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読書をする理由と近代以前の『読書人階級』のエリート文化:近代的な教養主義は衰退したけれど。

○古代中国で『士』と呼ばれた読書人階級は『官吏・有徳』だが、識字率の低い時代・社会では読書は野蛮・無知でない知的権威・階級意識もあった。現代は識字率はほぼ100%だが、言語運用・前提知識・語彙の差はでる。

漫画「なぜ読書をしなければいけないの?」 読書家母の回答を図書館司書たちが絶賛

読書を全くしないからといって不幸になったり損をしたりするわけではないが、読書量・前提知識の多い人との『ユーモアや教養の絡んだ会話・言語的なメタファーの理解』ができない恐れは出てくる。また文化階層によって『知っていて当たり前の定番の本・理論・用語』があり、読書によって得た知識が役立つこともある。

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今上天皇の譲位(退位)可能な法改正のご要望:古代・近代の天皇制の歴史・国民の支持率の高さについて

近代天皇制は戊辰戦争で『錦の御旗』を掲げた薩長の政治利用と現人神化・一夫一婦制採用に始まり、『男系の皇統維持・天皇個人の限界への配慮』に問題も多い。譲位も戦後より早く議論されるべきだった。

<陛下>「変わらぬ形を」 おことば公表前、学友に打ち明け

敗戦時、米国議会では昭和天皇を最大の戦犯として軍事法廷にかけ処刑すべきの意見も出たが、当時の日本の国体・主権の中心にある天皇を害した後の『占領統治の困難・徹底抗戦のテロリズム』を警戒し見送られた。日本の天皇制は外国の君主制より庶民の国民アイデンティティと国親の象徴、歴史の一貫性に根を下ろしていた。

日本の教育制度(日本史の歴史教育)にも組み込まれた天皇制は『日本人とは何であるか?』という日本国民の半ば歴史・半ば神話的創作の自己アイデンティティと水面下で結びつき、意識化しなくても天皇制廃止に不安感・喪失感を感じる国民はかなりの割合になる。日本は共和主義的・革命的・脱神話的な自意識にはなりづらい。

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なぜ洋式トイレばかりになり、和式トイレが衰退してなくなろうとしているのか?:現代人の視覚・嗅覚の潔癖症化

洋式トイレは座れて楽なのもあるが、排泄物が便器の外に漏れる事がまずなく、視覚的な不快感がない。和式トイレは一定の確率で便器や周辺が汚れやすく、公衆トイレだと汚した人が後片付けをせずに放置するマナー違反が多いので嫌がられる。

和式トイレが衰退した理由を専門家に聞いてみた

公園・駅で清掃管理が行き届いていなくて設備も古い和式トイレは、視覚的にも嗅覚的にも酷い惨状を呈していることが多い。よほど切羽詰ってないと使わない。現代人は潔癖性やビジュアリズムの影響を自然に受け、『視覚など五感を刺激する不潔感・不快感への耐性が一般に弱った。心理的だけでなく嘔吐反射も起こりやすい。

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寿司を食べる順番と保存食(発酵食)からの鮨の歴史

回転寿司が普及してから、寿司の高級感・特別感がかなり薄れてしまった感じがするが、最近は以前カウンター式の高い店だったところが、回転方式に鞍替えしていたりもする。スシローやくら寿司、かっぱ寿司とかの大手チェーンは、一皿100~200円くらいの画一的な料金の安さを売りにしているが、(十分に美味しいし季節のオリジナル商品の面白さもあるけれど)ネタや味はそれなりといえばそれなりではある。

みんなどうしている?お寿司を食べる順番

回転寿司でも一皿300~500円以上の高い皿があるところは、カウンター式と殆ど変わらないお高い料金になるが、ネタもかなり高級なものや珍しいものが置いてある。

福岡県だと門司港とかトリアス久山とかにある『玄海』という回転寿司チェーン(店舗数は少なそう)がそういったやや高めの回転寿司だが、百円の回転寿司と比べるとマグロや車海老、ウニ、エンガワなどが分かりやすいが(100~200円でもウニは食べられるが種類・質・鮮度は必然的に劣る、季節や仕入れの都合で置いてない場合も多い)、ネタの良さはかなり違う。

寿司の食べる順番というのは余り意識したことはないが、僕は『通』でもないので
、マグロ(赤身)・サーモン・エンガワ・ウニ・イクラなど結構好きなものから食べて、最後にあっさりした白身や細巻きを食べるという感じで記事とは逆になっているな。アジやイワシ、サバ、カツオといった光り物(青魚)も好きなので、マグロやサーモンと交互に頼んだりするが、貝類・エビ・イカもアクセントとして一品は食べたくなる。

回転寿司でも、茶碗蒸しとか汁もの(あら汁)とかと合わせて食べて、最後はわらび餅とかアイスとか簡単なデザートも頼んだりする。皿数でいえば12枚以上食べることはまずなくなった(そんなに量を食べられなくなった)ので、食べたいネタをある程度厳選してから食べてはいるが、そうなるとかっぱ巻きや新香巻きといったものが後回しになって食べたいけど食べられなくなりやすいw

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石原さとみの「無防備さ・純粋さ」を賛美した記事の読み解き:日本文化にある「粋(媚態)の構造」

石原さとみも深田恭子のように後で化けたタイプと感じる。芸能人は自分の魅力を陶酔的・説得的に語ってくれるファンを増やすのも仕事。ファン向けの魅力語りの記事だが、記者が無防備な清純派のイメージがとにかく好きな事は伝わった……。

石原さとみ、セクシー評価の本質 艶めかしく映る無防備さ

石原さとみは清純派というよりは「見られている自分のイメージ」を制御するぶりっ子な感じのほうが強い。芸能人という外見とセルフイメージを売る人気商売を選んだ人が、ありのままの「無防備・無邪気」という事は有り得ず、「自分が可愛く(綺麗に)見える表情・態度・話し方」等はキャリアの中で研究し尽くしているもの。

「失恋ショコラティエ」は殆ど見てないが松本潤と石原さとみのファン層に訴え掛けるカメラワークとストーリー展開であり、二人の外見的・(役柄の上での)性格的な魅力を引き出すための工夫がある。好きな俳優ありきの作品ではあるが、AKBと同じく石原さとみも「親しみのある庶民らしい可愛さと色気の演出」の人気かも。

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楽天が鯨肉の販売を禁止:国際的な反捕鯨運動の高まりに合わせ始めた日本のIT企業

福岡県のスーパーでは鯨肉は普通に売られている事が多い感じがある。鯨のベーコンや塩鯨、おばいけは概ね298~398円でそれほど割高な食材でもないが、日本人でも米食と連結した鯨食文化は衰退傾向。

鯨食、逆風強まる 楽天が販売禁止、敬遠する飲食店

鯨肉、特に塩漬けの塩鯨はどう調理しても、トーストやパスタ、豆の欧米風の食文化とは相性が悪い。『現在残っている鯨食文化圏』は、鯨の絶滅危機や倫理的問題だけではなく食・味の嗜好の面でも拡大できる可能性があまりないのが難しい所。どう主張しても、わざわざ鯨を食べなくても…という前提が反捕鯨国からは抜けない。

塩鯨のお茶漬けは、数ある茶漬けの中でも鯨の油との相性が生み出す特別な美味さがあるが、その味をそもそも米を食べない反捕鯨国の人々に受け入れてもらうのは不可能に近く、お茶漬けのような食べ物自体を必要としていない。独特な鯨の油の香りは、欧米圏の平均的な食文化では、『嫌な臭み』として知覚される。

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