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滑落して一週間の遭難から、74歳の登山者が生還:登山計画と各種の遭難・遭難死のリスク

74歳で北アルプスを単独登山できるのは並の体力・健康度の高齢者ではないですね。計画の甘さは、年齢・体力に照らして活動時間・歩行距離が長かったのだろうか。一週間の露営で生存は身体が相当強い。

生還74歳「感謝でいっぱい」=「計画甘い」反省も―富山

登山中の長期遭難による生還・死亡の経験談は多く残されていて、ヤマケイ文庫などで書籍も出版されているが、生還できるか否かの分岐点の第一は『怪我の程度』と『季節・気温・天気』である。第二は『パニック状態になって無駄な動きをしないか(ルート探索で更に怪我をしないか)』、第三に『非常食・装備』が来るだろう。

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母親の遺体を放置した55歳の長男が逮捕、 福岡県古賀市の大根川で父子三人が流され救助者も死亡

○健康な人でも80代以上は老衰による多臓器不全・心不全の突然死リスクはあるので、子と同居しているならまだ元気なうちに『死後に救急車・親族・葬儀会社に必ず連絡する事』は話し合って確認しておくべきだろう。

母親の遺体放置した疑い、55歳の長男逮捕

7月下旬からの放置で日にちもそれほど経っていないことから、年金不正受給が目的とは断定できないし、きょうだいがいるのであれば遠からず『母親の死』が露見することは予想できただろうから、『茫然自失・無気力・判断停止』に陥っていたのかも。50代は強いストレスや自信喪失があると気力・思考力は低下しやすい。

よほどの資産・貯蓄がなければ、50代で独身・無職の状況は客観的に見て厳しく、『どんな仕事でも前向きにこなそうとする姿勢』がなければ行き詰まる。高齢の母の介護生活に終止符が打たれ、不正受給の意図はなくても、『これから自分はどう生きていけるのか』を考えた時に選択や気力が無いように感じられた可能性がある。

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ナイアガラの滝に二度目の飛び込みをしたカーク・ジョーンズさんが死去、 高齢化社会における『無届の有料老人ホーム』の需要増

〇カナダ国境のナイアガラの滝に救命具なしで飛び込むチャレンジで生還したアメリカ人のカーク・ジョーンズ氏。二度目のナイアガラの滝への飛び込みで死亡したニュース。欧米の冒険家・危険行為に挑むエンターテイナーのリスクテイクは常軌を逸している…白人は遺伝子的にもリスク対成果で興奮する脳内の報酬系が強い人が多いとはいうが。

カーク・ジョーンズ氏は2003年にナイアガラの滝への飛び込みに成功して命からがら岩にしがみついて生還したようだが、14年の歳月を経てなぜ再びナイアガラの滝に飛び込みたい衝動を抑えきれなかったのかは謎だ。一度目は空身で飛び込み、死亡した二度目はビニールのウォーターボールの中に入って飛び込んだという…。

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栃木・那須のスキー場での雪崩死亡事故とリスク管理の甘さ:雪山登山やアウトドアに一定のリスクはあるが

自分だけの登山・訓練ならまだしも、教え子の命を預かる状況では軽率な判断である。悪天候で茶臼岳の往復登山の実技講習を中止はしたが、何もせずに帰る事を忌避する登山者の傾向が事故を招いたか。

<那須雪崩>歩行訓練開始判断が焦点 県高体連詳細把握せず

遠征登山で遭難事故を起こす原因の一つに『せっかく時間・お金をかけて現地まで来たのに何もできず手ぶらで帰るのは嫌(天気は悪そうだがギリギリ大丈夫)』という物惜しみもある。冬山は特に気象条件が悪ければ撤退が原則だが、『登山で斜面を登らず、麓付近の樹林帯でラッセル訓練なら何とかいける』の見通しが甘かった。

新聞記事の詳細な時系列では、前日午前に既に翌日の『大雪・なだれ注意報』が出ていた。午前2時には積雪2センチで降ってないが、午前6時には積雪24センチ、一晩で大量の雪が降った。わずかな温度上昇で表層雪崩が起こりやすい、上に柔らかい雪が積んだ状況になっていた。スキー場の麓近くでも雪崩は来る。

自然の冬山は危険だが、人工的に圧雪管理されたスキー場なら比較的安全という意識は根強いが、この登山講習が行われた時にはスキー場はシーズンオフで、雪面のチェック・管理の作業は行われていなかっただろう。3月の気温変化と一晩での大雪、当日の吹雪、斜面下のラッセルの条件から、スキー場に出る事も危なかった。

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動物園の人気者の動物が減少、新たな希少動物の輸入は難しく:ワシントン条約と野生動物(絶滅危惧種)・生物多様性の保護と人間

野生動植物の輸出入を禁ずるワシントン条約が決定打となり、珍しい動物を見たいニーズを優先して運営できた時代は終わった。動物園・水族館は『施設・自国に今いない動物種』の再輸入は困難である。

動物園の人気者が急減中 輸入厳しく「種の保存」必要に

中国のパンダ外交のように、野生動物が生息する主権国が輸出販売ではなく友好・好意・政治的意図から譲渡・貸与する方法は残るが、パンダ・ゾウ・キリン・コアラ・ホッキョクグマ・ラッコなどの希少動物を現時点から日本国内で大幅に個体数を増加させることは著しく困難か不可能で、また現代での動物園需要も大きくない。

施設内の交配促進によって、『希少動物の種の保存・個体数の維持増加』を図ることも動物園・水族館の目的であるが、自然環境下より妊娠率が低くなったり(交配自体行わない雌雄も多く)赤ちゃんの育児放棄のリスクもある。野生動物が棲息するアフリカやアジアでも乱獲・開発によって大型の希少動物は個体数を減らしている。

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那須温泉ファミリースキー場で、春山登山講習中の高校生ら10人が雪崩に遭う:雪山・ゲレンデの危険性と雪崩注意報の重視

那須温泉ファミリースキー場という人工的に整備されたゲレンデでも雪崩は起こるが被害規模が大きい。現地の表面の雪の観察だけでは安全確保は困難で、気象庁の雪崩注意報に慎重な判断で従うべきだった。

<雪崩>高校生ら遭難6人心肺停止4人不明 栃木のスキー場

厳冬期の登山が一番危険とはされるが、残雪・シャーベットの部分と新たに降り積もった部分が交じる3~5月の北日本の雪山は『表層雪崩・アイゼンが抜ける滑落』が怖く、確実な安全登山はやりにくいように思う。5月のGWですら日本アルプスや北海道の残雪の山では毎年のように雪崩・滑落の絡む遭難事故は起こるが。

恐らく登山部かワンダーフォーゲル部とかで冬山登山に熱心な高校生も多かったと思うが、春山安全登山講習中にもっともリスクを考慮すべき雪崩遭難に巻き込まれたのは不運だ。降雪状況から雪崩注意報が出されていたならば、指導者のガイドか学校教員が安全登山の練習なのだから念を入れて中止してほしかった。

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