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イギリスのテリーザ・メイ首相の『EU離脱・緊縮財政・英中友好(英日友好)』の政治をどう見るか?

テリーザ・メイ首相は保守党代表選で対立候補が『EU離脱の難局』に尻込みして棄権したことで自動当選したが、今の英国で保守党大敗が起こった理由の一つは『経済格差・雇用問題』、もう一つは『EU離脱への不安(一発勝負の国民投票の懐疑)』である。

メイ英首相、2022年総選挙後の続投に意欲

メイ首相は欧州統一懐疑派(EU懐疑派)だったが、国民投票に際しては『EU残留の意思表明』をしたものの、応援演説などはせずに推移を静観した。メイ首相の異名は『氷の女王』で、マーガレット・サッチャーの『鉄の女』にも似るが、普段から他の政治家と馴れ馴れしくせず、自分の意見はギリギリまで語らないタイプという。

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内閣府の『国民生活に関する世論調査』では国民の7割が今の生活に満足なのだという…:北朝鮮の脅威・格差拡大・防衛予算増額・安倍政権へ追い風か

安倍政権に追風吹かす北朝鮮のミサイル発射と内閣府『国民生活に関する世論調査』と防衛予算煽る産経新聞か…この調査で現在の生活について過去最高の計73.9%が『満足・まあ満足』と回答、防衛・安保にもっと力を入れろという意見が増加した。今の日本は株価・上場企業・公務員に限れば最後の晩餐で消費も煽られる。

現在の日本はアメリカと並ぶ格差社会になったため、世論調査で日本全体の豊かさや満足の実感の推測は難しくなった。若者と高齢者だけでなく、現役の大手と中小(正規と非正規)、民間と公務員、資産のある家とない家では同じ社会に生きている感覚も薄まる。単純に平均賞与60万以上があるかないかで景気実感は正反対になる。

今の日本の景気は経済指標から見れば良いが、景気が良くてもその恩恵を『実際の金額増加』として実感できる層は、現役労働者でいえば約半分程度に限定される。会社が過去最高益、月給の増額、平均超の賞与があるなどの人か、数千万以上の単位で投資をしている人は、今は景気が良くて旅行にも行きやすい時代と感じやすい。

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従軍慰安婦問題の『日韓合意』による最終的な解決を翻そうとする韓国の問題:過去の日本の謝罪・賠償の意思表示の曖昧さも影響

韓国の日韓併合のトラウマと他力の独立、外交カード化が『反日の国策・教育・民族意識』の背後にあるが、慰安婦問題の最終的解決の日韓合意の後に『朴槿恵前大統領の汚職・弾劾』があったのは不運だった。

「ゴールポスト動かぬ」=安倍首相、日韓合意見直し否定

従軍慰安婦問題の日韓合意は『謝罪』と『賠償』に関する最終的かつ不可逆的な合意とされたが、日本は軍の関与を認め安倍首相名義で謝罪と反省を表明したものの、『賠償金』と規定せずに『元慰安婦支援金』として10億円拠出したため、韓国の保守派議員から賠償金ではないのではないかと突き上げを受けたりもした。

戦後の日韓関係において『慰安婦問題・強制徴用問題』は比較的新しい問題で、少し前まで日本政府の立場は道義的な謝罪はともかく経済的な賠償については、朴正煕政権だった1965年に締結した日韓条約・請求権解決と経済協力の協定で『解決済』とする姿勢だった。当初、韓国自身が慰安婦問題で賠償請求しなかった。

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北朝鮮のICBM(大陸間弾道弾)を用いた対米の瀬戸際外交、 グアムへの威嚇と北朝鮮の要求の曖昧さ

○核弾頭を搭載したICBMは北朝鮮のような人民抑圧の貧困国が『体制維持』を図る手段だが、『国体(体制)』を第一義として国民や経済を切り捨てでも核兵器で抵抗する覚悟を示すので、交渉が通じづらい。

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アメリカが今すぐに北朝鮮の金正恩体制を転覆する意思を示しているわけではないが、北朝鮮の上層部には米国や国際社会、北朝鮮人民に対する『独裁で人民を洗脳・抑圧している負い目(責められたり反逆されかねない要因)』に心当たりがあるのだろうか。米国が何もしてなくても一人で怒りミサイル発射や宣戦布告で威嚇する。

北朝鮮が何を要求しているのか分からないので、決定的な交渉による軍事的緊張の緩和ができないというのは政府・外交筋から漏れる不満であるが、北朝鮮自身も米国や日本に対して何を要求したいのか分からなくなっている恐れがある。北朝鮮人民や国際社会に対して胸を張れない体制をずっと維持していきたいが中心にある。

北朝鮮が国体護持に固執するのは『一億玉砕』を掲げた旧大日本帝国とも似るが、天皇と金正恩では『権力の直接性・歴史的権威』が大きく違うので、旧日本は国体が壊れても天皇は処刑されなかったが(国民支持も大きく失われなかった)、金正恩や労働党・軍の最高幹部は殺される恐れが強い。それも体制へのこだわりになる。

北朝鮮は侵略戦争はしてないが、恫喝外交・核開発によって『国体が引き起こす独裁支配・人権侵害・情勢緊張を今後も見逃してくれ(国内の体制や支配にどんな問題があろうと外部が口を出すな=国家主権は絶対)』という暗黙の要求をしている向きもある。口約束で体制保証しても、自分がならず者だけに信じられず核に頼る。

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フランスとイギリスがガソリン車の販売禁止へ向かう、 インドの紅茶の名産地ダージリンで長期ストライキ

フランスとイギリスが、近い将来に『ガソリン車の販売禁止』に踏み切ると宣言して自動車業界の地殻変動を起こそうとしている。環境戦略・正論主張によって世界での影響力を高めようとするEU主要国は、エコカーシフトによって欧州車のシェアの引き上げを図るが、日本の自動車企業はハイブリッドは強いがEVではどうか。

2040年代を目処にした『ガソリン車・ディーゼルの販売禁止』が『電気自動車(EV)のみ許可』か『ハイブリッド車も許容』かによって全く状況は違ってくる。動力を電力・充電だけに頼るEVだけというのは現実的なのだろうか。ガソリンも使うハイブリッド・PHVなら自家発電できるが、EVは電力不足で止まるリスク。

電力で動く車がガソリン車より環境負荷の低いエコカーなのかという根本問題は『発電形式』も関係する。フランスは電力の8割近くを原発に頼る原発大国で、原発をクリーンエネルギーと位置づける国だから火力発電率の高い日本や米国とは比べられない。原発はCO2は出さないが、最終処分困難な放射性廃棄物を出し続ける。

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エマニュエル・マクロン大統領、フランスで史上最年少のリーダーが誕生:フランスの抱える政治経済の難問にどう対処していくか

エマニュエル・マクロン大統領はフランスのみならずEU全体でも史上最年少のリーダーになる。極右のルペンを選んで『EU離脱・移民排斥』となればEU情勢と世界経済は混乱しただろう。共和党も社会党の二大政党はついに大統領を擁立できなかった。

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フランスはフランス革命・王政崩壊・ナポレオン帝政への逆行を経験した民主主義国家の原点ともされるが、革命後に『自由・平等・友愛の民主主義』の憲法を議会で制定した後も血で血を洗う民衆蜂起・政治闘争が続いた。EU・移民・グローバル化で国民国家の枠組みは変わり、『フランス人とは何者か』の定義も変わるか。

右派の共和党や左派の社会党の二大政党以外から大統領が誕生するのは1958年の第五共和制以降では初めてだ。マクロンは高校時代の教師で24歳も年上のブリジットと結婚したことでも話題になったが、15歳時に出会った既婚教師と結婚する思いを本当に遂行する意思の強さ・感情の維持からして常人ならざる人でもある。

フランス国立行政学院(ENA)は、仏では政治的エリートの登竜門だが、マクロンの経歴は『会計検査院・ロスチャイルド銀行・オランドによる抜擢と経済産業デジタル相・規制緩和のマクロン法』である。自由市場主義に見えるが、公約には500億ユーロ規模の公共投資、低所得者の社会保険負担削減等の政策もある。

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