アニメ『キングダム 第二部まで』の感想

司馬遷の『史記』を題材に、秦の始皇帝(エイ政・えいせい)による中華統一のプロセスを架空の武将・設定を交えて創作的に描こうとするアニメ『キングダム』を二部まで見終わった。戦術や兵法、個人の武力のリアリティーを追及すれば粗もあるがなかなか面白かった。

主人公は戦争孤児の下賤の身分から立って、自らの実力のみで『天下の大将軍』を目指そうとする少年・信であり、秦王の政にそっくりな今は亡き幼馴染みの漂(ひょう)の遺志も継いでいる。

王騎将軍から特別遊撃隊『飛信隊』の創設を許された信は、大物を討ち取る戦功を重ね、遂には廉頗四天王で中央軍を率いた二刀流の天才剣士・輪虎(りんこ)を一騎打ちで葬って千人将の地位にまで登っている。

信を支える『飛信隊』の副長・羌カイ(きょうかい)は伝説の刺客一族の出身で、神が憑依する剣術と高い知性に基づく兵法に優れているが、廉頗との戦いの後に姉の仇討ちのためにいったん隊を離脱する。

有能な軍師として途中参加する信の知り合いの山民・河了貂(かりょうてん)は、初めは何もできない無力な子供だったが、信をバックアップできるようになるための修行の旅に出る。その後、蒙毅(もうき)と共に兵法の学習を進めて実力を養い、羌カイがいなくなって戦術を立てられないために連戦連敗を続けていた飛信隊に戻ってきて信を大いに助ける。

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敬語・丁寧語とタメ口はどう使い分けたほうが良いか?、 高速道路の追突事故回避のためにやるべきこと

○敬語を使うか使わないかでその人の『キャラ・フォーマル度・住む世界・距離感』が推測される。芸能人や自営業なら戦略的なタメ口でフランクなキャラを作る価値もあるが、一般人が社会的な場で対応する時は丁寧語ベースが無難である。

ローラはOK?許せるタメ口と許せないタメ口の違いに論争勃発

特に会社・組織に所属していれば、内部での上下関係の序列構造を『意図的なタメ口』で崩して自分の印象を逆張りで良くすることは不可能であり、『上の人間に非常識や生意気と思われ嫌われる(低評価)リスク』のほうが大きい。意図的でない無知・環境からのタメ口も、住む世界が違う人、粗雑乱暴な人との悪印象につながる。

あまりに教条主義・権威主義で上下関係をマウンティングするような敬語の強制はバカバカしいが、『丁寧な洗練された言葉遣い・自分への敬意や心遣いを感じる柔らかい言葉遣い』をされて不愉快に感じる人はまずいないわけで、誰が相手でも『粗雑・乱暴・生意気な印象を与える強い口調のタメ口』は損するリスクがある。

完璧な敬語をずっと崩さないという人も、一定以上の対話期間が経過したり親しみが増した時には『慇懃無礼・遠慮が行き過ぎた不快感』としてネガティブな評価を受ける恐れはある。タメ口や敬語・丁寧語の乱れは『距離感の縮まり・相手への親しみや信頼の現れ』であるから、相手・状況によっては嬉しく感じて貰えることもある

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内閣府の『国民生活に関する世論調査』では国民の7割が今の生活に満足なのだという…:北朝鮮の脅威・格差拡大・防衛予算増額・安倍政権へ追い風か

安倍政権に追風吹かす北朝鮮のミサイル発射と内閣府『国民生活に関する世論調査』と防衛予算煽る産経新聞か…この調査で現在の生活について過去最高の計73.9%が『満足・まあ満足』と回答、防衛・安保にもっと力を入れろという意見が増加した。今の日本は株価・上場企業・公務員に限れば最後の晩餐で消費も煽られる。

現在の日本はアメリカと並ぶ格差社会になったため、世論調査で日本全体の豊かさや満足の実感の推測は難しくなった。若者と高齢者だけでなく、現役の大手と中小(正規と非正規)、民間と公務員、資産のある家とない家では同じ社会に生きている感覚も薄まる。単純に平均賞与60万以上があるかないかで景気実感は正反対になる。

今の日本の景気は経済指標から見れば良いが、景気が良くてもその恩恵を『実際の金額増加』として実感できる層は、現役労働者でいえば約半分程度に限定される。会社が過去最高益、月給の増額、平均超の賞与があるなどの人か、数千万以上の単位で投資をしている人は、今は景気が良くて旅行にも行きやすい時代と感じやすい。

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今の日本は『恋愛至上主義』というよりも『恋愛至上主義・恋愛格差』である:未婚者の男性7割・女性6割に恋人がいない時代

未婚者の男性7割・女性6割が交際相手がいないなら、現代の若者では恋愛至上主義ではなく『恋愛市場主義(需要・供給の階層的結びつき)』が進行しているだけだろう。

「恋愛経験がないとヤバい奴扱い」にもの申す 「恋愛しない自由」だって尊重されていいはずだ

異性と付き合ったり性関係を持つという恋愛経験がないだけで『ヤバい奴』とは思わないが、『誰も好きになったことがない・他者に一切興味がない・男で女への性欲が全くない』までなると、サイコパスやナルシスト、情性・協調性の欠如、利己主義、頑固・偏屈、Aセクシャル、トラウマによる異性嫌悪などの推測はされるかも。

恋愛はリーの恋愛類型論では『エロス・プラグマ・ルーダス・アガペー・マニア・ストロゲー』に分類されるので、同じ恋愛といっても人によってどのような恋愛を経験したかの解釈・感覚はかなり異なる。男性の恋愛は『エロス(性・美と情熱)・マニア(狂気と独占欲)・アガペー(無償の愛)・ルーダス(遊び)』が多い。

女性の恋愛は男性と同じく『エロス・マニア・アガペー』もあるが、一般に男性よりもリアリストでその相手と付き合ってどのようなメリットと将来性があり、結婚・育児にまでつながるかという『プラグマ(実利的な愛)』もかなり重視される。ワンナイトラブや色々な異性のタイプを試したいというルーダスは女性は弱い。

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大卒者の経済価値の変化と奨学金を返済する負担の影響:日本は学歴と潜在能力のみでは食えない雇用構造である

○大卒者の経済価値(見込み賃金)は大学進学率が低い社会ほど高く、学歴のみで官僚的な昇進システムに組み込まれる資格になる。現状は大学・学生の格差が開き、出世払いできる人の率が下がっている。

大学無償化で「出世払い」検討=豪州型参考に―人づくり革命

先進国は教育インフラ整備の政策として大学無償化に舵を切るが、その為には『無償化される価値(将来の支払い能力の確度)がある大学・学生』の選別がなければ、コスト対効果が低くなって大学支援金の返済率も低くなるだろう。1980年代以前のように大卒というだけでエリート候補で優遇される時代ならば良かったが。

日本の学歴社会の特殊性として『形式的な最終学歴』が重視され、『新卒採用・長期雇用のパスポート』のためだけに大学進学を目指す人が多いことがある。どんな大学でも大卒であれば高卒・専門卒よりも知的に優秀で企業で優遇されるべきという慣習的な価値観が根強かった。今後は大学教育の内容と専門性がより重要になる。

先進国では高学歴化・大学進学率上昇があるが、過半数が大学に行く社会になると、近代初期にあった『大卒=学歴で食える社会・企業のエリート候補』の見方は成り立たなくなるわけで『大卒者間の実力評価・待遇の格差』がより大きくなるのは必然だった。かつて高卒が当たり前だったのが大卒が当たり前に近づいた結果でもある。

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戦時中の日本の精神と『捕虜・降伏』を避けた村八分の心理:生まれ故郷・両親に対する特別な思い入れと恐怖

戦時中の日本兵の精神について報告した米国のIBでは、田舎者は天皇の為に死に靖国神社に祀られる事を最高の栄誉と信じたが、教育のある都会人ほど虚構と見抜いていたという。兵士としては三流だが降伏せず捕虜にならないのは、生還すると村社会で激しい虐待や排除に遭うからで、敵以上に味方を怖れて決死の突入をした。

米軍のIB(情報公報)では日本兵が降伏せず捕虜にならないのは『祖国』に還っても村八分・虐待で生きられなくなるからと記す。日本兵捕虜の苦悩は、天皇・公共への忠誠云々ではなく『生まれ故郷・ムラ』から排除・虐待される恐怖にあり、祖国に帰ったら父母から殴られ同胞から殺されるかもという考えの者が多かった。

日本軍だけではなく日本の学校においても、体罰・怒声・虐待による恐怖心を利用した絶対忠誠の植え付けが行われていたが、日本人は特に『生まれ故郷で裏切り者と思われること』を特に恐れ、降伏・捕虜になって生還しても『父母さえ生還を喜ばない・自分も家族も恥辱に塗れ人非人のように攻撃される』という思いが強かった。

捕虜の中には『生まれ故郷・本家や両親のある地域』にさえ戻らなければ、何とか死なずに済むと訴えたほど、故郷のムラと両親に自分が米軍に降伏した裏切り者と知られることを異常なほど恐れたという。こういった挫折・失敗して生まれ故郷・親元に絶対に還れないという価値観は、戦後の集団就職の時代頃まで続いていた。

今でこそ、匿名的な都市環境や甘える友達親子も許されているが、戦時中は元より戦後暫くまで『挫折・失敗によって生まれ故郷や親元に還るのは死ぬよりつらいという村八分やイエの名誉が関連した価値観』は生き残った。1970年代頃まで田舎は長男以外の子は一度外に出ると家に逃げ帰るようなことはできない風習は強かった。

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