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映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の感想

総合評価 72点/100点

学歴もコネも外渉資格もないジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)は、何とか採用面接で押し切って22歳で憧れだったウォール街の証券会社(投資銀行)に就職を決める。だがその翌年、金融恐慌に襲われ働いてたロスチャイルド証券は倒産、ジョーダンの株屋(証券ブローカー)としてのキャリアは断絶するかに見えたが、ジョーダンにはロスチャイルド証券のハイテンションな先輩から教わった『非人間的な金儲け(銭ゲバの徹底)の黄金則』があった。

一つ、終わりなき金儲けのためのエネルギーを補充するためにセックス(良い女)を求め続けること。性欲があってやりたいからやるのではなく、稼ぐための興奮状態を切らさないためにやるのだ。証券会社に入る前は学生時代に結婚した奥さんと上手くやっていたジョーダンも、大金を掴み始めてからは見栄えのするど派手な美人のトロフィーワイフに乗り換えてしまい、性的にも道徳的にも倫理観はブッ飛んでどこかに追いやられてしまう。

この映画、全体の3割くらいは男と女の性的事象の過激な表現に費やされている、R指定は当然だが恐らく地上波の21時枠での放送はない類(性的に固い視聴者から苦情が寄せられる類)の作品だろう。

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『頑張らなくても痩せてる人』の食・運動の生活習慣

肥満型か痩せ型かには、親子で体型が似ていることも多いように遺伝要因も軽視できないが、大半の人は極端な肥満や激やせの体型にまではいかず、標準体型である人が『加齢(代謝率低下)』と共にやや太り気味になっていき、身体感覚も俊敏さがなくなって重たくなるという感じになる。

一体何が違うの?「頑張らなくてもやせてる人」の生活習慣10個

頑張らなくても痩せている人は、『摂取カロリーと消費カロリーのバランス』がやや消費カロリーが大目になる生活習慣が自然に確立できている人であり、『食事の分量・頻度・内容』を変えるまでは、ある程度頑張ったり意識して変えたりする必要は出てくる。

これ以上ほとんど食べられないくらいの『満腹感(腹9~10分以上)』にこだわる食事を日常的にしていれば、満腹中枢が刺激される閾値が高くなるので、それよりも少ない分量の食事だと物足りない空腹感が多少つらい、手軽につまめるモノがあれば食べたいという衝動が抑えにくくなる。

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映画『ジャッジ!』の感想

総合評価 78点/100点

国際広告祭の何でもありの票取り合戦と“できない男+できる女”のツンデレ系の恋愛をテーマにしたコメディ映画で、妻夫木聡のカマキリのポーズや丸暗記の英会話戦術を初めとした馬鹿らしい演技が記憶に残る。北川景子は『謎解きはディナーの後で』とかぶるような攻撃系のキャラだが、何でもありが前提の投票合戦で不正をしようとしない妻夫木演じる太田喜一郎の糞真面目さに、いらつきながらもバックアップする。

大手広告代理店に勤めるCMプランナーの太田喜一郎(妻夫木聡)は、要領が悪くてお人好し。クリエイティブな仕事に憧れて広告業界に入ったものの、いまいち仕事も上手くいかない、調子が良くて女好きなノリノリの上司・大滝一郎(豊川悦司)からはいつも良いように使われている。

大滝一郎が自信満々で制作したエースコックのきつねうどんのCMは、エースコックの責任者から不評できつねをネコにしてくれという無茶なダメだしを食らう。大滝は太田にきつねをネコに見せかけるという無意味な仕事を丸投げし、自分の名前を制作のクレジットから外すように指示する。

仕事も私生活も思い通りに行かず落ち込んでいる太田喜一郎は、空気が読めずに一人だけ除け者にされた合コンの帰りに、地元の初恋の相手と偶然遭遇するが、その子は既に昔馴染みの友人と結婚しており、更に自分だけ同じ場所で停滞しているような疎外感を味わう。太田はその子から貰ったぬいぐるみのキーホルダーを未だにつけ続けていたりする。

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映画『永遠の0』の感想

総合評価 90点/100点

祖母・松乃の死をきっかけにして、祖父の賢一郎(夏八木薫)が『二人目の夫』だったことを初めて葬式で知らされた佐伯健太郎(三浦春馬)は、祖母の初めの夫である宮部久蔵(岡田准一)が鹿児島県の鹿屋航空基地から米艦船に突撃した特攻隊員であったことを知る。

母・清子の血縁上の父親は賢一郎ではなく、特攻隊員として散った宮部久蔵であり、健太郎はフリーライターの仕事をしている姉・佐伯慶子(吹石一恵)の勧めもあり、実の祖父である宮部久蔵がどんな人物であったのかの調査を始めることになった。

ラバウル航空隊に所属していた元海軍のパイロットや戦友たちから嘲笑混じりに聞かされるのは、『海軍一の臆病者・卑怯者』『何よりも命を惜しむ情けない男』『戦闘を避けて逃げ回っているばかりの奴』など散々なもので、健太郎は話を聞く度に暗く情けない気持ちになり、調査を続行する気力を失いかけていた。

しかし、末期がんで病床にある元海軍の井崎(橋爪功,青年期:濱田岳)の話はそれまでの戦友の話とは異なっており、『宮部さんは圧倒的な凄腕のパイロットだったが、奥さんや娘の元に会いたいという思いから何としても生きて帰りたいといつも口にしていた。あの時代にそんな意思を持つこと自体が強い人だったという証拠だ。自分も死ぬことを考えず何が何でも生きる努力をしろと励ます宮部さんによって生命を救われた』といったことを語ってくれた。

右翼の大物らしき景浦(田中泯,青年期:新井浩文)にインタビューした時に、『うちの祖父は逃げ回るだけの臆病者だったらしいですが』と笑いながら前置きした健太郎は、景浦に切りつけられるような剣幕で叩き出されたのだが、井崎の話を聞かせてもらいもっと祖父の過去を詳しく知りたいという思いで、深夜に景浦の自邸を再訪する。

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映画『利休にたずねよ』の感想

総合評価 84点/100点

市川海老蔵演じる千利休の濃い存在感や自負心の強い台詞回しが印象に残る映画。千利休が豊臣秀吉(大森南朋)に切腹を命じられた理由や背景を、当時の人間関係とエピソードの中で多面的に捉えている。

権力ですべてを牛耳る専制君主となった秀吉に対して、唯一分かりやすい形で跪かない男が茶頭の千利休であり、利休は面従腹背してはいたものの、次第に秀吉にとって目障りな存在になってくる。

千利休もまた『自分は美しいもの以外には従わない』という頑なな姿勢を鮮明にし始めるようになり、間接的であるにせよ、『権力・暴力による強制的な支配』に頼っている秀吉を、“権力の通じない茶の湯の境地(芸術的な高み)”から見下しているかのような態度に見られてしまうようになる。

物語を盛り上げるために創作した高麗の王族の娘との色恋沙汰のサイドストーリーはやや蛇足にも見えるが、千利休と妻の宗恩との夫婦関係の深層を解明する要素になっている。また、千利休が秀吉に激高された理由の一つが『朝鮮出兵に対する反対(武力の無闇な行使を美に反する野蛮な行為として指弾したこと)』だとも言われており、高麗の娘との恋愛が、利休が高麗の平和(戦争回避)に思い入れをするようになった伏線になっている。

本作『利休にたずねよ』では、『利休と秀吉の確執』の中心に絶対権力者の秀吉に心から服従することのない芸術家の利休という図式を置いているのだが、上で書いた高麗の娘との悲しい恋愛の思い出(朝鮮出兵に反対する動機づけ)だけではなく、秀吉が利休の娘を側室として所望したが断られたという話も織り込まれている。

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映画『47RONIN』の感想

総合評価 76点/100点

ハリウッド版の『忠臣蔵(赤穂浪士)』だが、冒頭の浅野内匠頭長矩(田中泯)の狩猟に巨大なモンスターが登場するように、VFXの激しい剣闘を楽しむためのファンタジーアクション映画として再構成されている。天狗に育てられたとされる頭部に傷を持つカイ(キアヌ・リーブス)は、天狗の里から逃げ出す途中の山中で行き倒れになっていたが、浅野長矩の計らいで一命を助けられる。

しかし、日本人と白人の混血であるカイは成長すると共に激しい身分差別を受けることとなり、穴蔵のような粗末な小屋で動物以下の厳しい生活を余儀なくされる。天狗より教わった剣術と秘術は強力なものであり、怒涛の勢いで突進してくるモンスターを狩りに出かけた狩猟では劣勢に追い込まれた侍に代わって討伐する実力を示す。だが、自らは狩猟を許されていない身分であり、その手柄を助けた侍(自分を日頃から侮蔑している侍)に譲ったりもする。

浅野長矩の娘のミカ(柴咲コウ)とカイは幼馴染であり、カイとミカはお互いに思いを寄せ合っているが、領内の誰もカイを『侍(武士)』として認めることはなく、最下層の身分として遇されるカイがミカと一緒になることは許されなかった。播磨国赤穂藩の豊かな所領への野心を募らせる吉良上野介(浅野忠信)は、不思議な呪術を駆使する妖狐のミヅキ(菊地凛)を側室としており、ミヅキの呪術を用いて浅野内匠頭を乱心させ、将軍・徳川綱吉が宿泊中の屋敷で自分を斬り付けさせた。

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