと

Weakness(弱み)……自分が組織が持っている短所・苦手(嫌い)なこと

Opportunity(機会)……外部環境にあるチャンス

Threat(脅威)……外部環境にある障害・敵対者

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ミャンマーの軍政から民政移管の歴史と日本によるミャンマー支援・市場拡大の期待

日本とミャンマー(旧ビルマ)の関係は、『建国の父』とされるアウンサンとその部下を日本の南機関で軍事訓練してビルマ独立義勇軍を創設し、ビルマ独立戦争の尖兵としたことで知られる。日本軍の支援を受けてイギリス軍を追放した後、ビルマ国民軍を指揮するアウンサンは、日本によるビルマの傀儡政権化(完全独立を許さないように見える姿勢)を危惧するようになっていく。

牟田口廉也の『インパール作戦の失敗』と相次ぐ日本の敗報(東南アジアの兵力激減の状況)を聞いて、日本を切り捨てて連合国軍につくことを決めたアウンサンは、『反ファシスト人民自由連盟(AFPFL)』を結成して英軍と共に日本軍を首都ラングーンから追い落とした。しかし、英国が承認を渋ったビルマの完全独立は、アウンサン暗殺の翌年1948年1月にまでずれ込むことになった。

娘のアウンサンスーチーは、軍政下の長期軟禁・監視にも折れることなく自らの意思を貫いた民主化指導者として有名であるが、父のアウンサンは独立運動のリーダーではあったが、当時の混乱する弱肉強食の政治情勢もあって、娘のような自由民主主義者ではなく軍政の中心人物であった。1962年に軍事クーデターを起こしたネ・ウィン将軍が長期にわたってソ連側の社会主義圏に組み込まれる軍事独裁政権を運営したが、冷戦終了後には軍事政権と民主化運動の対立、アウンサンスーチー氏の軟禁事件などが起こる。

しかし、軍部でガチガチの保守派の頭目だったソー・ウィン首相が2007年に死去、改革派の現大統領セイン・テインが首相となって権力を握ったことにより、段階的に軍政が空約束していた憲法制定と議会開催に向けた動きが起こり始める。2008年に新憲法の国民投票を実施、2010年には新憲法下での初選挙とアウンサンスーチーの軟禁解除を実行、2011年には民政移管を公表したことで国際社会(自由主義圏)の警戒感が弱まり市場への投資も急増した。

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矢口真里の浮気報道と格差婚の心理2:男性と女性の家庭の性別役割拡散と男女同権化

前回の記事の続きになるが、近代化の影響が弱いかつてのムラ社会で経済力のない女性が不倫などをすれば、夫と一族から『すぐに家を出て行け』と叩き出されて離婚され、噂話が駆け巡る狭い村では居場所がなくなり、法的な保証も安定的な雇用・給料もないまま厳しい世間に放り出されることは確実であった。

性的な道徳観(貞操教育の効果)や夫が好きで裏切りたくないという気持ちもあったかもしれないが、それと合わせて平穏無事に生活を続けていくためには大半の女性にとって、不倫の裏切りは(一時の快楽・楽しさと引換えにするには)余りにハイリスクであり、もし発覚してしまうと恐ろしい目に遭うことだったのである。

翻って現代の先進国では、若年層において就職率・平均所得における男女逆転が起こってきており、矢口真里の結婚は特に夫婦の年収に大きな格差(矢口が数倍の年収を稼ぐ格差)がある『格差婚』として取り上げられ、夫はバラエティ番組で『年収が妻に及ばず高額な出費はいつも出してもらう自虐キャラ(半ひもだと自己言及するキャラ)』をおどけながら演じていた。

こうなると、『男性の貞操義務』よりも『女性の貞操義務』を厳しく取り扱うことができるための現実的な基盤・根拠である『男性の経済的優位性・扶養義務の履行性=それに対する女性の受け身性』が無くなってしまう。

昔でも『誰のおかげで飯が食えているんだ』は夫婦関係を破綻させる決めてとなる禁句フレーズであったが、現在では禁句であるか以前の問題として、『別にあなたに一方的に食べさせてもらっていないしそこまで言われる理由はない(私もフルタイムで働いてて折半に近いくらいの負担をしているんだし)』という夫婦関係のほうが増えている。

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矢口真里の浮気報道と格差婚の心理1:男性と女性の貞操義務と不倫批判の強度

2月下旬に、タレントの矢口真里が夫・中村昌也が出張で不在だった自宅に、モデル男性を連れ込み、翌朝、予定よりも早く帰ってきた夫にその浮気現場を見られてしまったというスキャンダル。この芸能ニュースは、『婚姻における男女の権利感覚・ジェンダー論(男女逆転の格差婚)』の視点で考えさせられる部分があったので、思索メモ的に書き進めてみたい。

矢口真里 仕事減少必至も業界関係者からの評価はかなり高い

現代でも婚姻している夫婦関係において、『不倫をした側』が悪いというのは『法的・道徳的な常識論』ではあるのだが、男性の不倫の場合だと、妻がまったく料理を作ってくれない(掃除洗濯をしてくれない)とか話を聞いて優しくしてくれない(性的な相手をしてくれない)とかが、『不倫のエクスキューズ』として語られることもある(その言い分を受け入れるような古い価値観の男の層もある)が、女性の不倫のケースでは基本的にそういったエクスキューズというのは殆ど通用しない。

女性の権利感覚が自由主義国とは異なるイスラーム圏では、未だにシャリーア(イスラム法)に基づいて、『女性の不倫・浮気・婚前交渉(自由恋愛)』が犯罪行為として処罰されたり、酷いところになると家族・地域住民から石打ちの刑で処刑されてしまうこともある。だが、歴史的に見ても男性原理(家父長制の家族形態)で運営されてきた国・社会では、『女性の貞操義務』は『男性の貞操義務』よりも重いものだと見なされてきた。

そこには、『女性を男性が排他的に所有・管理するという感覚(女性を社会的交換・一族血縁の拡大のための財産と見なす価値観)』があり、女性が自由意思で『婚姻規範(一夫一婦制・一夫多妻制という一人の男性に対する終身的な貞節義務)』を踏み外すことは、そのパートナーである男性の社会的面目を丸つぶしにして、一族全員の名誉を失墜させる犯罪(道徳的・社会的な罪)だと見なされていた。

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