「人間関係」タグアーカイブ

『池袋出会いカフェ女子大生事件』と映画『悪人』との類似性から考えたこと。

『店舗型の出会い系』として機能するカフェで知り合った22歳の女性を、29歳の住所不定無職の男性(被告人)が殺害したという事件。加害者の男が被害者の女性を『自己防衛による興奮・錯乱の心理』から殺害するに至った状況が、妻夫木聡・深津絵里が主演した映画『悪人』で、妻夫木演じる肉体労働者の青年が、満島ひかり演じるOLの女を殺害するという状況に類似していたので、現代の風俗や性愛、人間模様も参照しながら少し書いてみよう。

http://blogos.com/article/71139/?axis=&p=1

池袋出会いカフェの事件も映画『悪人』の事件も、結果として殺人犯となってしまった男性は強い孤独感や疎外感、無力感という『劣等コンプレックス』を抱えてはいるが、普段から重犯罪や粗暴行為を躊躇いなく繰り返しているようなチンピラ・極悪人の類ではないということ(暴行・殺人・強盗などの前科もないということ)がまずある。

どちらかというと、生きることに対して平均的な人よりもかなり不器用な男であり、仕事が上手くいっておらずカネや影響力、コミュニケーション力がない。

普通に生活していても女性との出会いがなく、話しても特別に好かれるタイプでもないという意味で、悪人ではないが『他者からの承認欲求・女性からの愛情や肯定』に心から飢えていて、それらを得るためには下手にでて卑屈になっても『一時のおしゃべり・性行為』のためにお金を支払っても良い(相手が演技であっても自分に優しく明るく接してくれればそれでもある程度満足できる)と考えているような人物。

こう書くと悲惨な感じにはなってくるが、現代社会ではそれほど珍しくもないコミュニケーションスキルや社会経済的能力に自信を持ちづらい性格・生き方の一類型ではあり、性風俗産業の大半のニーズはそういったメンタリティを持つ中高年男性によって満たされているともいう。

また、こういった風俗・出会いカフェを利用する男性の中には、『直接の性行為(感覚的な快楽)』よりも『心理的なふれあい(自分を認めて好意的に接してくれるコミュニケーション)』のほうに大きな価値を感じている人も多いとされ、飲み屋よりも親近感・体温を感じやすい擬似恋愛に対して納得した高額の対価を支払っているようである。

続きを読む 『池袋出会いカフェ女子大生事件』と映画『悪人』との類似性から考えたこと。