○人が人を救うには限界があり、ネガティブな苦悩は感染力も持っている。夜回り先生も「私の本を読んで自己解決しろ」というほどに疲れきっている。
夜回り先生「もう、疲れました」サイト閉鎖へ 「何人が私の本を読んでくれているのか」
――ネットで心配の声も (キャリコネ – 08月22日 13:00) http://mixi.at/adgdao6
「本・読書(文字)によって救われる人」と「人との共感的な対話・愛情や承認(受容)によって救われる人」は重なる部分もあれば違っている部分もあるのだが、「本・知性(世界観構築)による低コストな救済」に対して「人によるリアルタイムの高コストな救済」は常に提供し続けることは難しいものである。
「本・知性・納得に基づく自他肯定の人間観と世界観の構築」ができ、生涯にわたって安定的に持続する人は、ある意味で「悟った人・苦悩を超えた人」である。その境地に至った錯覚はあっても死ぬまで持続する人はおそらくほぼいないだろう。喜怒哀楽・気分変化の波や愛情・承認・面白みの欠如に大半の人は翻弄され続ける。
確かに「理想的な性格・ホスピタリティを持つ相手」がいくらでも自分の悩みや不安、愚痴、苦しみに共感的に耳を傾け、受容・保証・鼓舞し続けてくれるなら「温室的な心地よさ」は維持されるかもしれないが、「無償ボランティア」の夜回り先生のような人が何百人以上もの人の苦悩を丁寧に聞き返事することは不可能である。
○韓国が日本に影響を与えられる対抗措置は少ないが、GSOMIA破棄は日本が困るというよりは、日米韓の自由主義圏の連携が崩れる地政学的な意味合いが大きい。日韓共に無益な相互応酬に陥りつつある。
韓国、日韓軍事情報協定を破棄 「輸出優遇国」除外受け (朝日新聞デジタル – 08月22日 18:51) http://mixi.at/adgJaCk
ただ日本人特に若年層は全体傾向として、韓国に対する政治的報復・緊張に興味が薄い人が多く、韓国を訪問した日本人観光客が7月に19.2%も増加したのは奇妙な逆転現象である。日本の20代~30代前半は政治全般、日韓併合の歴史などに興味がなく、韓国エンタメへの興味が強いため政治報道の影響が弱いと見られている。
「日韓関係の過去のしがらみ・歴史的政治的な対立構造」に無関心な若年層が日本でも韓国でも増えることで、中期的な日韓関係改善の兆しが見えるのかもしれない。日韓の一定以上の年齢の世代・強硬な保守派は変化しづらいが、今までと逆に「非政治的でミーハー・忘却的なメンタル」が事態を改善するとなるとおかしな事態だな。
○韓国のGSOMIA(軍事情報協定)破棄に、日本政府が「まさかと衝撃」みたいな記事があったが、「確信犯的な対立構造(悪気ないふり・知らぬふり)」の政治劇はある種のやらせ感に襲われて白ける。文在寅と独立後の韓国の民族アイデンティティを考えれば、地力で日本が圧倒的優位でも、煽れば目には目をでくるのは自明。
ある政府幹部は「GSOMIAは防衛当局間の話、輸出管理とは次元が違う」と語るが、この政府幹部は菅義偉官房長官か誰かか…GSOMIAは実質的に「北朝鮮のブラフのミサイル発射情報の共有」で、北朝鮮が本気で日本にミサイル攻撃をする可能性がほぼないことを考えれば、GSOMIAも形式的で米国経由でも構わないが。
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