「雇用問題」タグアーカイブ

梅田地下街のパン屋で起こった従業員間の切りつけ事件:接客業に求められるハードルが上がっている

接客業に求められる対人スキルは昔より上がったが、パン屋のレジ中心の接客で『殴るほどの指導』をするのは、どちらかの考え方が極端にズレている。

【梅田地下街切りつけ】「何度も殴られカッとなった」逮捕の22歳男供述 被害女性と同じ「神戸屋」店員 接客態度を注意され

よほど無礼・傲慢な店員でもない限り、パン屋の接客で強いクレームがくる状況は考えにくいが、『お客に暴言を吐く・パンを乱暴に扱う・挨拶なしで無表情』などのレベルだと初めから採用されないか、短期で解雇されそうなものだが。それか重箱の隅をつつくような不要不急のしごき的な体罰・指導をしていたか。

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増加する中高年世代の男性のひきこもりの問題:社会参加して働くための動機づけの再構築の難しさ

長期に社会・他者と接点のなかった中高年の異業種への再チャレンジやバイトは、『意欲(動機)・能力・適性・偏見・扱いにくさ』の面で困難が多い。自発的な意欲や人・場に合わせる社交性(意識転換・能力)がある人なら既に再出発している。

いったいなぜ? 増える中高年男性のひきこもり

20~30代前半の若い年代なら頑張って就職活動をすれば相応の場の正規雇用でも雇われる可能性はあるし、周囲の友人知人とのつながりもあって『人並みの人生設計をするための動機づけ(自分だけ無為な何もしてない人生を送ることの不安)』がひきこもっている状況から離脱する力になりやすい。年齢が上がってくると、周辺環境が大きく変わる。

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高額年俸の医師にも残業代(割増の時給)はきっちり支払うべきなのか?:年俸制と時給制と高度専門職

医師の高額年俸に残業代が含まれる旨の労働条件の契約書を、雇用した時点で提示しておくべきだった。残業代を支払うなら初めに年俸額を微減させて、割増時給の金額を明示しておくべきなのだろう。

高額年俸の医師にも残業代支払うべき? 最高裁判断へ

医療には社会福祉・倫理の側面が強くあるが、一人前の医師になるまでに相当な学費と勉強・研修のコストがかかり仕事も激務で患者に責任も生じるので、それなりの高所得を担保してほしいという言い分も分かるが、年俸2000万円に近ければ十分な高所得ではある。『年俸制』と『給与制・時給制』はそもそもの考え方が違う。

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労働時間の長さを耐えづらく感じ始めた現代人と“余暇・趣味・娯楽”の比率を高めたい精神的貴族主義(自由の拡大願望)

消費社会に育つ現代人は『精神的貴族主義』になりやすく雇用労働の拘束に悩むが、現代の物質文明・生活水準は当面は膨大な労働時間がないと維持できない。

「1日5時間労働が理想」「人生スッカスカだ」に賛同相次ぐ 「まずは1日8時間の徹底が先」という意見も

企業に雇われて働く正規雇用の労働は、法律で強制的・一律的に労働時間を短縮しない限りは短くならないが、それを突き詰めれば営利企業・市場競争のない社会主義(ノルマ・計画経済の全員が公務員的な俸給制)に近くなっていく。資本主義では労働時間短縮は生産量減少・競争劣位で、他社にシェアと収入源を奪われやすい。

1日5時間とか3時間とかの労働は、個人事業の生産効率の上昇によって達成できる可能性はあるが、小売の会社やメーカーの工場で考えれば無理なことが分かる。5時間しか開店してないスーパーやコンビニは競争に敗れて廃業。3時間労働・8交代制の工場がまともに利益の出る経営はできない。

時給制で良いなら、3~5時間のアルバイト的な働き方はできるが、20~30万以上のまとまった月収にはまず至らない。個人事業か知識労働なら短時間で20~30万以上稼げる可能性はある。高級な寿司・フレンチでも、週に3日・夜だけしか営業してないような店もあるが、客単価2万程度に設定、確実に10人入るなら1日20万超の売上だ。

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日本の『学校生活+ブラック部活動』は近代の長時間労働に適応するための規律訓練でもあるが…:長く自宅外で活動する意思・体力

休みなく夜遅くまで部活に励む学校生活は『長時間労働・上下関係』の規律訓練で、少なくない企業では今もそういった人材は歓迎される。特別な能力のない多くの労働者にとって会社適応の手段でもあった。

やばい「ブラック部活動」 保護者「まともに休日がない」と悲鳴

近代の学校制度や国民教育の原点は『労働者・兵士の規律訓練』であり、戦前戦後までは『長時間労働・上意下達(理不尽な上下関係)』は否定すべき悪ではなく、何とか適応しないと貧窮する庶民の現実だった。無論今もそういった側面は完全に解消されてはおらず、就活面接で『残業・転勤を嫌う発言,反抗的態度』はマイナスだ。

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現代日本の大学教育の効用と貸与型奨学金を借りすぎることのリスク:奨学金を借りるなら働くビジョンも必要

日本の大学教育は医歯薬看系の学部を除き『職業教育・資格や免許』の側面が弱く、卒業すれば確実に平均所得前後を稼げるわけではない。親世代の大卒ならそれなりに稼げるの見通しの具体化が必要だ。

ルポ・奨学金に奪われた未来、仕送り激減、ブラック企業への就職…

数百万以上の奨学金を借りる事は、無利子に近くても『長期間にわたる固定の支払い』が発生することを意味する。固定費は一つが少額でも家賃食費・水道光熱費・スマホ料金と積み重なるとすぐ10~20万以上の金額になる。卒業までにどんな仕事・資格・方法でどのくらい稼げそうかの見通しを早い段階で立てる必要がある。

本来、親の資力に影響されにくい機会の平等を担保するため、大学までの教育過程全体の無償化を進めるべきだが、そのためには『大学全入化の改革(大卒を就活の最低ベースラインとする企業・個人の意識変革)』が必要で、『大学に入学すべき能力・目的・適性がある一定数の人材』だけが大学に進むようにしないと無理だろう。

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