外見的な特徴・雰囲気では“女要素”は好かれやすく“男要素”は好かれにくいのか?

掲示板で“女要素”は男・女共に好かれ“男要素”は男・女共に好かれにくいという話を、プリキュアやラブライブ、宝塚など『女も好む女だけの楽園』を例にし『中性的容姿の男の選好』に触れていた。男要素の価値は生物学的にも『外見・感覚の美観』より『仕事・戦闘の実利』に置かれたがそれが現代では縮小しがちなのかも。

確かに、男性が好む『男要素の多い漫画・物語』はあるが、そういった作品の多くには『仕事・戦闘・不良文化の対決とそこから得られる利益(階層的な上下関係・より困難な仕事の達成やより強い敵の撃破)』が関係していて、女キャラだけが登場する『女だけの楽園』と並ぶ『男だけの楽園』といった世界観は成立しづらい。

腐女子やドルオタなど一部の女性が好む『美形の男』も、『女要素の美観を持つ中性的存在』で、仕事・戦闘喧嘩・競争の勝敗や上下関係メインの『純粋な男要素』は余り人気がないように思う。ファッション雑誌が典型だが、女性は美形の女性を観賞するのが好きな人も多いが、男性には美形・着飾った男性を観賞する趣味がない。

魅力的な女だけが登場する『オタク向けの日常系の漫画』は無数にあるが、これを戦闘も仕事も喧嘩も冒険もないただ男だけが登場してほのぼのした学園生活を過ごしたり男同士で他愛ない日常会話を交わして笑い合う世界観は女性向けでもまず成立しなさそう…女要素は知覚で好かれ、男要素は行為で好かれやすい差異かも。

現代で女性優遇社会だという理由で男女平等社会を批判するようなミソジニーな男性は多くいるが、『女性は何もしなくても笑っているだけでも好かれやすい(人が寄ってきやすい)』と『男性は何か役に立つ事をしないと好かれにくい』という生物学的・歴史的な差異への異議申し立てをしてもなかなか無益なことではある。

ただしイケメンに限るといったルサンチマンもまた、『何もしなくても好かれやすい女要素を多めに持った男性への嫉妬・不満』として解釈することができるが、生物学的というか性淘汰的にそういった外見的・心理的特徴が何万世代もかけて作られてきたため、理屈だけで変えにくい仕方ない性的差異の一面である。

近代から現代への社会変動によって『経済社会で求められる強さと美しさの質』が短期間で大きく変化した為、セックスとジェンダーの差異を埋めようとする啓蒙的な意識が先走りするも、実際の社会制度・男女関係に働く生物学的な知覚・感情・選択を上手く制御しきれないことによる不満が鬱積しやすいという過渡期だろう。

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