なぜ男と女のコミュニケーションは難しいのか?若い頃には好きな相手に気後れしやすいのか?:吉本隆明の『対幻想』の考え方と男女関係の社会的認識

若い時ほど『自意識過剰・断られる不安・シャイネス』は強くなりやすいが『コミュニケーションで評価が変わるか(会話が余りなくても雰囲気等で好きになるか)』は個人差がある。緊張・不安が強すぎる場合、相手に受容感がないケースも多い。

本当に惹かれ合っている二人が結ばれない理由が判明

本当に惹かれ合う二人が結ばれない理由のタイトルはミスリードで、お互い好意があって相応のコミュニケーション力があれば、初めはぎこちなくても大半は話すようになる。厳密には『楽しく話せる関係・会話の上手さ』と『異性として付き合う関係』はズレる事も多いが、男女で会って話す関係だけというのは通常長続きしない。

偶然に会った時や仕事関連でちょっと会話する男女の付き合いはあっても、特定の異性と親密になると『恋愛・結婚・家族の排他的規範』があるので、一定の年齢では恋愛・性の要素無しでも『フリーに誰とでも会える・話せる(連絡できる)男女』は意外に少なくなる。異性間の会話・談笑は自由なようで結構制約はある。

『楽しく話せる関係・会話の上手さ』と『異性として付き合う関係』はズレる事も多いのだが、若い時期のクラスメイトとか部活・サークルの仲間とかを抜きにすれば、『継続的に楽しく会話・談笑をする関係』というのはその場限りを除けば、『異性として付き合う(恋愛・結婚の)関係』とも重なり合ってくる。

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AppleはiPhone7の新機能で売上を再び伸ばせるか?、 『ご飯のお供』には美味しいものが多い。

iPhoneの売上減は予測されていたが、スマホのデザインと機能が成熟してコモディティ化した結果でもある。有機ELは既に何年も前からGalaxyが採用していて新鮮味はないが、「想像つかない新機能」は何なのだろうか?

アップルのティム・クックCEO、iPhone 7の「想像もつかない新機能」を予告

iPhoneの機能改善で、もっとも簡単で効果があるのは、Androidであって当たり前の『戻るボタン』『ウィジェット』『複数アプリの入るファイル』を搭載することではないだろうか。特許の壁があれば別だが。スマホに求められる機能の中心は『アプリ・ブラウザ・カメラ・ゲーム・クラウド・バッテリー』である。

スマホはミニコンピューターとしての機能を向上させ処理速度も速くなっていて、現行のハイエンド端末の機種なら、どれを買っても大きな不満はでないだろう。iPhoneは日本では圧倒的なブランド力を誇り、キャリアの値引きサービスで安く買えていたが、世界市場では価格の高さとシェアの縮小がネックになる。

iPhoneが売れなくなると、日本の電気機器・半導体の製造メーカーも打撃を受けるので、Appleには新製品開発を頑張ってもらいたいとは思うが、長年、Apple製品から離れていて、Androidに慣れてGoogleアカウントをメインに使いたいので、よほどの大変化がないと自分自身は乗り換えないだろう。

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感情表現の言葉の語彙が乏しくなる現代の子供たち:「キモい」「ウザい」「ヤバい」の3ワードのみ

“言語・数字”は知能の基盤だが『語彙・修辞・メタファー・長文』は子供に限らず大人も含め現代で減少傾向だ。大人でも非実利的な基礎教養や複雑な要旨の長文読解力は落ちた。

感情表現は「キモい」「ウザい」「ヤバい」3ワードのみ 子供たちのボキャ貧が深刻化

ボキャブラリー(語彙)の多さは読書・知識・文章構成の量によって裏打ちされるが、話し言葉だけでは『書き言葉・漢字表現・慣用句の語彙』は余り増えない。本・長文・詩を読まなくなり『話し言葉と書き言葉(エクリチュール)の差』が減った事もあり、多数派が言語表現の正確さ・複雑さを好まなくなった変化もある。

言語表現のレトリックは『言語による個性・心情の表現』で、自分の思考・感情をより精緻に、より印象的に表現したい動機を含む。だが今は技巧的なレトリックや想像力を求めるメタファー、ディープな自己表現は好まれない、『誰にでもわかる易しい表現・感覚の直な伝達や省略形・漢字を平仮名に開いた表記』が主流である。

叙情的・叙事的な文章にせよロジカルな論説にせよ、語彙の多さや文章表現の多様性を楽しむ人は『言語の意味・語感・語源などの想像力』が豊かで『言葉の官能・洗練に対する感度』がある。言葉だけでエキサイトできるタイプ。だが、ビジュアルでプラグマティックな現代は人文学・教養主義(ことばの官能)の衰退期でもある。

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年収800万円前後の所得層が学歴にこだわるのはなぜか?:近代社会における学歴と擬似的身分

人間社会には待遇の差を人々に納得させるヒエラルキー(階層序列)の仕組みがあるが、学歴は近代社会において機会の平等と公平な競争を建前とする『流動性のある擬似的身分・学習能力の指標』として機能した。

学歴に一番こだわっているのは年収800万円の層だった

学歴は確かに勉強さえできれば、家柄・経済力・コネを問わず取得できる『スタート地点の平等・公平な競争の結果』のように見えるが、明治期の大卒者の多くが余裕のある華族や素封家の出身であり、庶民の子が多少勉強できても経済事由から進学を断念したように『出身家庭の文化・教育・経済・価値』と切り離せない面もある。

学歴を気にするか否かは、所属しているコミュニティ・職業集団の平均学歴や話題の選択・価値観・学閥の有無(上位者の学歴へのこだわり)と相関する。年収800万前後の上場企業の大卒サラリーマンは『高学歴者の多い環境・出身大学に関する話題や人脈』の要因によって過去の学歴を気にさせられる機会が多いためだろう。

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ドキュメント『人類滅亡(LIFE AFTER PEOPLE) 1.残された死体』の感想

人口ゼロ、人類が滅亡した後の世界はどうなるのかのシミュレーション・ドキュメンタリー。科学的根拠に基づく人間の技術(人工物)と自然(風化・他種繁殖)とのせめぎ合いが、どのような『人がいなくなった後の世界』を作っていくのか、超長期的な視点での予想がなかなか面白かった。

人類は自らが存在した痕跡と遺伝子情報を残すため、博物館のアクリルケース内で最適環境(温度・湿度)に調整したミイラ、死後の人体の冷凍保存、生殖細胞(精子・卵子・受精卵)の冷凍保存、周回軌道上の宇宙ステーションにおけるDNAデータ保存を行っている。現代の電気文明社会がメンテナンスされる限り、それらは半永久的に残るものとされているが……。

現代の文明社会の保存技術の根幹は『電気』『密封』『液体窒素(微生物が生存できない超低温)』であるが、いずれも数百年程度の自動的な保存も不可能な脆弱な技術や物質に過ぎない。いったん人口0人に到達してしまうと、マンパワーを介した保守管理や調整作業を行うことが不可能になる。

人が管理しなくなって荒れ放題となり燃料も枯渇した発電所からの電力供給は1年も持たずに途絶えてしまう。液体窒素もどんなに密閉していても緩やかに気化して内部温度は上昇していくため、人類の生体の形そのものや遺伝子情報を残すことはほぼ不可能になるという。

人間の手が加わらない自然界の生命力とモノ(人の制作物)に対する破壊力は非常に強力だ。数十年程度のスパンでも現在の文明社会の建築物・道路や水道のインフラ・乗り物等の遺物は風化・崩壊が進んでいき、亜熱帯気候や温暖湿潤気候の国の都市・町村は無数の植物と昆虫類が群生するジャングルのような状態になっていく。風・雨・雷・雪・波・地震・台風・火事に摩耗された文明社会を実現していた都市設備は、動物に荒らされ旺盛に繁茂する植物で覆い尽くされて遠からず朽ち果てていく。

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