現代における女性の結婚・出産・育児の欲求と母性神話の限界:消費社会・自己愛の時代に子を持つという決断

女性の母性本能は、妊娠中・産後の性ホルモン分泌など部分的に生理的裏づけを持つが、『出産・育児』を自然に自動化するほどの影響力はない。昔は『共同体・世間の同調圧力と性別役割』が母性と混同された。

「私、自信がないから……」 女性が思う「子どもいらない」理由とは? 女のホンネ

昭和期までは『男性の仕事と扶養・女性の家事育児(出産)』は、個人単位でそれをするかしないか選択するものではなく、家・社会・世間から『当然の義務・性別役割』としてお膳立てされるもの。それに逆らう選択をした人に対する差別・偏見(数の圧力)は強く、よほど能力・信念でもないと選択肢はあるようでなかった。

結婚して子供を産むのが女の幸せかどうかは、出産したその人の覚悟と自分から子供への関心のシフト、人生観に拠るが、人は『自分が下した重要な選択・決断』に一貫性と責任を求めるので、過半の人は『子供を産んだ経験・子供がいる現実』を肯定的なもの、幸せの要因として認める事になる。認めなければ自己否定となる。

人間が不幸・不遇を愚痴り自らの現状を否定する時は、『自分が自発的に選択・決断したという主体性』が失われている時だ。結婚なら『相手がしつこいから結婚して上げた』、出産なら『夫(親)がどうしても欲しいというから無理して産んだ』の認知があれば、よほど順調な展開に恵まれなければ責任転嫁の不幸に陥りやすい。

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アベノミクスと自動車会社の株高・好景気:エコな軽自動車税の減税とハイブリッドの次に来る車

トヨタ、ホンダ、富士重工、マツダなど大手メーカーの主要市場は『北米・中国+αの新規市場』に移り、国内の車販売台数は微減傾向だが、エコカーはまだ売れるので政府は減税政策に注力する。

軽自動車税、25~75%軽減=エコカー減税見直し案―政府・与党

低燃費・低排気ガスのエコカーでも新車しか減税されないので、中流以上の層や高齢者層に向けた自動車販売促進策であるが、新車の製造・輸送の過程では大量のCO2が排出されるので『環境負荷を下げるエコ』ではないという批判はある。だが減税政策の本質は『車の販売促進と景気刺激・メーカーのエコ技術開発支援』にある。

エコカーばかりだと車の個性・魅力がなくなるというが、エコカー減税がなくても消費者の大半は『ハイブリッド・省エネ技術のラベルがついた車種』にしか興味を示しにくくなっており、北米の一部市場を除いては『大排気量でパワフル・低燃費で環境負荷の高い・乗車人員が少なく積載量が小さい車』は開発しても売れない…。

日本国内では車は売れない感覚もあるが、2015年は日本の自動車メーカー全てに対して、物凄い追い風が吹くと予測されている。トヨタは2014年は世界販売台数が1000万台の大台突破、GMと首位争いのデッドヒートを繰り広げているがそれだけアメリカの景気が急回復した。スバルやマツダも米市場で売れている。

アベノミクスは円安・株高をもたらし、2015年はドル為替は125円台まで円安が進むという見方も強い。米国の景気・雇用回復とドルの強化(円安)は『日本の輸出企業への追い風』だ。トヨタや富士重工(スバル)、マツダは14年に時価総額を2割以上膨張させたが、2015年も輸出押上げトレンドは持続しそうな動き。

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消費税増税の低所得者対策としての“軽減税率(複数税率)”と“給付つき税額控除”、どちらが良いか?

軽減税率導入が見送られれば、学会員に生活必需品の増税はないとした公明党の顔は潰れるが、主にスーパーやコンビニで買われる『生鮮食料品・日用雑貨』以外の何を軽減税率の対象にするかの議論は紛糾する。

消費軽減税率は「長期検討」=15年改正で―自民税調

生存権に関わる食料品にできるだけ重税をかけないとする『軽減税率(複数税率)』には、軽減税率の対象を決める基準設定の難しさ、複数の税率を合わせて計算するレジ・会計事務の転換コストなどの問題がある。もう一つの低所得者対策として、所得税から消費税増税分をあらかじめ減税する『給付つき税額控除』もある。

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努力が報われるか否かの損得感情と努力の持つ本質的な価値(他者貢献とその返報)

石の上にも三年、キャリア数十年の職人技もあるが、『努力の方向性・持続期間・目的のレベル』を調整しながら努力するのが基本だろう。カネ・地位・仕事・異性・自由など何によって報われたいかによっても努力の方法・量・自分の適性は変わる。

「努力は報われるは間違い」とわかり努力が怖い

注意すべきは、『自分の自己満足・能力向上のためだけの努力』ならば、他人がその努力を評価・賞賛しなければならない必然性や因果はないという事だ。相手があなたの事を人間的に好きだったり利害関係でもあれば評価してくれるかもしれないが、他人や社会は子の成長・夢を無条件に見守ってくれる親にまではならない。

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『Mステ スーパーライブ』のSexy Zoneの演出と男女の古典的ジェンダー

白馬の王子様が、大勢の中から私だけを選び出しスターダムに押し上げてくれる。退屈な日常よ、さらば!シンデレラストーリーの演出だが、驚いて感動で涙ぐむダンサーの演技力はなかなかのものだった。『選択と救済』のジェンダーの夢のミニドラマのような印象もあった。

Sexy Zone、『Mステ スーパーライブ』の演出に賛否。「コーヒー吹いた」「あんなの要らん」

Sexy Zoneは30代以上から見れば、高校生くらいの子供に見えるが、カッコイイというより可愛い感じを受けてしまう。現在の自分の経済状態よりも更に豊かなステージに押し上げてくれる結婚をハイパーガミー(上昇婚)というが、若手のジャニーズはそこに加えて『理想の造形・甘い恋愛』という非日常の空想・快感を広げてくれるのがビジネスの種か。

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条例を根拠に『子供の声=騒音』と非難される社会構造の背景にある“個人の分断・孤立化(疎外感)”

地域社会の衰退や子育て経験の個人化(共有困難)の要因もあり自分も『子供を含む社会の一部との認識』が持てなくなった為、『自分と無関係な家族・子供の声』は実際以上の騒音として聞こえやすい。

子どもの声を「騒音」規制対象外に 東京都が条例改正へ

子供がうるさい・元気がいいのは当たり前というのは、『地域コミュニティにおける子育て体験・子供のいる環境の明るさの共有感覚』に支えられていた。私もいずれは子供を育てるからお互い様という感覚、私の子・孫も普段うるさくて迷惑を掛けているかもの遠慮が、少子化・未婚化・ライフスタイル多様化で崩れてきた。

例えば、ずっと子供を持たないと決めている人にとっては『私が子供を育てて騒音で迷惑をかける可能性』は初めから想定不能であり、子供嫌いだから子供のいる場に参加しない人にとっては『子供のいる明るい環境の感覚』は共感が困難なものであり、子供が無条件に大人から大目に許容される伝統社会の常識は揺らいでいる。

孤独感・無関係感・疎外感も『他人の騒ぐ声がうるさく聴こえる条件』になりやすい。学校でも自分が参加して騒いでいる時には大声が気にならなくても、自分と無関係な集団が騒いでいるとやけにうるさく感じる経験はあるはずだ。高齢者で子供の声がうるさいという人が増えてきた背景にも、『単身世帯化・疎外感』が影響する。

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