古代ギリシアのソクラテスや古代中国の孔子、聖書のイエス・キリストの昔から、自分ができていないことで他人を責めるな(自分ができないことを他人に強いるな)という『知行合一の徳性・ノブレスオブリジェの自覚』が語られてきたものだが……現代の政治家・権力者の語る道徳論や人生論の多くは『俺(私)だけは特別扱いせよ・一般国民はもっと刻苦勉励(自己規制)せよ・自分はできないがそれは問題ない(詳細の回答は拒絶)』というダブルスタンダードの厚顔無恥を隠そうともせず、自信満々の発言に自分が率先して反するような行動をして自滅している。
男性の育休取得率の増加を政策課題に掲げた自民党の宮崎謙介元議員は、育休を取りながら妻の出産直前にタレントとの不倫・自宅密会に勤しむというギャグのような不倫行為で自滅して議員辞職した。
育休中も税金から歳費(給与)全額が支払われる国会議員の特権性を考えれば、支持者でもない有権者に対する違背でもあるだろう。当然、男性の育児参加(イクメン増加)とか育休取得率の上昇とかいう政策目標についても、発言と行動の大きなズレによって説得力が皆無となる。
『保育園落ちた、日本死ねブログ』が話題になっている時、前杉並区長の山田宏氏が『まぁ落書きですね。産んだのはあなたでしょう。まずは親の責任』という発言をして物議を醸した。
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不正な検査方法によってカタログ値を実際よりも良く見せかける捏造は、少し前にも独VW(フォルクスワーゲン)のディーゼルエンジンの排ガス不正問題の事例があった。排ガス不正問題は、トヨタと世界トップの販売台数を争っていたVWの世界販売台数に大打撃を与え、高額な賠償金・制裁金による損失も数千億ドルの莫大なものになった。
燃費不正の誘因として『燃費・今風を売りにしたハイブリッド車の普及率増加』があり、トヨタのアクアとプリウスが常に国内販売台数のトップを占める中(プリウスは車格が大きく本体が高いため新型発売からしばらくすると若干順位は落ちるがアクアはほぼ不動のトップにある)、非ハイブリッドのガソリン車(特に新車市場)は燃費競争において非常に苦しい位置づけにある。
軽自動車にはハイブリッドはないのだが、ここ数年は軽自動車の大型化・ラグジュアリー化(質感アップ)が進んでおり、本体価格(ホンダのNボックスなど高いモデルにオプションをつけると軽でも200万を超えてくる)がハイブリッド・普通車よりも圧倒的に安いというメリットを失ったため、『軽自動車間の競争激化』と『ハイブリッド・普通車との競争激化』の二つの波に晒される。
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NGO『国境なき記者団』が発表した『報道の自由度ランキング』のトップ5は、フィンランド、オランダ、ノルウェー、デンマーク、ニュージーランドだった。いずれの国も国際政治・国内政治におけるしがらみからの自由度が高く、国家機密の隠蔽を強制するような法的制約も弱いため(裏返せば国際的な政治経済状況におけるプレゼンスが弱いため)、報道に対する内外の圧力に屈しない姿勢をメディアが維持している。
北欧を筆頭とするEU諸国は、政権・政党・宗教や国際情勢におもねらない中立的視点からの多角的な報道姿勢、聖域を減らしリスクを覚悟した取材の裏付け、できるだけ多くの情報をオープンにしてから議論にかけるジャーナリズムが評価されている。
日本は今回のランキングでは、11位ダウンして180ヵ国のうちの72位だったが、『特定秘密保護法案(罰則つきの取材・報道の牽制)・政権与党の圧倒的優位及び政権長期化(野党・批判勢力の弱体化)・政治的裁量によるメディア規制検討の高市発言』がマイナス要因として働いている。
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自民党の小泉進次郎氏が『2020年以降の経済財政構想小委員会』で、社会保障制度改革について意見を述べた。『人口減少を強みに変える新たな社会づくり』として、高齢化率は現役世代の定義を『18~74歳』に変更すれば下げられるとしたが、生涯現役で年金支給開始を75歳に延長したい思惑もあるだろう。
参院選から選挙権年齢が18歳に引き下げられる事を前提に、『高齢者給付の社会保障』から『全世代型・応能負担・若者支援(育児支援)の社会保障』への転換を掲げた事は評価したいが、『現役世代の定義変更・原則老後なしの生涯現役』は若者世代も支持しそうにない。生涯現役なら社会保険料負担の減額とセットで論ずべき。
確かに現代日本における65歳は『老人』と呼べるほどに老いて、何もできないほど無力化しているとは言えず、戦前戦後の1940年代と比較して平均余命は10歳以上延びた。『老後の社会保障費』は医療・介護・年金・高齢人口増によって支出が増える一方で、無所得で悠々自適の年金生活の前提は既に半ば崩れている。
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スマホの聞きなれない音が鳴り、『緊急地震警報』が入った。熊本県熊本市で最大震度7の地震が起こったようだ。福岡県は震度3~4だったが、短時間だが結構揺れを感じた。阿蘇の震度5より熊本のほうが震度が大きいので、阿蘇山や霧島連山の噴火リスクなどと直結する地震ではないのだろうか。体感のある地震は久しぶりだった。山口県まで揺れたようだが。
九州中部に居住している人は、引き続き警戒が必要だと思いますので、十分お気をつけください。震度3~4まではそれほどの恐怖やパニックを引き起こさないが、震度5からは体感の揺れだけでなく室内の家具転倒、建物の倒壊もでてきて冷静な判断も難しくなる。熊本内陸部が震源のようだが、余震が起こらないことを願います。
昨日午後9時26分発生の熊本の地震は、阿蘇山に近い益城町で震度7を観測した。熊本市・玉名市で震度6。九州地方の震度7は1923年からの観測史上初という。死者も9人出ており被害が懸念される。
強い余震続く、死者9人に=重軽傷770人、3万3千人避難―熊本
熊本県益城町は震度7、マグニチュード6.5の大地震に見舞われたが、南北方向に断層が横に動いた『横ずれ断層型』の地震だという。地震のメカニズムは一般的な型だが、震源の深さが11キロで浅かったため震度が大きくなり余震も多くなる。熊本県内には南北101キロを縦断する布田川・日奈久の活断層帯が走っている。
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現代には『貨幣経済(お金を稼ぐ)』と『評価経済(人から好かれる)』の二つの側面があり、高収入の中高年男性は前者で優位だが後者で不利になりやすく、地位・経済力と主観的満足がズレやすい。
意地悪ニッポン “炎上”主犯は「高収入だけど満たされないオジサン」
『昔の日本』が『今の日本』より倫理・治安・マナーが良かったわけではないが『相互扶助・存在認知の地域コミュニティ』が機能していて『中高年男性の居場所や自尊心(他者の関心・敬意)』が家父長制や女性・妻の持ち上げ、企業コミュニティ等で担保されていた。現代は経済・仕事・男と愛情・承認の結合は弱まった。
豊かになったから他人に意地悪になって攻撃するという因果関係はなく、ただネット社会になって『個人の主張・意見を不特定多数に発信できる場』が増えただけだろう。全体の約1%しか炎上に参加しない事もその裏付けだが、現代は『意地悪化』よりどちらかというと『メリット・興味のない他者への無関心化』が進んでいる。
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