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カルロス・ゴーンの逃亡・不法出国の事件の雑感、年末ジャンボ1等当たりくじを偽造、トランプ大統領がイランのソレイマニ司令官を暗殺

○カルロス・ゴーン被告(65)にクリーンな遵法精神のイメージは元々ない。65歳からの余生を刑務所で終えるリスクから「持てる財力・人脈・政治力」をフルに使って、刑罰を逃れた事は明らかだろう。

ゴーン被告逃亡「不正な手段で不法出国」法相がコメント (朝日新聞デジタル – 01月05日 12:03) http://mixi.at/a1H5SXO

日本の司法制度は(一部の権力層を除き)、欧米諸国や独裁国家と比べると「財力・コネ・有名な法律ファームを生かした富裕層の逃げ道」が少ないのはあるかも。「容疑者の身柄拘束」も長期化できる。レバノンの有力者とのコネをゴーンは頼ったが、トルコは法律に基づき密入国の逃亡を助けた航空会社の協力者を逮捕している。

カルロス・ゴーンは多国籍企業のCEOを歴任していて、世界各地に権力・財力・暴力を持った人物との一定のパイプはあったはずで、今回の逃亡でも一部の協力者は「家族に危害が及ぶ」と脅迫されたと報じられている。ゴーン容疑者が叩けば埃が出る身なのは確かだが、治安の悪いレバノンが拠点で危険な人脈もありそう…

ゴーンは「巨大な音響機器の箱」に入って国外に脱出したが、大きくてX線検査機に入らないので、簡易なハンディーの検査機器でチェックしただけだったという。箱の底に身を潜めて、呼吸用の穴を開けていたらしいが、スパイ映画みたいな状況だな…日本の出入国管理の体制も意外にいい加減だと知らせられる事件ではあった。

○ゴーンは経営者として実績を上げたが、金融街の米国CEOレベルの銭ゲバ…どうせ高額報酬を受けとるなら私的流用などしなくて良い金額まで上乗せし、株主総会で納得させられる好業績をあげるべき。

「事件はクーデター。証拠もある」ゴーン被告、米TVに (朝日新聞デジタル – 01月07日 06:29) http://mixi.at/a1JmMWa

日本の司法は推定無罪は弱いが、ゴーンが会社の金を横領した犯罪自体が冤罪とは言えない以上、「クーデターの陰謀・追い落し」と「私的流用・横領背任」は別の問題である。ただ二度と日本の土は踏まないだろうから、長期拘束や刑務所で死ぬリスクを避けるなら、自分の持っている力を動員して逃亡する判断は合理的ではある。

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9月のサウジアラビア油田攻撃の感想、イラン児童婚問題と少子化、三大キャリアのスマホ料金は高いなど

○サウジアラビアの国富の源泉である油田・石油施設のセキュリティは思っている以上に甘いのだろうか、複数のドローンが攻撃可能な距離まで石油施設に撃墜されず接近できる現状が杜撰過ぎたように思う。

原油高、長期化なら家計直撃=電気料金、航空運賃に影響 (時事通信社 – 09月18日 09:01) http://mixi.at/aeOu2Pz

「サウジアラビアと米国の同盟関係」を前提にした中東情勢は、イラン・イエメン反政府派(シーア派のフーシ派)を政治的・経済的に追い詰める謀略のベクトルを強く持っている。サウジアラビアは「先進国的な価値観を否定する親米産油国」として特殊な存在だが、世界の石油供給量10~15%を占めるので減産の影響が大きい。

「サウジアラビア+イエメン+背後のアメリカ」と「イラン+イエメン反政府派(フーシ派)」の対立図式がある中で、サウジアラビアのドローン油田攻撃が起こった。サウジの産油能力は約50%も低下したと言われるが、サウジは今月までに石油施設を補修して供給再開できるとしている…長引けば物価高騰につながる。

発端は2015年に「イラン核合意交渉」をトランプ大統領が一方的に破棄したことにあるが、9月に対イラン強硬派のボルトン補佐官(イラク戦争主導派の一人)を解任してイラン関係の緊張が緩和に向かうかに見えた矢先のサウジ空爆事件である。サウジのムハンマド皇太子が米国に武力行使を求めたとも報じられたが…。

また米国はイランを追い詰める意図で、ホルムズ海峡防衛で有志連合を募ったが、英国とオーストラリアしか先進国の参加は無かったため、トランプ大統領はイラン戦争を次期大統領選までは決断しない見方も強い。ボルトンを外して次はポンペオを外せば戦争賛成派は後退するが、この空爆でサウジから参戦・応援の圧力が強まる。

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夫婦の会話がなくてつまらないという悩み、岩崎隆一容疑者の孤独、アメリカの銃乱射事件の考察、北九州監禁連続殺人事件の松永太というサイコパス

○長期的な夫婦関係(男女関係)で会話が弾む人もいれば無くなる人もいる。自分から積極的に話しかけたくなる会話欲求を刺激してくれる相手が、コミュニケーションの相性が良いのだろう。

夫婦の会話がなくて夫婦生活がつまらない……寂しさを募らせるママたち (ママスタジアム – 06月01日 13:01) http://mixi.at/a9H42fP

男と女は「恋愛・エロスで強い欲求がある時期」や「家計・子育てなどでこまめに協力し合う必要がある時期」を除けば、「コミュニケーションの相性(話したいと思う話題)」が食い違うことも多い。相手の話を聴きたくなる共通の話題・関心事・趣味でもあればいいが、いったん話さなくなると話す頻度・時間は減りやすい。

初期の頃には、相手の存在や笑顔、声そのものに魅力を感じて、用事がなくてもあれこれ話しかけることが多いものだし、男性は女性に好かれたい段階では自分からしきりに話題を考えてでも話しかけるものだが…中長期的な関係で相手の話題・反応が予測できてしまい過ぎると、逆に話す必要性を感じにくくなるのだろうか。

付き合う前や付き合って間もない時期には、「会話・コミュニケーションによって自分が一緒にいて楽しい・面白い男だということ」を相手に伝えたいという目的もあるから、初めの頃の話好きは当てにならないこともあるのかも。長い付き合いになった夫婦関係・男女関係では、「相手そのものへの強い関心・高揚感」が消失する。

女性は長期の付き合いや結婚生活になると「地道な生活・お金・食事などの小さな世界や人生設計で閉じた話題」が増えるが、男は生活密着の話題や小さな世界(隣近所など)に閉じた話題というのは、好きな人とどうでもいい人とで極端に分かれる。逆に女性は、男が好む大きな世界・思想哲学・社会時評などには大半が興味ない。

総じて言えば、「相手に好かれたい・親密な関係になりたいなどのミッション遂行型のコミュニケーション」と「今と同等の良い関係を保ちたい・お互いへの関心を維持したいなどのメンテナンス型のコミュニケーション」では、目的意識も適性もかなり異なり、メンテナンス型の付き合いは一般に面倒くさく感じやすいのだろう。

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ラスベガスの銃乱射事件で59人死亡、500人以上負傷で米国史上最悪の乱射事件:スティーブン・パドック容疑者について

「戦争の局地戦・テロ」でも一度でここまで大量の死傷者は出ない。銃社会で無防備なイベント会場を確信犯で狙われれば、防御手段は皆無に等しい。元会計士・カジノ常連・銃マニアのスティーブン・パドック容疑者(64)に何があったのか。

いくら合衆国憲法で市民の銃武装権が認められているといってもマンダリンベイというラスベガスの高級ホテルは、部屋に16個もの銃器を持ち込めるほど、持ち物に対してフリーパスなのか。分解して持ち込んだとしても、相当な荷物の量で重量も数十キロ以上にはなる。自宅には銃器・爆発物を50近くも保管してたようだ……。

スティーブン・パドック容疑者は、最近になって1日1万ドル以上をラスベガスのギャンブルに突っ込んで、負けがこんでいたと伝えられた。単純に考えれば「ギャンブルで大金を負けた腹いせでの無差別テロ(拡大自殺の巻き添え)」だが、ギャンブル依存症と反社会性パーソナリティー障害を重複していた可能性もありそうだ。

パドック容疑者が乱射事件に使用した銃器は、セミオートマのライフル銃をトリガークランクという装置で連射できるように改造していたというが、こんな自衛に不要な部品がネット通販で50ドルで買える米国の銃社会は異常だ。1万人以上の人が集まる夜の屋外ライブだと「32階からの射撃」は回避以前に発射場所を特定不能。

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映画『アメリカン・スナイパー』の感想

総合評価 90/100点

世界最強の軍事大国アメリカは、第二次世界大戦後の『米ソ冷戦』を勝ち抜き、1990年代後半以降、世界の警察を自認する唯一のスーパーパワーとして世界に君臨するはずであった。2001年9月11日、ソ連さえ叩くことができなかったアメリカの中枢を、アルカイダ(国家なき分散型テロネットワーク)に攻撃される『米国同時多発テロ』の攻撃を受けるまでは。

ウサマ・ビン・ラディン率いるアルカイダの散発的・波状的なテロ攻撃によって、アメリカは巨大な図体が邪魔をする『非対称戦争』の泥沼に引きずり込まれ、差別・偏見を含むイスラーム圏との対立図式も強化された。

世界最強の近代兵器と軍隊を誇るアメリカの総力をもってしても、拠点を移動させ情報を統制するビン・ラディンを超法規的にテロ対策特殊部隊の邸宅急襲によって暗殺するまでに約10年もの歳月を要した。首領のビン・ラディンを殺しても中東での潜在的な反米意識に苦しめられ続け、その間に政権はジョージ・W・ブッシュからバラク・オバマに変わっていた。

映画『アメリカン・スナイパー』は、父親から叩き込まれたアメリカの『カウボーイ精神』に憧れ、牧場の下働きをするも夢破れたクリス・カイルが、米軍で最も過酷な選抜・訓練で知られる海兵隊(シールズ)に志願する所から、イラクの戦場の悪夢へと足を踏み入れていく。志願するには30歳と高齢だったクリス・カイルは、上官からじいさんと呼ばれて散々にしごかれるが、幼少期から培ってきた不屈・自助のカウボーイ精神によって乗り切り、屈強な海兵隊の一員となった。

少年時代のクリス・カイルはいじめられていた弟を助けるために、体格の良いいじめの加害者を徹底的に打ちのめして血まみれにするが、父親はクリスを叱らなかった。この父親は、小学生のクリスにライフル銃を持たして狩猟を教える米国の保守派の親父であるが、『銃の武装権+暴力による秩序(暴力なき秩序維持の不可能)・正義の根拠に基づく暴力行使』などアメリカの倫理規範や行動様式のプロトモデルの役割を果たしている。

『この世界で人間は、狼と羊と羊を守る牧羊犬(シープドッグ)の三種類に分かれる。暴力で人を傷つけ支配しようとする強い狼、暴力と脅迫を受けて何もできない無力で弱い羊、そして、冷静に状況を見渡し不当な暴力で羊を傷つけようとする狼から羊の群れを守る(狼よりも強い)シープドッグだ』と父は語った。我が家ではお前を無力で弱い羊に育てているわけではないが利己的で残酷な狼にはなるな、臆さず正義のために戦えるシープドッグになれと子供に生き方の指針を示した。

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貧困で病院に行けない中高年の問題、 ロシア贔屓のトランプ大統領の捜査妨害の疑い

○中高年の貧困は『病気・孤立(離婚)・うつ・食事の乱れ』と結びつく。お金が心配で病院に行けないもあるが、原疾患・うつの悪化でゴミ屋敷になったり健康管理する気力がなくなる影響も大きい。

貧困で病院に行けず、気づけば末期がんに 民医連調査の悲惨な事例

貧困に負けず高額治療費のかかる慢性・重症の病気に立ち向かえる人は、『身体さえ健康になったらまた働いて稼いでやる(医療費くらい元気なら払える)の気迫』がある事が多い。医療費の不安で病院に行けない人は『病気が多少良くなってももう年で稼げない・守るべきものもない』など悲観的認知に落ち込みやすい。

『(経済事情と関係なく)医療を受ける権利』と『生存権』をセットで考えるならば、医療は公共インフラとして無料に近いサービスにならなければならないが、『常備薬程度の最低限度の薬の処方』くらいは無料化できても、『入院や手術・研究開発コストの高い先端高度医療・精密検査』までも無料に近づけることは不可能かもしれない。

医療は社会福祉とビジネスの二つの側面を持っているが、医師や看護師の国家免許取得までのコスト、医療機関の設備・装置のコストなどを考えると、どうしても他の一般的なサービスと比較して高額になる。最低限の医療や軽症の薬・措置なら数千円だが、医療が進歩するほどやれることが増えて追加コストも嵩む。

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