「雇用問題」タグアーカイブ

日本の国債残高1088兆円はどう解釈すればいいのか?、トルコリラとエルドアン政権、最低賃金上昇で時給874円だが十分な金額ではないなど!

○国債は国の借金で、国民は債務者だから幾らでも公的債務を増やしても構わないという考えが成り立つなら、予算編成の財政制約は無くなるがそれは事実ではない。
6月末、国の借金1088兆円=1人当たり860万円 (時事通信社)
http://mixi.at/ad4ekMe

国民は債権者だからに訂正。約1100兆円の公的債務残高は、国家の支払能力とのバランスを測るバロメーターで、国債金利と日本円の価値と相関している。そのため、超高齢化社会で支払能力が落ちたと見られれば、国債金利が上昇して日本円の価値が落ちる。公的債務は国民生活と無関係でいくら増えても良いわけではない。

公的債務残高が1100兆円でも2000兆円でも一緒だからバンバン国債を発行しても構わないという考えは、錬金術的なモラルハザードを引き起こして、日本円のインフレを加速させるリスクがある。確かに、1100兆円は観念的な数字だが、国家財政の支払能力の範疇に収まっているという帳尻合わせが信用力なのである。

逆に、国債を無限に発行してもその債務を国家が支払える幻想をみんなが共有すれば、期間限定のユートピアが一時的に現世に現れる。日本の国家予算を300兆円くらいの規模にして、みんなに100万円ずつばらまいたって問題ないことになるが、遠からず需給の不均衡が労働力や物資の不足で露見してインフレが起こる。

○Edyが楽天Edyになってから決済可能な場所が増えている。久しぶりにEdyのアプリをDLして使っているが、暑い時期に自販機でスマホをかざすだけで買えるのは結構便利だ。ファミレスとコンビニ、イオン系の支払いもできるので、5千円程度入れておけば財布なしでもOK。Edyにビットコイン決済機能を付けてほしい。

○FXのトルコリラ……トルコ経済はメルトダウン寸前か、ハイパーインフレの前兆である恐れもある。ただトルコリラの年金利17.5%の誘惑は強く、「大底」と思って大量に買う個人投資家は多く、そこから一段下がって最安値を更新する続落が続いている。エルドアン政権への米国の経済制裁と物価上昇基調に歯止めが効かない。

トルコの悲劇はエルドアン大統領という経済政策に無知な独裁者が君臨していることだが……エルドアンは中央銀行が主張する利上げを拒否、逆に利下げによる景気刺激策を優先するとして、中銀の独立性を否定する憲法改正の構えさえある。1ドル=6リラを超えた異常なトルコリラ暴落は、必然に輸入品価格を高めインフレが進む。

反米・親イスラム(トルコの世俗主義放棄)に進むエルドアン大統領は「彼らはドルを持っているかもしれないが、トルコには国民と権利がありアラーの神がついていることを忘れてはいけない」と語って、トルコ国民を鼓舞したとあるが、生活必需品が何倍にも値上がりする事態を悪化させているのは自分の経済・外交政策である。

エルドアン大統領は外国為替市場という純粋な市場原理と金融政策によって価格が上下する世界において、アラーの神の加護を持ち出したわけだが、現在の米国経済と米ドルの強さを前にアラーの名前を唱えてもリラは0.1リラも上がらないのである。1ドル=6リラでは済まずインフレでFX主要銘柄から退場させられるリスク。

続きを読む 日本の国債残高1088兆円はどう解釈すればいいのか?、トルコリラとエルドアン政権、最低賃金上昇で時給874円だが十分な金額ではないなど!

若年者~中年者の失業問題(無気力化)は深刻化している、 2017年の出生数は過去最少、現代人はなぜ子供をあまり産まないのか?

○EUの20代失業率は15~25%以上で少なくとも5人に1人が無職だが、日本の若年層も長期定着しない間歇的失業を含めれば20%に近い。若者も高齢者も「就職・金を巡る親族間トラブル」は増加傾向にある。

夫婦切られ、夫死亡・妻重傷 殺人未遂容疑で息子逮捕 (朝日新聞デジタル – 12月24日 http://mixi.at/ajKF2m8)

貧困・低所得の人や自身の労働意欲(社会適応性・稼ぐ力)がそこまで強くない人が、結婚・子育てに消極的な理由の一つは「子供の就職・自立が失敗した場合のリスク想定」もある。昭和60年代以前なら実家の権威や親子の上下関係で「子を追い出すか、子が逃げたくなる自立促進」も可能だったが、現代は事情が変わった。

現実問題として、何らかの理由で挫折するか無気力になるかして、働く気がない人を働かせる方法は、「本人をやる気にさせる・本人が働く必要あるいは面白さに気づく」か「無理やりに働かなくてはいけない状況に追い込む・暴力や人格否定で追い込みをかける」かだが、後者は関係性や気質によっては事件化するリスクがある。

長期の失業・無気力・ひきこもりで怒鳴り合うようなケースでは、「仕事以前の段階で順調な人生設計からの逸脱挫折」「家庭環境・親子間の問題」があったり「メンタルヘルス悪化・対人関係の孤立(横並びの友人関係の途絶)」があったりするので、脅し・嫌味の圧力で相手が折れて「分かりました」で解決する可能性は低い。

今後の超高齢化社会では、若者と高齢者、親と子供の間で「仕事・お金を巡るトラブル」や「誰が働いていて誰が働いていないか・誰が介護や医療などの経費をどのくらい負担するかの家族間トラブル」は増加する危険性がある。子・孫に対して生活水準・進学・モノなどどこまで支援すべきかで、家庭別の格差も拡大傾向にある。

現代では、単純なサービス業のバイトであっても、本人が前向きな意識で取り組む姿勢がないと勤まらない仕事が増えており、給料が安い仕事や内容が簡単な仕事だからといって、ぶすっとした表情で嫌々ながら職場に行きさえすれば良いという話でもない。モチベーションが低く表情の暗い者の仕事は減り、職場でも歓迎されない。

続きを読む 若年者~中年者の失業問題(無気力化)は深刻化している、 2017年の出生数は過去最少、現代人はなぜ子供をあまり産まないのか?

日本の正社員と非正社員(非正規)の違いとは何か?、 食費を節約できるポイントはどこか?

○日本の正社員と非正社員の違いはメンバーシップ制(内部要員)か否かで採用後の能力の低さだけで非正規化は基本できない。正社員=無期雇用は経営が健全なら今も維持されている。

正社員として入社したのに、まさかの「バイト」降格…そんな人事はアリ?

犯罪などよほどの事情がなければ解雇・非正規化できないという「正規雇用の解雇規制」は、戦後日本の経済社会を「年功序列の終身雇用化・学校化・非競争化」する役割を果たして来た。1980年代まで、会社はいったん正社員で入社したら定年退職まで通えて、先輩後輩の年次序列のある学校のようなものだったからである。

今も受験競争や就活競争はあるが、昭和期の過熱した受験競争の背景にあったのは「経済社会の学校化」だ。いい学校に入っていい会社に入れば、そこを辞めない限り人生安泰の価値観は今もなくなったわけではないが、この価値は典型的な「メンバーシップ制(学校・会社の正規メンバーになるまでが重要)」に依拠していた。

20年ほど前まで、重厚長大産業や国・自治体・公共部門に巻き込まれれば、入ってみてダメでも居座れば食いっぱぐれはない大艦巨砲主義でいけた。現在は「エリート候補のハードワーク・要求されるハードルの高さ」「会社側の追い出しスキルの向上」によって、仕事・適応ができない人はメンタルをやられ自己退職しやすい。

また正社員の終身雇用は「会社に通勤し続ける限りは、経済生活・所得水準が概ね維持される形態」だが、転職スキル・時間・自由も求める現代人にとって必ずしも理想的な雇用形態といえない拘束の長さやストレスの強さなどのデメリットも目立ち、メンバーシップと汎用化スキルを巡る働き方や価値観は多様化している。

続きを読む 日本の正社員と非正社員(非正規)の違いとは何か?、 食費を節約できるポイントはどこか?

なぜ日本の働く人は将来不安や閉塞感を抱いているのか?、 TAKAHIROと武井咲が結婚&妊娠

○日本の閉塞感は、擬制身分の雇用構造が『建前平等+格差拡大』と結合し、景気指標が回復しても自分の収入増にならないと思う人が増えた事にある。

働く人の7割以上が「将来が不安」「日本の将来は良くならない」と回答 収入よりワークライフバランス重視する傾向も

マクロな人口動態のモメンタム(慣性)は、今後約半世紀は日本の人口が増加しないことを示唆するが、人口が増加しないことがイコール『将来が良くならない・社会全体の景気回復による大きな恩恵は回ってこないという悲観的な認知』になっている。2017年現在、株価や消費の指数では今の日本は好景気、空前の売り手市場である。

確かに景気・消費・設備投資などの経済指標が上向けば、大手・公務員の手取りは増えるし過去最高益の会社などはがつんとボーナスで大盤振る舞いもあり得るのだが、非正規・中小をはじめとして過半の労働者は日経平均・企業業績・公務員俸給が引き上げられても、直接お金が入ってくるわけではないのである。

新卒採用からの正規雇用や業務独占の専門職の積み上げ型のキャリア形成以外の人では『日本全体の景気・株価の上昇』がむしろ明るい材料ではなく、ニュースで賞与・株価・旅行だで浮かれている時に取り残されている感覚になりやすく、『日本経済の指標変化と賃金・賞与が直接リンクしていない層』が多いほど将来悲観になる。

続きを読む なぜ日本の働く人は将来不安や閉塞感を抱いているのか?、 TAKAHIROと武井咲が結婚&妊娠

北九州市で心理職・嘱託職員の女性が自殺:臨床心理士でも正規雇用のキャリア・収入増加が難しい心理職の仕事の問題

心理職は真面目に相談者を思いやる人ほどストレスが強くなる仕事だが、行政の心理職は『共感的理解のレベル・相談者への寄り添い』を敢えて落として数をこなす適当さがないと疲弊して務まらない。

「もう動けん」自殺の娘、眼鏡に涙の跡 嘱託職員の遺族

自殺された非常勤職員の心理職の女性は、おそらく『家に持ち帰ってでもクライエントの悩み・生活を心配して考え続けるタイプ』だった可能性があるが、そういったセンシティブな共感と寄り添いは確かに大きなニーズを生むが、皮肉なことに行政の無料相談では上司は個別の質・対話の深みより数・無難な処遇を評価するだろう。

非正規差別と心理職の雇用・権限・収入の乏しさの問題があるが、現実問題として専門性のある心理一本でまっとうな収入を稼ぐことは大学の教授職でなければ、中堅以上の病院の心理スタッフ(テスターに近い)の正規雇用か非常勤講師掛け持ち以外は、公務員系しかない。営業力とカリスマ性があれば開業もあるが安定はない。

続きを読む 北九州市で心理職・嘱託職員の女性が自殺:臨床心理士でも正規雇用のキャリア・収入増加が難しい心理職の仕事の問題

大卒者の経済価値の変化と奨学金を返済する負担の影響:日本は学歴と潜在能力のみでは食えない雇用構造である

○大卒者の経済価値(見込み賃金)は大学進学率が低い社会ほど高く、学歴のみで官僚的な昇進システムに組み込まれる資格になる。現状は大学・学生の格差が開き、出世払いできる人の率が下がっている。

大学無償化で「出世払い」検討=豪州型参考に―人づくり革命

先進国は教育インフラ整備の政策として大学無償化に舵を切るが、その為には『無償化される価値(将来の支払い能力の確度)がある大学・学生』の選別がなければ、コスト対効果が低くなって大学支援金の返済率も低くなるだろう。1980年代以前のように大卒というだけでエリート候補で優遇される時代ならば良かったが。

日本の学歴社会の特殊性として『形式的な最終学歴』が重視され、『新卒採用・長期雇用のパスポート』のためだけに大学進学を目指す人が多いことがある。どんな大学でも大卒であれば高卒・専門卒よりも知的に優秀で企業で優遇されるべきという慣習的な価値観が根強かった。今後は大学教育の内容と専門性がより重要になる。

先進国では高学歴化・大学進学率上昇があるが、過半数が大学に行く社会になると、近代初期にあった『大卒=学歴で食える社会・企業のエリート候補』の見方は成り立たなくなるわけで『大卒者間の実力評価・待遇の格差』がより大きくなるのは必然だった。かつて高卒が当たり前だったのが大卒が当たり前に近づいた結果でもある。

続きを読む 大卒者の経済価値の変化と奨学金を返済する負担の影響:日本は学歴と潜在能力のみでは食えない雇用構造である