「事件」タグアーカイブ

女性客に利尿剤を混ぜた菓子を与えたタクシー運転手が『暴行・監禁罪』で逮捕:密室空間のタクシーにおける信用

密室空間のタクシーは運転手・乗客の善良さを信用できないなら、『個人間の力関係』によって被害者にも加害者にも成り得る。だが薬物で失禁させる異常・不気味な性犯罪を警戒して乗る客も通常いない。

<暴行監禁>タクシー運転手逮捕 女性客に利尿剤入り菓子

タクシー会社に勤務している運転手のほうが個人タクシーよりも身元の特定が容易で懲戒処分を受けやすいので抑止力はあるだろうが、この容疑者以外の運転手に類似犯がいるとも考えにくい。薬物使用で準強制わいせつとも言える犯罪だが、極めて特殊なので、罪状は降車させず排尿を強制した監禁罪・暴行罪になるようだ。

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慶応大生による自殺教唆事件:『言葉の暴力』で限界まで追い詰められてしまう人・精神状態

自殺教唆というのは非常に発生率(逮捕件数)の少ない犯罪であるが、それは通常、『自殺しろ(自殺したほうが良い)』などと人に言われても、素直にその言葉に従って自殺する人が極めて少なく、また他人に自殺を意図的に教唆しようとする人も少ないからである。

自殺教唆容疑で慶大生逮捕=メールで繰り返し「死ね」―交際女性飛び降りる・警視庁

この事件では、別れ話を持ち出した女性のほうが、振られた男性(別れを告げられた側の男性)から自殺を教唆されて飛び降り自殺を決行していて不思議な感じもするが、元々、この容疑者男性と恋愛をしている最中から、『自殺をしてもおかしくない弱った抑うつ的・自己否定的な精神状態』にあったか、何度かの自殺未遂(あるいは自殺企図にまでは至らない自傷行為・希死念慮の打ち明け)などを起こしていた可能性が想定される。

別れの原因が何だったのかは不明であるが、容疑者との恋愛関係におけるDV・モラルハラスメントの可能性も含め、『付き合っていること(相手の言動・態度)による精神的な不安定さ・混乱・自己否定』があって、別れ話を切り出す時点で相当に精神的に不安定だった(それ以上の精神的攻撃やストレスを受けると持ちこたえにくい精神状態だった)のではないかと思う。

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コンゴの日本大使館放火事件と外交官の2200万円以上の横領疑惑

在外勤務の外交官は国家公務員の中でも難易度の高いエリート路線であり、パーティーや住宅費用の負担、現地での調査活動など公金を用いることのできる恩恵の割合は大きい。

だが、職務の使命感や外交感覚、リサーチ意識(赴任地域への関心)の低い外交官にとって『アフリカ・アジア・南米等の途上国勤務』は、倦怠感・無気力とその反動としての特権意識に襲われやすい問題を孕んでおり、合法的な会計処理であっても相当な無駄遣いが含まれる事が会計検査院の調査で指摘されたりもする。

公金どこに、建物含め被害億単位=現地でカジノ? 同僚に借金も-コンゴ大使館放火

30歳の容疑者は自分自身に掛けられた『横領罪・現住建造物等放火罪』の容疑を否認しているが、放火現場の監視カメラの映像や目撃証言、口座の入出金の履歴を調べられて容疑を固められているので、無罪放免とは行かないだろう。

カジノ通いやギャンブルの嗜好、周囲の同僚からの借金に加えて、金庫にあるはずの現金2200万円が消失しているなどの状況証拠もあり、会計の責任者であった容疑者が使い込んでいないという現金の存在を立証できない限りは、嫌疑を払拭することができない。

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山口県周南市金峰(みたけ)で発生した『5人殺害放火事件』について。

山間にある人口数十人の小さな集落で起こった異常な連続殺人放火事件である。『閉鎖的な集落内部』の濃密な人間関係とそこからの疎外感・怨恨感情によって引き起こされる大量殺人事件(コミュニティ破壊型犯罪)は、明治時代の津山事件(岡山県)をはじめとして過去にも起こったことがあるが、『地域コミュニティ・近所づきあいの希薄化』が進む現代社会、特に都市部では珍しくなった型の犯罪ではある。

<山口5人殺害>「悪口言われる」不明の男、警察に相談

親や祖父母の世代から地域住民がずっと固定されているような田舎の集落では、数十年前までは自分の家と周囲の家との境界線は弱く、みんなが助け合うべき家族といった『村落(農村)共同体の名残』を残していただろう。お互いの家族の顔も名前もそれぞれ何(どんな仕事)をしているかも、結婚しているかも全て筒抜けのような関係があり、『集落内の相互評価(悪くいえば相互監視)・噂話』が住民たちの行動選択を無意識的に拘束しており、プライベート(私的領域)を保った都会的生活などはしたくてもできない環境である。

閉鎖的な小さな集落(顔・名前をそれぞれが小さな頃から知っている集落)では、『集落の協力的な一員』として承認されていなければ居場所がなくなりやすいが(陰口・噂話などで精神的に追い詰められやすいが)、『集落のルール・慣習・役割分担』に違背することでかつては村八分のような制裁を科されることがあった。

現在の村落ではさすがに昔の村八分のような制度的な制裁はないと思うが、数十人程度の住民しかいなければ、『集落の人間関係から外される・疎遠にされる(あるいは自分のほうから付き合いが悪くなり偏屈・排斥的になる)』というような事態は当然考えられる。

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