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由布岳(1583.3m)の登山(11月21日):初冬期の豊後富士は絶景だが寒かった。

「にちりん3号(宮崎空港行)」から「ゆふ2号」を乗り継いで、一番早く由布院駅に着くのが9時7分。温泉リゾート地としての規模は小さいが、由布岳が間近に迫る露天風呂に浸かるのに絶好のロケーションと町馬車・自転車で気軽に回れるコンパクトな温泉街の作りが受けて、今では別府と同程度の観光客を集める町になっているようだ。

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料理付きの温泉旅館は結構高額だが、立ち寄り湯の温泉そのものは一般のスーパー銭湯よりも安いくらいの価格で入れる所が殆どである。温泉の泉質は酸性度が高いのでやや刺激感があるが、創傷・皮膚疾患・神経痛・疲労等への効能があり、お湯の肌触りはとろりとした感じで気持ち良い。割安な温泉スパリゾートのような施設もあり、駅から離れた場所にも温泉は無数に点在している。数そのものは別府よりは少ないが、硫黄臭が弱いので人によっては湯布院の温泉のほうが好きなのかもしれない。

少し前の風邪が完治していないようで、電車内で軽い吐き気がして胃の調子が余り良くないのが気になったが、登れないほど体調が悪ければ途中で引き返して由布院観光でもして帰ろうと思い、とりあえず登山口まで行くことにした。由布院駅から由布岳登山口までのバスを待ち、10時ジャストに登山口に到着。登山口は広い駐車場とトイレなどがあり整っているが、峠特有の強い風が吹きさらしの場所だけに停滞しているとさすがに寒い。すぐに登り始めることにした。

由布岳は標高1583.3mの独立峰で、富士山にも似たその山容は極めて個性的でどこから見ても他の山と間違うことはなく、湯布院の町からはどこからでもその姿を眺めることができる。別名を『豊後富士(ぶんごふじ)』と称されるが、万葉集に四首の歌が収載されるなど、飛鳥・奈良の時代の古くから霊山としての信仰を集めていた。

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『ヒマラヤのソロ』の登山哲学から見る現代社会と人間関係:孤独・自律・共助の境界を生きる

『山と渓谷(9月号)』の八ヶ岳全山縦走を見ていると、九州の山との『山域の広がり・景色のパノラマ度』の違いを感じる。誌面では4泊5日の行程のうち、観音平から編笠山・権現岳・赤岳までの前半のコースだけでお腹一杯だが、そこまでの縦走でも参考コースタイムでは片道8時間(往復16時間弱)なので日帰りはかなり難しいだろう。長いハシゴや岩場もあり、コースもそれなりに厳しそうな感じがする。

色々な方向から登れる山なので、美濃戸口からの人気コースだともう少し短い時間で登って帰って来れるみたいだ。八ヶ岳の高原トレイルである『霧ヶ峰・美ヶ原の中央分水嶺トレイル』は、景観が熊本県の阿蘇の『草千里』の高原にも似ていて、登山というよりも自然の中を歩く(走る)コースとして魅力的で、八島ヶ原湿原の牧歌的な眺めも良い。

霧ヶ峰北部の『美ヶ原』というのは標高2000メートル付近の360度の展望がある見晴台のような場所で、日本アルプスの山々を遠目で見るのに適したスポットか。総延長45kmもある『美ヶ原高原トレイル』というコースも作られていて、『三峰山・二ツ山・鉢伏山』のロングトレイルなど登山として登り応えがあるコースもトレイルに含まれているようだ。

坂下直枝さんの『冬のアンナプルナ漂流行』は1980年冬のアンナプルナ単独行の経験に基づく読み物としてスリリングだが、『世俗・他者との隔絶感』を求める山行というコンセプトは『現代社会での他者との距離感・集中的に燃焼させる生命感覚』について考えさせられるものでもある。

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鷹ノ巣山(一の岳・二の岳・三の岳)の登山

夏バテしそうなうだるような暑さが続くが、暑気払いと体力増強を兼ねて英彦山の東隣に三つの小高い丘のような山頂を並べる『鷹ノ巣山(979.3メートル)』に登ってきた。鷹ノ巣山は少し離れた場所から山頂の連なりを眺めて楽しまれることのほうが多い山で、溶岩台地が削られて出来た独特の形状が面白いのだが、山中に入ってしまうと鬱蒼とした森林が多いので山の全体は殆ど見渡せず、頂上まで登っても木が邪魔して景観は余り良くない。

ワインディングを楽しむライダーが多い豊前坊の高住神社から歩き始めて、右側にある薬師林道から登山道に入っていく。薬師林道の左側に、小さな木橋のかかった鷹ノ巣山の登山道の入口がある。

この入口の標識は小さくて消えかかっているのだが、鷹ノ巣山は全般的にきちんとした分かりやすい標識が立っていない山で、『小さな分岐点の手書きの簡易表示』を飯塚市の有志の登山会が立ててくれているだけのようだ。

特に、『岩場を避けられる巻き道・近道(安全な復路・エスケープルート)』を指示する看板が老朽化して殆ど読めなくなっていること、森林に囲まれた森なので少しでも日が陰ると途端に薄暗くなりテープも見づらくなることに十分な注意が必要である。

いわゆる整備された一本道の登山道は途中でなくなり、どちらの方向にも進めるような踏み跡の乏しい森の中の道が続く(基本的には一の岳からの進行方向に対して左側上部に二の岳・三の岳が聳えているイメージを持つと良い)が、この山中の道は通常の地図やガイドブックでは詳細な分岐などが記されていないので、実際に歩いてみないと分からない。

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