増加する中高年世代の男性のひきこもりの問題:社会参加して働くための動機づけの再構築の難しさ

長期に社会・他者と接点のなかった中高年の異業種への再チャレンジやバイトは、『意欲(動機)・能力・適性・偏見・扱いにくさ』の面で困難が多い。自発的な意欲や人・場に合わせる社交性(意識転換・能力)がある人なら既に再出発している。

いったいなぜ? 増える中高年男性のひきこもり

20~30代前半の若い年代なら頑張って就職活動をすれば相応の場の正規雇用でも雇われる可能性はあるし、周囲の友人知人とのつながりもあって『人並みの人生設計をするための動機づけ(自分だけ無為な何もしてない人生を送ることの不安)』がひきこもっている状況から離脱する力になりやすい。年齢が上がってくると、周辺環境が大きく変わる。

40~60代以上で雇用・結婚・老後設計から完全にドロップアウトしてしまった人、キャリアや専門性(知識・技術・実績)の積み上げがない人になると、『これから得たいもの』や『今以上に失うもの』がないという考え方になりやすい。今から結婚・家族・人生の設計をするとか仕事で成功するとかの動機づけは消える。

中高年男性の長期のひきこもりの対応の難しさは、最低限の生活を賄う以外の何の目的もなく、先の人生の年限も限られているという『先細りの悲観的な認知によるモチベーション低下』であり、今まで無気力・惰性・諦めで生きてきていると余計に『失うプライド・社会参加の適応的自意識』も弱まり、支援の手が届きにくくなる。

若い人でも無気力・悲観的な人は『何のために少ない収入のために働かなければならないのか?』という労働意欲低下に苦しめられる人は少なからずいて、ひきこもらなくても仕事が続かないとか収入基盤が安定しないは多いだろうが、孤独でキャリアのない中高年だと余計に『今から社会参加する意義』を掴むまでが大変だろう。

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