最大手の動画サービス“Netflix”が日本上陸、マイナンバーカードを使った給付つき税額控除の問題

○Netflixが日本上陸

定額動画サービスの最大手“Netflix”が上陸した。現状は日テレ経営で邦画の強い“Hulu”、月額500円で安い“dTV”より特別に魅力があるほどではないかもしれない。Huluはデスノート等の『テレビドラマの見逃し視聴』が魅力であるように感じる。

Netflixは自社制作のオリジナル作品と4K画質に強みがあるようで、Huluと比較すると海外ドラマのタイトルも結構違っていたりして、それぞれのユーザーの好みによってどちらの動画サービスが良いのかは変わってくるのだろう。

個人的にはストリーミング再生のスムーズさで、回線速度が遅くても『画面のカクつき・時間指定時の停止・前回停止時の狂い』が殆ど発生しないHulu(の動画プレイヤー)が使いやすいと感じる。

Netflixはこれからの作品タイトルの増加・充実に伸び代があり、資金力があるのでオリジナルコンテンツ作成では優位に立っていると思うが、既にHuluなりを契約している層に乗り換えを促すほどのインパクトがあるかどうか…。

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菅義偉官房長官の発言から『沖縄問題』を考える:戦前戦後の沖縄の位置づけと犠牲・負担

安倍政権を代弁する菅義偉長官は『戦前・戦後の沖縄県の位置づけ』についての認識が、県民意識から離れすぎている。『戦後の占領統治及び米軍基地の為の強制土地収容』を引いて沖縄の本土との落差を訴える翁長知事に対し『戦後は全国で皆が苦労した(沖縄県民だけ苦労したわけではない)』という返答は論旨をずらしている。

沖縄県の近代は1872年の琉球藩、1879年の沖縄県の設置による『琉球処分』から始まり、薩摩藩と清に両属していた半独立国の琉球王国を日本に組み入れる過程は広義の併合でもある。沖縄県民の皇民化はウチナンチュの日本人化でもあり、『大和民族との自己同一化』は大日本帝国の中央‐周縁‐忠誠の問題でもあった。

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明治大学大学院教授を「司法試験漏洩』で刑事告発:院生に恋愛感情があったとの供述

昔から、権威的な考査委員のいる大学は合格率が高いという印象、司法試験の公正性に対する疑義は無いわけではないが、『間接的な強化演習を介した要点の示唆』と『直接的な問題・解答例の漏洩』とは問題(違法性)のレベルが全く異なる。

<司法試験漏えい>明大院教授を刑事告発 東京地検が捜査

明大院の教授が『司法試験問題の漏洩』を疑われたのは、恐らく憲法以外の試験分野では特別に優れた理解・見識(問題の正答率・評定点)を見せていない女子生徒が、憲法の論述問題においてだけ『完璧に近い減点部分のない模範解答』を書いてきた事にあるのだろう。元の学力・見識からズレた完璧な論述は有り得ない。

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人を襲った紀州犬を警官が「拳銃13発」で射殺,高速道路の渋滞のイライラ

紀州犬は飼育頭数が多く飼主に忠実で一見おとなしい印象を受けるが、狩猟犬の出自で体力・攻撃本能がある。躾が不十分だと、気性の荒さが人への危害に繋がる事もある。

人を襲った犬を「拳銃13発」で射殺した警官に非難の声・・・正しい対応だったのか?

秋田犬もそうだが紀州犬も、日本では飼い犬として見慣れている犬種なので、子供でも気軽にさわれそうな犬に思われやすい。だが躾の仕方や運動量(散歩)の十分さ、人への懐き方などによって、予想外の凶暴性・攻撃性が出て、噛まれて怪我をする事例は多い。柵越しに大人しそうに近寄ってきたから撫でようとして噛まれる等。

中型犬のクラスになると、本気で犬が攻撃を仕掛けてくると、大人でも素手では十分に制御できないので、拳銃までいかなくても安全確保から警棒・木刀の使用がやむを得ないケースはあるだろう。この事件では飼い主の制止の指示さえ聞かないというか、飼い主本人も腕を噛まれ負傷している。飼い方・繋ぎ方の問題も検証すべき。

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映画『ギャング・オブ・ニューヨーク(2002年)』の感想とアメリカのWASP・移民の歴史

総合評価 92点/100点

レオナルド・ディカプリオは若い頃の『タイタニック』があまりに売れすぎたために、そこでイメージが固まってしまっている人も多いのだが、L.ディカプリオの映画は2002年のこの『ギャング・オブ・ニューヨーク』を画期として、光と影を合わせたアメリカの歴史を題材にとった骨太で重厚な作品が増えてくる。Huluで公開されていた『ギャング・オブ・ニューヨーク』を10数年ぶりに見てみた。

アフリカのシエラレオネ内戦を舞台にして、ダイヤモンド採掘の奴隷労働と欧米人ブローカーが暗躍する紛争ダイヤモンドの利権を題材にした2006年の『ブラッド・ダイヤモンド』も面白い映画だが、2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』は南北戦争前夜のアメリカのアイルランド移民問題を題材にした映画で、ギャングのむきだしの暴力がニューヨークの一角を仕切っていたアメリカ建国史の重要な一場面(銃の武装権を支持する保守層のスピリットの淵源)を切り取っている。

アメリカの近代化のプロセスは、移民や信仰の共同体(コミューン)をはじめとする『地名変遷の歴史』にも現れているが、『ギャング・オブ・ニューヨーク』ではディカプリオ演じる主人公の名前が“アムステルダム”というのが象徴的である。

アムステルダムはニューヨークの旧名ニューアムステルダムを彷彿とさせるものであり、ビル・ザ・ブッチャー率いるギャングの『ネイティブズ』の主張する『WASP支配・プロテスタント信仰の自明性』にニューヨークの歴史的起源(非WASPのオランダ人による支配の時期)を持ち出して対抗している。

ニューヨークの都市としての歴史の始まりはオランダ人移民の入植にあり、17世紀のニューヨークのマンハッタン島は『ニューネーデルランド』と呼ばれ、1663年には『ニューアムステルダム』とオランダの首都にちなんだ名称に変更された。17世紀後半、オランダ人はネイティブ・アメリカンからわずか24ドルでマンハッタン(19世紀以降のアメリカ最大の都市)を購入したのである。

そもそも論でいえば、ギャングの『ネイティブズ』は、WASPこそ『アメリカ先住民(アメリカを統治する正統な民族)』なのだと自称して『新たに入ってくる移民(特に本国の飢饉で急速に移民を増やすアイルランド系)』を差別・排撃しているのだが、本当のアメリカ先住民はインディアンであり、後から原住民を追って支配権を固めたWASPはセカンダリーな荒くれ者のネイティブズに過ぎない。

その後、ニューアムステルダムと呼ばれたマンハッタン島の支配者はオランダ人からイギリス人へと移っていく。1694年、英国はニューアムステルダムを武力で奪い取り、イギリス国王の兄弟の侯爵であるヨーク公の名前を冠して『ニューヨーク』へと名称変更した。

新たな土地を支配して新たな自分たちの民族・信仰の共同体を建設するという16~18世紀のアメリカの歴史は、正に武装した白人(本国で食えない白人)がネイティブ・アメリカンを放逐しながら版図を広げた『フロンティア(新天地)の開拓史』だった。

この時代からニューヨークの中心勢力は“WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)”と呼ばれる英国系の白人となり、WASPはニューヨークの支配的民族として非WASPの移民・黒人を“二級市民”として差別・排斥するようになるのである。

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現代社会ではなぜ『労働意欲の低下』が起こりやすいのか?:資本主義経済のモチベーション停滞

子ども時代の親の影響? 「できれば働きたくない」という若者たち

2000年代に入る頃から、ニートやひきこもり、無職の増加などが社会問題としてクローズアップされ始め、『アパシー(意欲減退症候群)』や『モラトリアム(自己アイデンティティ拡散・職業選択の遷延)』、『自己愛の肥大(甘え・社会と自意識の乖離)』などのキーワードで労働意欲の低下が語られてきた。

人間の働く意欲というのは『本能的なレベル』では限られていて、『生存+α』のほどほどのレベルでしか働かないことが多く、ジャングルが生い茂っていた石器時代の狩猟採集文化の実労働時間は、わずか2~3時間ほどであった(ひとり当たりの土地の占有面積の広さ・乱獲されていない生物資源の多さから短時間で餓死せずに食欲を満たす程度の収穫物が得られた)という推論も出されていたりする。

江戸時代も農民の労働時間はそれなりに長かったが、都市で暮らす人々の生活・労働は『その日暮らし(貯蓄・贅沢を追求しない)』であったため、朝から晩まで残業までして必死に働くようなハードワーカー(生粋の労働者階級)はほとんどいなかったとされる。

労働時間の長時間化を引き起こした要因は、『農業(農作業)』と『工業(工場労働)』と『企業経済』であるが、皮肉なことに人類の経済的な豊かさと文化文明の発展も、これらの大勢の人々を労働力として動員・要請する『農業・工業・企業経済の発展(生産力の余剰・新たな商品と価値の提示)』に支えられてきたのである。

これらの産業と労働がなければ、人類は石器時代の動物的本能に従って生きる狩猟採集文化(財の蓄積・モノの進歩がなく短命で同じ生活を繰り返すだけの文化)の段階に、更に100万年以上は縛り付けられていただろう。

農業も貨幣も知らない類人猿から分岐した猿人(人類の共通祖先)の歴史は実に約300~400万年も続き、ホモ・サピエンス・サピエンスとしての現生人類が登場してからも約100万年以上は石器時代の狩猟採集文化の生活様式を延々と繰り返していたのだから、人類は気の遠くなるような時間をほとんど進歩せずに生きてきたといえる。

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