国民投票法改正で、20歳から18歳へと投票年齢が引き下げ:選挙権年齢・成人年齢との連動と集団的自衛権の解釈改憲

国民投票法は、憲法96条にある『この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする』という改憲の手続きを具体化する要請の中で成立した。

改正国民投票法が成立 憲法解釈巡り付帯決議も

国民投票法改正の施行から4年後に『20歳以上』から『18歳以上』へと投票年齢が引き下げられるが、この年齢の引き下げは国民投票だけではなくて『公職選挙法の定める国・地方の選挙権年齢』と『民法の定める成人年齢』の引き下げにも波及するとされている。

世界的には18歳以上に選挙権を与えている国は多いので、特別な法改正とまでは言えないが、単純に投票権を与えるだけでは『若年層の投票率の低さ+政治意識の低さ(政治経済・公共的な問題についての知識情報の少なさ)』という根本的な問題は改善できないだろう。

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恋愛もまた『巧遅』であるよりかは『拙速』であるべきか(孫子の兵法):ストーカーになるリスクを回避するためのアプローチ論

警察官(警部)という職業(職位)の世間的なイメージや45歳という年齢(常識的には、知らない20代女性に対してナンパを仕掛けるには不釣り合いな年代)はともかく、電車・街中であれお店であれ、気になった女性がいればアプローチする自由はあるが、アプローチを間違ってストーカー化すれば犯罪行為である。

45歳男性警部、「一目ぼれ」でストーカー行為

この45歳警察官のストーカー行為は殺害・暴力につながるような凶悪度は低いが、一方的に恋愛感情や劣情を抱かれて個人情報を密かに調べられ、何をされるか分からないと感じた20代女性の恐怖感・不安感は想像するに余りある。

近年、ストーカー犯罪が増加傾向にあるが、その大半は『元恋人・元配偶者による未練や執着』によるものであり、『一目惚れした知らない異性に対するつきまとい』の比率は低いが、ストーカーの心理的問題は『好きであれば何をしても良い・好きだから仕方ない・相手の直接の返事を聞くのが怖い』というような恋愛感情の不適切な表現や一方的な押し付け、傷つくことの回避による隠れた行動にあると考えることができる。

警部は一目惚れした若い女性と接点を持ちたかったと動機を語っているが、2011年から3年近くもの間、隠れながらつきまとっていて『会話できるくらい・メルアドや電話番号を聞くくらいの接点』も作れない、拒絶されるのが怖くて正面から話しかけられないのであれば、『縁がなかった相手(自分に自信・行動力・決断力がないから仕方ない)』として諦めるのが筋とも言える。

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映画『ポンペイ』の感想

総合評価 82点/100点

古代ローマ帝国の最盛期、『永遠の都』と称されたローマの南東約250キロにあるポンペイは、紀元79年、ヴェスヴィオ火山の大噴火と大地震によって都市が火砕流と火砕サージ(高温の火山灰・火山性ガス)に呑み込まれて壊滅した。

ヴェスヴィオ火山の噴火の後にも、大量の火山灰・岩石・土砂が数日間にわたって降り続き、ポンペイは地中深くに埋もれてしまい、皇帝ティトゥスの使者が目にしたのは火炎が燻るだけの灰色の荒野だったという。首都ローマも3日間に及ぶポンペイからの延焼被害に襲われたとされる。火山噴火で死亡したポンペイの被害者たちの姿は『遺跡に残された人型の空洞(鋳型)』を元に石膏像で復元されており、映画のプロローグにも灰色に炭化した焼死体の像(静態的な像でグロテスクなものではない)が使われている。

ポンペイに住んでいたとされる約2万人の人々のうちの約1割がこの大噴火で死亡したとされるが、映画『ポンペイ』のヴェスヴィオ火山噴火の映像表現は、ポンペイ市民の死因が『窒息死』だけではなく火砕サージによる『焼死』が多かったという新しい研究の知見を応用して、都市炎上の激しさを表現している。

ポンペイ全体が段階的に火災サージで呑み込まれて燃え上がる中、大きな岩石が無数に雨のように降り注ぎ、火山灰も大量に降り積もってポンペイが地中に埋もれていく。

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映画『X-MEN フューチャー&パスト』の感想

総合評価 85点

特殊能力を持つミュータント(突然変異)とミュータントを恐れる人類が殺し合う未来を変えるために、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)が過去にタイムトリップして歴史を変更しようとする。

キティ・プライドの持つ能力は、相手の精神を時間を超えて過去や未来に送り込むことができるというものだが、通常の人の精神力では数時間から数日感の時間転移にしか耐えられずに発狂する。人類が『センチネル』というミュータント殺戮のロボット兵器を開発することになる『歴史の転換点』は1973年であり、数十年間の精神のタイムトリップに耐えられるのは不死の身体を持つウルヴァリンだけであった。

人類を滅亡させかねないという『ミュータント脅威論』を掲げてセンチネル開発を推進しているのは、小人症のボリバー・トレスク博士だが、トレスク博士は捕獲したミュータントからDNAを採取するための人体実験を繰り返している。そのことを知って怒りに燃えるミスティーク(ジェニファー・ローレンス)は、『トレスク暗殺』を計画するが、トレスクを殺害してしまえば、ミュータント脅威論が議会で承認されてミュータント排斥の世論も沸騰することになる。

センチネル開発には何にでも自在に姿を変えられるミスティークのDNAが必要なのだが、現時点の歴史では『トレスク暗殺→ミスティーク逮捕とDNA採取→議会でのセンチネル開発予算の承認→センチネルの完成』という流れがあり、センチネルを作製させないためにはミスティークのトレスク暗殺をやめさせなければならない。

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映画『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』の感想

総合評価 76点/100点

原作である松岡圭祐の『万能鑑定士Qの事件簿(万能鑑定士Qの推理)』は、あらゆる分野・芸術・骨董の網羅的な知識(驚異的な記憶力)を持っている美人鑑定士の凛田莉子と角川書店の若手イケメン記者の小笠原悠斗が活躍するライトノベル風のミステリー小説。松岡圭祐はカウンセリングとSFチックなクライムサスペンス(政治・経済・宗教まで何でも絡む)を融合した『臨床心理士シリーズ』からちょこちょこ読んでいたが、キャラクターの造形とストーリーの拡張の仕方が上手い作家である。

万能鑑定士Qシリーズは、映像化を見越したようなミーハーな人物設計や本のカバーイラストとは裏腹に、ミステリー部分の謎解きや様々なジャンルに及ぶ『芸術品・流行・文学や映画・印刷技術(印刷物)・ファッション・フランス料理』などに関するトリビアは意外にしっかりしていて面白い。

著者の資料収集・リサーチの手間は相当なものだと思うが、ある意味では『自分が興味関心を覚えた分野・物事の細かな情報』を起点にしてミステリー化する才能に恵まれているのだろう。小説は一冊一冊全く異なる事件・テーマ・トリビアを扱っているので飽きが来ないが、ミステリーの謎解きや蘊蓄のネタは面白いけれど小粒なものが多いので、映像化に向いているかは微妙なところもある。

映画版の『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』は、ルーヴル美術館のアジア圏代理人・朝比奈(村上弘明)から鑑定能力を認められた凛田莉子(綾瀬はるか)が、『モナリザの真贋の鑑定』をするためにトレーニングを受けていく中で、その鑑定能力が低下して失われていくという話がメインになっている。

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