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マルサスの「人口論」から外れた先進国、スーパーボランティア尾畠春夫さんの雑感、AI兵器の倫理問題など

○マルサスの「人口論(1798年)」の有効性は、200年以上が経過して科学と知識が発展した現在では、日本と欧米だけではなく中国においてさえも当てはまらなくなっている。曰く「人口は制限されなければ等比数列的に増大するが、生活資料は等差数列的にしか増大しない」でマルサスは人口爆発が人類を破滅させると考えた。

農本主義のケネーは、現在の消費税増税などを見たら顔色を変えて激昂すると予測されるが、ケネーは租税の増加は必ず国民の収入の増加に準拠していないと、国家経済は破綻するとした。また租税は人間の賃金や諸財に課されるべきではなく、基本的に土地や生産手段が生み出す純生産物にのみ課税すべきという考え方だった。

○尾畠春夫さん(79)の利他(現場で人を助けて共に笑顔になること)を人生の目的・楽しみと一体化させたボランティア精神と生き方は常人の真似るところではないが、ある意味で究極の成功者でもある。

豪雨被害の佐賀に尾畠春夫さん登場 「なんとかせにゃ」 (朝日新聞デジタル – 08月29日 13:06) http://mixi.at/adnD5E0

ただ79歳の尾畠春夫さんの底知れぬ心身のバイタリティーとモチベーションを支えているのもまた、「何歳になっても自分を待ってくれている人・場があること」や「現場に行けば自分に貢献できる何らかの仕事・ニーズがあること」なのだろう。無報酬でやれる人は少ないが「自分を活かせて共に喜べる場」があるのは幸せな事だ。

79歳でこれだけのボランティアができる移動力・体力・健康・気力がある人自体が少ないが、逆にこれだけ健康で被災地支援のノウハウ・経験もあるのであれば、「79歳以降の余生」を家で何もせずに過ごしたり金に飽かせて遊ぶだけで終えるよりは、「誰か・何かの役に立って喜ばれたい」と思う人がいてもおかしくはない。

尾畠春夫さん(79)は、月10万円にも満たないつましい年金暮らしで、若い頃には無頼な生き方で家族に迷惑をかけた云々のエピソードもあったような記憶があるが、「年金を受け取って自宅周辺で何もせずに過ごす・テレビを見たり趣味をしながら一人で過ごす」よりは、「誰かと共に問題を解決する力になる」に魅力はある。

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大塚家具の経営状態が短期間で悪化、 無痛分娩の死亡事故で院長を書類送検!

インスタグラマーの何気ない写真は、今コンテンツ制作会社が高く買い取るほどに価値あるものが増えている。「アマのリアリティ・当事者性・現場感のある写真」はプロでも簡単に撮れないらしい。

プロトラベラーaiaiに聞く!感動を伝える絶景写真の撮り方 (http://mixi.at/af0FBU2)

大塚勝久氏は「商材である家具へのこだわり・高級家具を購入してくれる客層との付き合い方」に娘の久美子氏よりやはり一日の長がある。大塚家具の上得意を逃す経営戦略はまずかった。

苦境の大塚家具 創業者の父が娘、久美子社長にアドバイス「今なら間に合う」 (http://mixi.at/af0doA0)

大塚家具がニトリやIKEAを目指すには時機が遅すぎた。IDC大塚家具というブランドイメージと平均単価10万超ともされた顧客名簿価値を毀損した。久美子社長は客層を選ばない庶民でも気軽に変える家具屋に転換を図ろうとしたが、「対面販売の高度接遇(納得いくまでフォロー)」の付加価値を捨て中途半端になったか。

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生物の運命である「老化・寿命」までも克服しようとする生命科学:科学技術の勝利か神の領域のタブーか

老化は現状不可避な生物の運命だが、最新の遺伝子治療・再生医療では「老化の克服」も研究目標として掲げられ、中期で実現可能とする研究者もいる。先進国の少子化・労働力不足と科学進歩の相克か。

高齢で活力衰える「フレイル」、国内250万人が該当か

本当に人工知能の超人的な(休みなき)解析機能の研究支援を受け、生命科学の加速度的進歩によって「老化・寿命の克服(健康年齢・若さ維持が100歳以上になるなど)」が起これば、人類と国家のあらゆるパラダイム(常識・現実の前提)がオセロのようにひっくり返り革命的社会変動が起こる。人口減少が逆に必要になる。

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新生児の約5%が体外受精で誕生:現代日本でなぜ人工受精率が高まっているのか?、 トランプ大統領とロケットマン金正恩

○人工授精増加の要因は平均初婚年齢・初産年齢の上昇。現代人のライフスタイルや学生期・職業キャリアが20代前半で妊娠出産する事が前提だったヒトの生物的特徴から良くも悪くも逸脱しやすい。

赤ちゃんの5%は体外受精で誕生する時代 ネット民「医学の発展に感謝」

現代人は平均寿命の延長や生活水準の向上、文明・テクノロジーの進歩と共に、「人生早期の妊娠出産という生物学的身体の要請」から逸脱しやすくなったが、社会生活をして道徳規範の影響も受ける人類は、他の動物と異なり元々「自然な動物的本能」だけで出産する事は難しい種である。

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夏の北アルプスの登山で遭難が相次ぐ、 日野原重明さんが死去

○日本アルプスは高山の危険度と登山者数の多さ(人の不完全さ)を考えれば、夏山でも遭難ゼロになる事はないが、それでも登る魅力ある山が無数にある。大半は無雪期の夏山シーズンしか登れず人が集中する。

長野県の北アルプスで遭難相次ぐ 男女2人が死亡

気温がそこまで低くならない夏山・低山なら、派手に滑落して出血・骨折があり数日間ビバークしても救助されたケースは少なからずあるが、打ち所が悪ければ行動不能・即死のリスクもある。『数メートルの滑落』といえば軽く思えるが、2~3階程度の高さからゴツゴツした岩場に落ちるわけで、死ななくても大怪我はする。

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石郷岡病院事件と精神疾患患者の治療方針・入院治療の処遇:原精神疾患の重症度や暴力性にもよるが多剤処方の副作用は恐ろしい

30代精神病患者が職員の暴行で頚椎損傷して死亡した石郷岡病院事件はニュースで知っていたが、当事者のブログを目にする機会があったので考えたことをメモしておく。具体的内容を見ると精神病院の誤診・多剤処方の犠牲者である可能性を疑いたくなるような状況や処置が多い。入院5か月で17種類も処方されているが、精神病か否かさえはっきりせず(初期の診断名と異なってくるなど)診断にも曖昧さが残っている。

http://gunter75.blog.fc2.com/blog-entry-132.html

この被害者の運命の岐路は、大学生時に『気分が落ち込む』というだけで、中堅規模の薬物療法中心の病院を受診したことだった。明確な精神疾患の鑑定診断や危機的な精神状態にあるわけでもないのに、抗精神病薬(メジャートランキライザー)を処方されて、筋肉が不随意に動くジストニアの副作用がでて短期で薬漬けになった。

睡眠導入剤や抗不安薬(精神安定剤)までは、不可逆的な脳神経系の機能障害にまでは至らないが、統合失調症治療薬とされる抗精神病薬は一般に副作用が強く、多剤処方・長期連用によって本当の精神病患者であっても薬の副作用と元の症状の区別は困難になる。自傷他害でよほど追い詰められていない限り安易に服用すべきでない。

気分が落ち込むという主訴で初めは病院に行き、大学をやめて暴力事件を起こしてから、重症の統合失調症扱いにされているが、本人のコミュニケーション能力そのものが著しく低下していて医師とまともなやり取りができなかった、家で激しく暴れていて家族が面倒を見きれないような状態だったなどの理由があるのかもしれない。

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