労働時間の長さを耐えづらく感じ始めた現代人と“余暇・趣味・娯楽”の比率を高めたい精神的貴族主義(自由の拡大願望)

消費社会に育つ現代人は『精神的貴族主義』になりやすく雇用労働の拘束に悩むが、現代の物質文明・生活水準は当面は膨大な労働時間がないと維持できない。

「1日5時間労働が理想」「人生スッカスカだ」に賛同相次ぐ 「まずは1日8時間の徹底が先」という意見も

企業に雇われて働く正規雇用の労働は、法律で強制的・一律的に労働時間を短縮しない限りは短くならないが、それを突き詰めれば営利企業・市場競争のない社会主義(ノルマ・計画経済の全員が公務員的な俸給制)に近くなっていく。資本主義では労働時間短縮は生産量減少・競争劣位で、他社にシェアと収入源を奪われやすい。

1日5時間とか3時間とかの労働は、個人事業の生産効率の上昇によって達成できる可能性はあるが、小売の会社やメーカーの工場で考えれば無理なことが分かる。5時間しか開店してないスーパーやコンビニは競争に敗れて廃業。3時間労働・8交代制の工場がまともに利益の出る経営はできない。

時給制で良いなら、3~5時間のアルバイト的な働き方はできるが、20~30万以上のまとまった月収にはまず至らない。個人事業か知識労働なら短時間で20~30万以上稼げる可能性はある。高級な寿司・フレンチでも、週に3日・夜だけしか営業してないような店もあるが、客単価2万程度に設定、確実に10人入るなら1日20万超の売上だ。

そういったお店も土地・店舗が自己所有で家賃がかからないなどの有利があったりもする。インターネットも個人や少数でまとまったアクセスのあるメディアを運営していれば、実働時間が短くても収入は入る。雇われて1日5時間程度でそれなりの年収を得るのは特別な経営者・技術者以外の労働では利益がでないので無理だろう。

労働時間が極めて短いのに、雇われて現在の年収300万円以上位の収入があるというのは、『市場競争・利益貢献・顧客獲得に無関係な給与体系』でないとありえない。それは、全労働が与えられた役割・地位によって売上・利益と関係なく警察・消防のように決められた給料が配当されるという社会主義体制に近いものだろう。

近未来のSFなら、AI(人工知能)とロボットによって人間の労働の大部分が代替されて、人類の労働からの解放といったストーリーに接続するが、現状では1日5時間労働で月20~30万以上欲しいは、存在するだけで価値がある自分がわざわざ出向き瑣末な仕事に拘束されるのだからという精神的貴族主義の変形だろう。

自分の作ったビジネスモデルや保有資産・投資環境、時給換算1万円以上稼げるような人はいるだろうが、大多数の人は『自分の時間・労力』をフルに活用しないとまとまった金額は稼げず、自律的・主体的な仕事観を作ったほうが楽だろう。嫌々やらされている他律感があると、労働時間の長さは耐え難いものになる。

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