日本やドイツは『遅れてきた近代国家』で、『民間市場の小ささ(国策の工業依存)・国民の貧しさ・国民教育(国家の為の人)・対欧米列強』で強い政府・権力が推進する帝国主義・戦争が不可避になりやすい面はあった。
天皇陛下、「深い反省」再度表明=終戦記念日 (時事通信社 – 08月15日)
平均的な現代人からすると、なぜあそこまで国家・元首(天皇)・戦争に一般国民があれほど熱狂し賛同したのか分かりづらい。国民教育やプロパガンダの影響もあるが、根本にあったのは『世界恐慌・アイデンティティ固定・国民の貧苦と格差』で、富国強兵・帝国主義の夢と一体化で自己イメージ・存在意義を拡張しやすかった。
貧しさや孤独、将来悲観は人間を惨めに弱気にする。近代国家の国民を一つに束ね外敵と権益を奪い合う戦争機械の役割は、『正義・強大・理想を体現する国家』に自己アイデンティティを重ね合わせることで『国民の平等・目的の意識』を高めてくれた。国の大きさ・強さが我の大きさ・強さとなり、個人は差異化せず同一化した。
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大量殺人のテロ事件が死刑廃止後のノルウェーの世論を揺らした事があったが、相模原事件も『刑法39条』が思想的大量殺人に適用され得るか問う判例になる。対話能力あれば心神喪失に当たらないとすべきだが。
<相模原殺傷>容疑者「自分は死刑にはならない」発言も (毎日新聞 – 08月15日)
人が人を殺してはならないの人権・殺人禁忌を例外なく適用すれば『死刑廃止』『戦争放棄(EU的な地域共同体拡大)』に行き着くが、『個人の感情・利害・思想(世界観)の動機に基づく殺人』を全て事前抑止はできない。相模原事件や海外テロのような『大量殺人事件』に死刑以外の刑罰が妥当かの倫理的判断は現代の課題だ。
続きを読む 相模原大量殺傷事件の植松容疑者『自分は死刑にならないの発言』と現代の刑法における法的責任能力(心神喪失・心神耗弱)の争点 →
20歳から18歳への成人年齢引き下げは選挙権から段階的に進められるが、高校卒業と同時に成人になる線引きは分かりやすく、法的に成人同等の処遇にするなら飲酒・喫煙も認めるのが筋だろう。
18歳成人、来年に民法改正も=「通常国会提出も選択肢」―金田法相 (時事通信社 – 08月15日)
18歳でも高校在学の間は飲酒・喫煙を禁止する等の特例措置は要るだろうが、18歳で解禁しても『飲酒・喫煙を格好良いとする文化・価値観』自体が若者の間で既に下火になっているので、無理をしてまで『飲める自分・喫煙する自分』のセルフイメージを形成したいという人の比率が大きく増えるとも思えない。
現状、法律で20歳になるまで飲酒・喫煙・競馬(公営ギャンブル)などが禁止されていても、それが建前の違法性しか形成していない。実質的に『大学入学の時点』で飲酒・喫煙・賭博をしたい人にとって解禁になっている。新歓コンパで飲み会が催される法律との矛盾も放置されてきたが、18歳で成人はその矛盾解消にはなる。
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日本は学卒後の正規雇用キャリアから外れると、特別な専門性や技術力、経営能力・稼ぐノウハウがない限り『蓄積のない不安定・低賃金の雇用』に嵌りやすい。中高年無職から貧困老人の問題は深刻だ。
「働かず金無心に耐えかねて」息子殺害容疑で74歳逮捕
中高年で正規雇用のキャリアから外れたり、若い頃から無職・ひきこもりが続いた場合、いざ働こうとすれば『雇ってくれる職場』と『雇ってくれる仕事(多くがきつくて低賃金でやめる仕事)への適応力』が問われる。バイトも『清潔な身なり・外見の良い印象・コミュニケーション力・若者との協調』がないと中年は雇われにくい。
ここ20年で進んだ中流階層崩壊の意味は、『取り立てて優れた能力・技術・知識がない人が平均所得を稼げる仕事』が大幅に減少し、学卒後に最初に入った解雇規制や労組の圧力のある大組織を離れれば、大半の人はまともに稼げないということ。老親の年金に頼る中高年のワーキングプアや無職は構造的に増加、年金も減額される。
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ネットの検索結果から削除を求める裁判は、EUでは『忘れられる権利』で削除が認められやすい。今まで『犯罪履歴の削除要請』が多かったが『暴力的集団との関係を示唆する内容の削除』は新しい型ではあるな。
検索結果の削除範囲は「全て」 地裁、異議認めず
客観的事実でも犯罪の履歴や不祥事が永続的にネット上に残されていると、自分の名前で検索されると前科がばれ社会復帰や再就職が困難になるなどの理由はあるが、原則では賞罰の隠蔽はしてはならないものだ。だがネット以前は『人の噂も七十五日』であったのに、ネット社会では半永久的に残るという不利益は大きいものだ。
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金の機能は『交換・貯蔵・指標』だが『金で交換できないものはある(金で動かない人や時間を売らない人もいる)・一定以上の貯蔵は個人には無意味・金額で指標化できない心理的満足がある』が反論になる。
「世の中、金こそすべて」←この主張に反論できる?
『金こそ全て』という命題自体が、ストックなのかフローなのか、労働所得なのか不労所得(資産・投資からの収益)なのかでも話は変わる。金が全てだからとにかく自分の体力と時間の限界ギリギリまでぶっ倒れるまで稼ぎたいという人はまずいない。大多数は『金がすべて』でなく『自由に動ける・体を休める時間』を優先する。
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