「社会」カテゴリーアーカイブ

福岡博多の原三信病院へのタクシー突入事故、ブレーキ異常は見つからず,  大分で行方不明の2歳女児が無事発見されるなど

〇タクシー運転手の踏み間違えなのか、プリウスの回生調整ブレーキの欠陥なのか、詳細な解析を待たなければ分からないが、300mもブレーキが反応せず制止できない欠陥があれば致命的なものになる。

病院突入のタクシー、6月に車検合格 定期点検異常なし

2010年に同じプリウス30系のブレーキのリコールがあったが、『ABS作動時のブレーキの効きの遅れ・弱さ』に対応するもので、プログラム修正が行われたという。ユーザーの不具合報告で走行距離が10?20万キロ以上など長くなると、制動距離が延びるといった問題も指摘されているようだが、事実関係は不明だ。

ブレーキが効きにくい不具合は、どんな車種でも整備不良やパーツの経年劣化で起こり得る問題だが、プリウスなどのハイブリッドカーのブレーキでは『コンピューターによる電子制御』があるので、物理的なパーツやブレーキ液の問題だけでは分からない部分がある。人間の操作も記録されたイベントレコーダーの解析が待たれる。

ブレーキが効かないという状態が、具体的にどんな状態なのか報道はないが、ブレーキペダルに反力(踏み応え)があったかなかったかでも故障の種類は変わる。防犯カメラでブレーキランプの点灯が確認できれば、踏み間違えの有無は判断できると思うが、サイドブレーキを踏むかPボタンを押せばもう少し速度は落ちていたかも。

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千葉大医学部の集団暴行事件:なぜ将来性のあるエリート候補の医学生や医師が性犯罪をしてしまったのか?

医学部生だけでなく指導役の研修医までわいせつ犯で逮捕されるのは前代未聞だが、高学歴者や知的能力が高いから『モラルが高い・女性にモテる』でもなく、高いプライド・権威を欲求不満でこじらせる人もいる。

<準強制わいせつ>千葉大研修医を逮捕 学生実名も公表

知的能力が高いのに、すぐに露見して全てを失う幼稚な準強制わいせつなどを実行する愚劣さはなぜなのかとも思うが、勉強・医師免許(国家資格)以前に『男女の恋愛関係・性的関係のプロセスのまっとうな進め方(女の口説き方)』くらいは経験的に学んで断られたり振られたりの嫌な思いもしながら試行錯誤でやっておくべき。

泥臭さというか、自分の存在・魅力をいったん否定される(努力しても好みの女性にまるで通じず他のイケた男にさらわれる等)トライアル経験ができないのも、医師になる人並み以上の自分が拒絶されるわけにはいかないという肥大した権威的自己像が影響する。特別なイケメンか対異性のコミュニケーションの達人でもない限り、若い時期、魅力ある女性より優位かつ確実に事が運べないのは常態と思っていたほうが良い。

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島根県女子大生殺人事件で容疑者死亡のまま書類送検:動機・状況など真相は分からず

2009年10月に島根県立大1年平岡都さん(当時19)がバイトの帰路に行方不明となって、広島県の臥龍山中で切断された遺体が見つかった残忍な事件は、当時は相当に大きな扱いで長期間にわたってメディアで追跡報道されたので記憶に残っている。

何度もテレビ放送された防犯カメラに映っている被害者のボーダーの服装は印象に残りやすく、連れ去りや誰かと一緒にいる場面などの目撃証言を得るためシラミつぶしの聞き込みが行われていた段階では、遠からず解決する型の事件にも思えた。

しかし、目撃証言や被害者周辺の人間関係のトラブル(恋愛問題・ストーカーなど)は結局一件もなく、有力な情報提供に300万の懸賞金まで懸けたがそれでも犯人に結びつくような手がかりは得られなかったようだ。警察は捜査網を島根県を超える広島県・山口県にまで広げて、被害者の女子大生にわずかでも関係や接点がある人は一人も残さないほどの人海戦術の事情聴取を行ったが、犯行に関係したと疑えるような人物には一人も行きあたらなかった。

事件は迷宮入りの様相を見せて、次第にマスメディア報道の頻度も減り、いつの間にか話題にも上りにくくなっていたが、7年後に意外な形で犯人の存在が明らかとなった。報道されている限りでは、容疑者とされる島根県益田市の会社員(33)は平岡さんとの接点(過去に会ったことがある・連絡していた形跡がある・ストーカーをしていたなど)はなかったとされ、夜道での行きずりの拉致監禁に近いような型の犯罪だと見ているようだ。

容疑者とされる会社員の名前は矢野富栄(やのよしはる)だとネットでは既に明らかになっていて、中国道の交通死亡事故の2009年11月の記事を検索すれば誰でも分かる状態になっている。新聞報道がこぞって名前を出さないのは、本人が死亡していて書類送検しても不起訴になってしまうからで、一方的な状況証拠だけしか出せない以上、法的には不起訴で有罪判決を受けない容疑者の段階に留まり、本人に抗弁権もないという判断からだろう。

被害者の遺体が見つかった2日後の2009年11月8日、容疑者は母親を乗せた車で山口県の中国自動車道を走行中に車が全損して炎上する死亡事故を起こしている。目撃者によると相当なスピードでガードレールを左右にぶつけ続けながら走行していたにも関わらず、ブレーキ痕が皆無であったことから概ね犯罪発覚とその後の社会的制裁を恐れた逃避的な自殺・心中事件だと推測される。

容疑者は一度は警察が来て何か知らないかという大雑把な事情聴取をされたというから、自殺した理由として警察が自分の職場か地域かにまで聴き込み調査に来た(遠からず自分が犯人であることが露見するのではないかとの不安が強まった)ということも考えられるかもしれない。

警察は当初から捜査範囲を県内全域の広さくらいまで取っていたので、浜田市と隣接する益田市の容疑者の地域にまで警察が来ること自体はおかしくないが、どうして容疑者が軽い聴き込みをされたのか(特別に疑われてあれこれアリバイなどを聴かれているわけでもなく、形式通りの何か知っていることはないかだけの質問だったかもしれないが)の理由は明らかにされていない。

島根・広島両県警の合同捜査本部が書類送検する方針を決めることになった決定的証拠は、『行方不明後の平岡都さんの画像ファイル(33歳の容疑者の遺品とされるデジタルカメラに記録されていた写真)』だとしているが、写真の日時のデータや平岡さんの様子・状況などからこの33歳の容疑者が犯人だと断定するに足るものなのだろうが、被害者・遺族への配慮から詳細は公表されない可能性が高い。

この事件は、何の落ち度もない女子大生が突然連れ去られるなどして殺されたという残酷な事件であるが、それと合わせて遺体損壊や死後の遺体の扱い(遺棄のために切断するだけでなく不必要に刃物・火で傷つけられた痕跡があったとされる)などに猟奇的な異常性が見られたことでも話題になった。

だが、本人が処罰から逃避するように交通事故で死んでしまったことで、『事件の動機や連れ去り後の状況・異常心理の解明』については今後も不可能になってしまい、真相不明のままになる非常に後味の悪い事件になったように思う。

常識的に考えれば、動機は若い女性を標的とした広義の性犯罪ということになるだろうが、容疑者が行動し始めた当初から平岡さんだけを狙っていたのか、若い女性であれば特定の人物でなくても良かったのかの違いはあるし、初めからナンパ(夜間に女子大生に声かけして車に乗せようとする事案は周辺で複数回起こっていて大学が注意喚起していたという)や性犯罪を超えて殺害することまで考えていたのか否かでも事件の様相は違ってくるが、容疑者死亡で誰にも犯行を口外していないため、犯行時の具体的状況が明らかにされることはない。

常軌を逸した遺体損壊の状況だけを見ると、非常に凶悪で残酷な大胆な人物像も浮かぶが、見方によっては中途半端な遺体損壊の状況は、逆に完全に遺体を切断したり焼いたりしきれないその場からすぐに立ち去らずにはいられない『臆病さ・小心さの逃避心理』の現れとも解釈できる。実際、遺体発見後の2日後に自殺と見られる交通事故の死に方をしたように、この容疑者のパーソナリティーの基本は『小心さ・無責任・衝動性(殺人も自殺も極端な衝動)と逃避傾向』だろう。

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なぜ洋式トイレばかりになり、和式トイレが衰退してなくなろうとしているのか?:現代人の視覚・嗅覚の潔癖症化

洋式トイレは座れて楽なのもあるが、排泄物が便器の外に漏れる事がまずなく、視覚的な不快感がない。和式トイレは一定の確率で便器や周辺が汚れやすく、公衆トイレだと汚した人が後片付けをせずに放置するマナー違反が多いので嫌がられる。

和式トイレが衰退した理由を専門家に聞いてみた

公園・駅で清掃管理が行き届いていなくて設備も古い和式トイレは、視覚的にも嗅覚的にも酷い惨状を呈していることが多い。よほど切羽詰ってないと使わない。現代人は潔癖性やビジュアリズムの影響を自然に受け、『視覚など五感を刺激する不潔感・不快感への耐性が一般に弱った。心理的だけでなく嘔吐反射も起こりやすい。

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日本の格差拡大・経済階層とトマ・ピケティの『21世紀の資本』:日本で資産1億円超の富裕層増加

昭和期には高度経済成長が見せた一億総中流の幻想があっただけで、元々日本には一定の経済格差がある。数十億円以上の資本家・創業一族(政官財の有力者一族)・財閥系の巨額資本は崩れておらず、先祖代々の超富裕層の顔ぶれも大きく変わっていない。

資産1億円超の「富裕層」が増加中、なぜ?

確かに昭和期の学歴・就職による階層流動化はあったが、それは庶民が一流大学に行き大企業の社員や官庁の公務員となり40年間勤め上げれば、この記事でいうアッパーマス・準富裕層になれる流動性である。政官財の歴史・資本・人脈に張り巡らされている閨閥のある富裕層以上にまで上れる庶民など数える程しかいなかった。

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現代人の名前は漢字・読み・音の響き(格好良さ)にこだわる名前が増えた:個人主義と言霊思想

現代人の難読・当て字・奇抜な名前は『キラキラネーム』と揶揄されるが、音韻・漢字(字義)のセンスとして昔より『個人としての卓越・洗練・幸福・美形と結びついた主人公感』をイメージさせるものになったのだろう。

2016年生まれの子どもの名前、「大翔」「葵」がトップに~明治安田生命調査

なぜ昔も太郎・久・花子・良子とか亀・鶴・サダとかじゃなくもっと『格好の良い響きと意味を持つ名前』にしなかったのか、支配階級さえ単純で凡庸な響きや漢字の名前が多いのはなぜかの問いも逆にあるが、20世紀後半まで『個人主義の差異化の価値観』はなく『悪目立ちや名前負けを忌避する身分制・世間体』も強かった。

現代人の名づけはある種の『個人主義化された言霊思想』であり、良い意味と響きの名前をつければつけるほど子供が人並み以上に幸せになり成功したり不運を避けやすくなったりするという願いが込められている。『他者との差異化+個性と良い運命の表現』を追求しすぎて、格好良い響きと漢字のルーティン化に至った感もある。

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