最低賃金の時給1500円の要求は、なぜ実現しづらいのか?:資本主義の賃金決定システムと適度な不足感

みんなが『単純・短時間の労働』で楽に生活コストを賄える経済の仕組みを作る事は、資源供給に余裕があっても、『高度な専門性や職業地位の価値下落・キャリアの連続性と労働再生産』の点で難しい。

「時給1500円」を求めて…ファーストフード店員賃上げ要求の妥当性

店員や一般事務で時給1500円を貰えると、それ以上の『難易度・ストレス・専門性・長時間拘束のある職種』では、それ以上の給与待遇を考える必要が出るが、仮に店員・事務でも週休2日以上・月30万円以上稼げ物価も同じなら高度な専門性・職種の連続的キャリア(時間・心理の拘束が強いキャリア)で踏ん張る人は減る。

みんながどんな仕事でも時給1500円以上稼げ、物価も現在程度なら、仕事の悩み・ストレスは激減するが、『楽にモノを買えすぎる状態』だと『必要以上のモノ・サービスの消費』が起こるのに『モノ・サービスを全力で供給する生産者数』は減り続ける。モノ・サービスの供給不足によるインフレは共産主義の失敗要因だった……。

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LGBTや同性愛が増加する現代社会とダイバーシティ:男性と女性の結合要因の変質

マイノリティの差別減とダイバーシティは自由社会の成熟の反映だが、“LGBT・同性婚の増加”は近代的なヘテロセクシャルや性自認・性役割の自明視・強制への反動の面もある。

AKB48メンバーがLGBTについて討論 峯岸みなみ「女の子と付き合える自分もいる」

男が女を好きになり女が男を好きになり、異性に対してのみ性的に興奮するヘテロセクシャルは、近代では『生産性・生殖性』を担保し人格・性欲の正常性を示唆する社会規範であった。だが先進国ではヘテロな男女の恋愛・婚姻が低迷、『男性の経済力・女性の性や癒しとの交換』が停滞して、異性愛の捉え方に個別差が生じた。

ジェンダーフリーや同性婚に反対の保守派は多いが、『男女結合のヘテロセクシャルの絶対視』に基づく。慣習・ジェンダーとしての『男が求める女らしさ(性愛・癒し・世話等)』と『女が求める男らしさ(経済力・保護・頼りがい等)』が、ヘテロ+男社会の恋愛・婚姻の秩序の必要性と性役割を支えるという認識に立っている。

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